昨日で、ちょうど4か月か。
おはようございます。
わが家の、守り神「うめ」さんが
極楽へ旅立って、はや4か月。
それ以来、うめは夢にも出て来てはくれない。
猫が登場する夢といえば・・・
「おい、おたま!」と呼ぶと、
無数の白い猫が、やいのやいのと走ってやってくる。
そういう夢ばっかり見ている。やめてほしい!
11月11日、うめが亡くなった次の日の事。
私は、霊園に向かうのを躊躇った。
うめの遺体が入った箱の中に花を飾りながら、
「剥製にするという、そういうのもアリじゃない?」と思っていた。
完全に正気を失っていた。
その花々から、でっかいめの真っ黒な、何かの虫がバサバサ~と飛び立った。
私は「うぎゃ~」っとパニックに陥って、うめの入った箱をひっくり返してしまい、
うめは花もろとも、コンコロリンと箱から飛び出ちゃったんだよね。
虫は見失ったが、またバサバサこっちへやってくるやも知れんと思い、
私は無心でうめを箱に詰め直しながら、
「うんこ!虫の事は頼んだぞ。」と叫んで、
箱を抱えて、急いで家から脱出したのだ。
車に乗り込み、私はようやく、しんみりしていた。
「霊園にたどり着くまで、ドライブしながら話そうな。」
そう、うめに語り掛けた5分後、道に迷い出した。
だから結局、霊園に着くまでの2時間、
私が発した言葉は、ずっと、
「ここ、どこ?うめさんや、ここ、どこだろか?」だった。
やっとの思いでたどり着いた霊園の待合室で、
私とうめは、1時間ほど順番を待つ事となった。
うめとの思い出を頭に浮かべようとした矢先、
また別のご遺族の女性が入ってきた。
「私は、13歳まで頑張ってくれた犬を連れてきたの。」
女性は、その一声を皮切りに話し出した。
「あら、長生きしてくれた猫さんなのね。大往生で良かったじゃない。
私、とても疲れてて、精神的に厳しくなる時があるの。
あなたが今も整体師やっていたら、絶対お願いするんだけどなぁ。」
ここまで、その女性の話を聞いて、私は気づいた。
ちょっと待てよ。
私、なんも言ってねえぞ。
なぜ箱を見て、猫って分かるの?大体の歳まで?
以前の私の職歴、どこで聞いたの?初対面だろ?
私のそんな戸惑いをよそに、女性は悩みを訴えてくる。
「私、霊媒師なの。
見え過ぎて、とっても疲れてしまうの。」
そりゃ、そうだろうなという思いを抱きつつ、女性の話に付き合う事となった。
その後、女性はご自分の事を効率よく話すために、
本来やり取りすべく、私への質問を霊視によって端折りまくる。
私の年齢、離婚歴、同棲中の男の事、病気の既往歴など、
こういう、本来私に質問しなきゃ解らん事を
いっさいがっさい言い当てながら、
ご自分の旦那様との事や持病の事などを、お話しになった。
端折り方が破天荒過ぎる、その女性に、
「あっ、あなたの番よ。誰かが呼びにくるわ。」と、
それすら言い当てられ、
「少しスッキリしたわ。ありがとう。いってらっしゃい!」と。
何も言えずに聞いただけで、
お礼なんて言われちゃって、
見送ってもらいながら、
私とうめは最後の別れの時となった。
一滴の涙も出なかった、あの日。
泣く暇も与えられなかった。
なぜだか、楽しい一日だった。
あれって・・・うめのイタズラだったの?