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「アーティスト」

2012-05-11 08:23:38 | FILM
映画つながりで・・・

4月に公開されて、今も人気上映中の新作白黒映画^^、
「アーティスト」
4月13日に銀座シネスイッチで観ました。



1927年のハリウッドが舞台。
ルドルフ・バレンチノ風味の無声映画の銀幕のスターが、トーキーへと向かう時代の変化に背を向けて人気失墜。
その一方、ファンとして出会ったエキストラ女優が、スターからのアドヴァイスを得て、チャンスをものにし、時代の寵児となる。
全く立場が逆転した2人が再び出会って・・・。

大きな瞳と気どらないBIG SMILE、くるくる変わる表情とスレンダーな容姿が活発なお嬢さん、というムードのぺピ―・ミラー役のべレ二ス・べジョが魅力的。



憧れのスターの楽屋にしのびこんで、そっと彼のタキシードに腕を通して1人芝居・・・
こんな芝居がかった情景も、白黒映画で無声映画仕立てのテンポにはぴったりハマります。



カリスマ2枚目スター、転落しても誇りを失わないジョージ・ヴァレンティン役のジャン・デュジャルダンは無声映画時代の神秘的なスターの端正な美貌と、トーキー時代のミュ―ジカルスターの気さくでチャーミングな笑顔を併せ持ち、時代の雰囲気をよく出していました。現代の俳優なのに、タップを踏む姿はまるでジーン・ケリー。
往年のスターのムードを醸し出せるものだと感心。
チャンスを与えられても気づかず、自分の築き上げた栄光とその手法に執着し、転落を招く・・・という設定も、27年から29年の間のトーキー革命を忠実になぞっているだけではありますが、その教訓は現代的で身につまされます。
デュジャルダンの古き良き時代のスターっぷりはどこか映画ファンの郷愁を誘う風情がありますね。
主演映画のスチールやタイトルにも、無声映画マニアの心をくすぐるオマージュが散りばめられていて、そのメッセージを受け取れるマニアにはもちろん、知らなくても雰囲気は味わえるので、マニアックな映画にありがちな排他的な嫌みもなく、ミシェル・アザナヴィシウス監督の手腕の確かさを感じます。
ちなみに監督が挙げた、この作品を撮るにあたって影響を受けた映画監督が、ヒッチコック、ラング、フォード、ルビッチ、ムナウ、ワイルダー・・とはまた豪華な^^
わたくしは、タッチはルビッチですが、それほどウィッティでも洗練されすぎてもおらず、ワイルダー的な素朴な温かさもある映画だなと思いました。

スターの愛犬アギ―、忠実な運転手など、脇を固める役者(&役者犬?)も存在感あり。

第84回アカデミー賞の作品賞、監督賞、主演男優賞、作曲賞、衣装デザイン賞など5部門制覇。
2011年フランス映画。





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