私にしては珍しく、
8,000円の靴を買った。
おはようございます。
私は、靴にお金を掛けない。
その訳は、この形にある。
漫画みたいな指のせいだ。
とくに、親指に至っては、名前を付けている。
「デメタン」だ。
我がデメタン、愛すべきデメタン。
そして、厄介なデメタン。
このデメタンのおかげで、既製の靴がなかなか合わないのだ。
どんな靴を履いても、
デメタンが「痛いよ、狭いよ」と泣き出してしまう。
売り場で、試しに履いた瞬間、泣くのなら分かりやすいけれど、
時々、「あれ?これいいんじゃない?」と買って履いて、
2時間後、泣き出すという時もある。
だから私は、お高い靴は買わないことにしている。
ちなみに、名前の由来となった『けろっこデメタン』のデメタンは、
永遠の小学4年生だけれど、私のデメタンはもうすぐ50歳だ。
50年間を私と共に、あらゆる物と出会って来た。
大地を踏む度、「キュッキュっキュッキュ」鳴く騒がしい靴を履かされたのをかわきりに、
成長していく度、たくさんの靴との出会いと別れを経験した。
デメタンが特に記憶に残る靴は、14歳の時、真新しい靴との出会いだったろうか。
新品の匂いに、まだ馴染めなくて、靴見知りしていた帰り道、ドブにはまった。
その時、デメタンは思った。
「そうそう、この匂いだ。懐かしい。」
そして、デメタンは気付いた。
「そうか、青春の匂いって、ドブの匂いに似ている。」
デメタンがそれに気づいた1年後、
おかっぱは、部活動で3年間履いたバレーボールシューズを、
卒業の記念に後輩へ贈った。
すると、後輩たちはこぞって言った。
「おかっぱ先輩の靴、ドブの匂いがします」
と。
眼を潤ませる後輩たちを見て、おかっぱもようやく気が付いた。
「そうか、青春の匂いって、ドブの匂いなんだね、デメタン!」
大人になってから、デメタンはパンプスという曲者に出会った。
怒りに震え、ストッキングを次々と突き破り、叫んだ。
「狭いんだよーーー!」
デメタンは負けなかった。
立ちはだかる数々の難敵に負けんと、ますます成長していった。
今やもう、運動靴のカテゴリーに属する靴にだって勝つ。
楽に履けて、かつお洒落に見えるため考え抜かれ設計された、
8,000円の運動靴にも負けない。
負けて、お願い、デメタン!
いや、8,000円よ。
君が負けてくれたまえ。
さすが、8,000円は、作りも丈夫ですね。
ついうっかり一目ぼれして買ってしまったおかげで、
かれこれ1か月、履きならして伸ばそうと試みても型崩れしないんだな~。
さて、この戦い、デメタンは勝てるのだろうか?
そんな我が家、帰っても戦うのんたんが居た。
のん太「あちゅくなってきた」
かかぁも、暑い
のん太「こうちてみるか?!」
余計、暑くなる
のん太「濡らちてみるか?!」
足だけ濡らしも、どうもならんぞ
のん太「あちゅい」
はっ!そうか・・・。
一旦ドブにはまって濡らしてみると、生地が伸びるかも知れん・・・。
のん太も、一旦、伸びて冷やすしな。