毎年のGWの恒例行事と言えば、有楽町朝日ホールでの「イタリア映画祭」
イタリア語学校「Bell'Italia」の文学のクラスに長く通っているのですが、
イタリア人の先生が大変な映画通で、毎回、この映画祭のラインナップが出ると、知る限りの情報をくださることもあり、この時期になると楽しみにしている催しです。
今年は、5月4日(金・祝)の13:00~6時間半(休憩20分)の長きにわたって上映された
Le cose che restano(仮題:そこにとどまるもの)
2010年RAIでTVの4回シリーズとして放映されたローマのインテリ一家の大河人間ドラマ。
映画祭では一度限りの上映とあって朝日ホール満席御礼の盛況でしたが
7月21日(土)から、「ジョルダ―二家の人々」という邦題で岩波ホールにての一般上演も決まっているとか。
実は、イタリア映画で印象深いのが近年では「輝ける青春」
La Meglio Gioventù (2005年7月9日より岩波ホールで公開)があり、自分の評を読み返そうと思ったら、ブログに残してなかったことに気が付きがっかり(笑)
いや、いい映画だったのです。
マルコ・トゥーリオ・ジョルダ―ナ監督作品。
1966年から2003年までのイタリアを、2人の対照的な性格の兄弟の半生を軸に描く6時間6分の大河ドラマ。
フィレンツェの大洪水と書庫修復のための学生ボランティア、赤い旅団、精神病院の廃止運動など、時代が個人の生活を左右しながら、2人を同時に身近に感じながらともに生きているような感覚を味わった秀作でした。
今回、その撮影に関わったスタッフチーム(脚本・撮影)が手掛けた同じく6時間超の大河ドラマ、というので、是非観に行きたい!となった次第。
監督 Gianluca Maria Tavarelli
脚本・演出 Sandro Petraglia 、 Stefano Rulli
撮影 Roberto Forza
<CAST>
Nora Paola Cortellesi
Andrea Claudio Santamaria
Nino Lorenzo Balducci
Pietro Ennio Fantastichini
Francesca Antonia Liskova
Alina Leila Bekhti
Shaba Farida Rahouadj
Anita Daniela Giordano
Lorenzo Alessandro Sperduti
Valentina Valentina D'Agostino
Vittorio Blasi Enrico Roccaforte
Alberto Maurilio Leto
Lila Karen Ciaurro
e con la partecipazione di Vincenzo Amato (professor Nicolai)
Thierry Neuvic (Michel)
Francesco Scianna (Cataldo)
今回の主役は、ローマに暮らす、熟年夫婦、技術者の父と元医師の母、それに、20代から40代の4人兄弟、外務省勤務の長兄アンドレア、臨月の心理カウンセラーの長女ノ―ラ、卒業間近の建築科の学生、次兄二―ノ、そして末っ子の学生ロレンツォ。
幸せそのものの一家が、ロレンツォの交通事故死をきっかけにバラバラになり、また、赤の他人を含む新しい家族の形態を取り戻していくまでの道筋を、1人1人のエピソードを積み上げてじっくりと描いた作品。
不倫、記憶喪失、親子の葛藤、夫婦のすれ違い、ゲイのカップル、血のつながらない家族、マフィアと薬物、外国人娼婦、東欧・アフリカからの移民問題などを盛り込みつつ、人と人との係わりあいを丁寧に描いて、長丁場を飽きさせない手腕はさすが。
問題を抱えたカップルを見て、身近な家族や友人は直接相手に話すべきだとアドヴァイスするのですが、自分が当事者である問題については、なかなか頑なな姿勢を崩せないのがリアル。
魅力的な人物の多い中で特に好きなのは、気難しいイケ面次男二―ノの幼馴染、ヴァレンティーナ。
実はなかなかの才女らしいのですが、とにかくチャーミング!
二―ノが好きなのに振り向いてもらえない設定。
引っ越し荷物で手いっぱいの二―ノに突然キスして、「ごめんね!一度してみようと決めてたの!ホントごめん!」と言いながら手を振って去って行った次に会った時には自分の婚約で幸せいっぱい。二―ノは煙にまかれるばかり・・・
ユーモアたっぷりの彼女が折に触れて登場するだけで場面が明るくなります。
ちなみに原題の「Le cose che restano」は、二―ノと彼女がローマ郊外の団地を眺めながら、そこにある生活をつぶやく二―ノに対し、ヴァレンティーナがつぶやきかえすエミリー・ディッキンソンの詩の一節。
何?と訊く二―ノに「女性の詩人が書いたのよ・・・野蛮な男どもには理解できないでしょうけど」と切り返すのですよね^^
もちろん、繊細なアンドレアとクールな二―ノはそれぞれに共感できる部分を持つ魅力的なキャラクターで素敵ですし^^
6時間なんてあっという間!
おススメです
イタリア語学校「Bell'Italia」の文学のクラスに長く通っているのですが、
イタリア人の先生が大変な映画通で、毎回、この映画祭のラインナップが出ると、知る限りの情報をくださることもあり、この時期になると楽しみにしている催しです。
今年は、5月4日(金・祝)の13:00~6時間半(休憩20分)の長きにわたって上映された
Le cose che restano(仮題:そこにとどまるもの)
2010年RAIでTVの4回シリーズとして放映されたローマのインテリ一家の大河人間ドラマ。
映画祭では一度限りの上映とあって朝日ホール満席御礼の盛況でしたが
7月21日(土)から、「ジョルダ―二家の人々」という邦題で岩波ホールにての一般上演も決まっているとか。
実は、イタリア映画で印象深いのが近年では「輝ける青春」
La Meglio Gioventù (2005年7月9日より岩波ホールで公開)があり、自分の評を読み返そうと思ったら、ブログに残してなかったことに気が付きがっかり(笑)
いや、いい映画だったのです。
マルコ・トゥーリオ・ジョルダ―ナ監督作品。
1966年から2003年までのイタリアを、2人の対照的な性格の兄弟の半生を軸に描く6時間6分の大河ドラマ。
フィレンツェの大洪水と書庫修復のための学生ボランティア、赤い旅団、精神病院の廃止運動など、時代が個人の生活を左右しながら、2人を同時に身近に感じながらともに生きているような感覚を味わった秀作でした。
今回、その撮影に関わったスタッフチーム(脚本・撮影)が手掛けた同じく6時間超の大河ドラマ、というので、是非観に行きたい!となった次第。
監督 Gianluca Maria Tavarelli
脚本・演出 Sandro Petraglia 、 Stefano Rulli
撮影 Roberto Forza
<CAST>
Nora Paola Cortellesi
Andrea Claudio Santamaria
Nino Lorenzo Balducci
Pietro Ennio Fantastichini
Francesca Antonia Liskova
Alina Leila Bekhti
Shaba Farida Rahouadj
Anita Daniela Giordano
Lorenzo Alessandro Sperduti
Valentina Valentina D'Agostino
Vittorio Blasi Enrico Roccaforte
Alberto Maurilio Leto
Lila Karen Ciaurro
e con la partecipazione di Vincenzo Amato (professor Nicolai)
Thierry Neuvic (Michel)
Francesco Scianna (Cataldo)
今回の主役は、ローマに暮らす、熟年夫婦、技術者の父と元医師の母、それに、20代から40代の4人兄弟、外務省勤務の長兄アンドレア、臨月の心理カウンセラーの長女ノ―ラ、卒業間近の建築科の学生、次兄二―ノ、そして末っ子の学生ロレンツォ。
幸せそのものの一家が、ロレンツォの交通事故死をきっかけにバラバラになり、また、赤の他人を含む新しい家族の形態を取り戻していくまでの道筋を、1人1人のエピソードを積み上げてじっくりと描いた作品。
不倫、記憶喪失、親子の葛藤、夫婦のすれ違い、ゲイのカップル、血のつながらない家族、マフィアと薬物、外国人娼婦、東欧・アフリカからの移民問題などを盛り込みつつ、人と人との係わりあいを丁寧に描いて、長丁場を飽きさせない手腕はさすが。
問題を抱えたカップルを見て、身近な家族や友人は直接相手に話すべきだとアドヴァイスするのですが、自分が当事者である問題については、なかなか頑なな姿勢を崩せないのがリアル。
魅力的な人物の多い中で特に好きなのは、気難しいイケ面次男二―ノの幼馴染、ヴァレンティーナ。
実はなかなかの才女らしいのですが、とにかくチャーミング!
二―ノが好きなのに振り向いてもらえない設定。
引っ越し荷物で手いっぱいの二―ノに突然キスして、「ごめんね!一度してみようと決めてたの!ホントごめん!」と言いながら手を振って去って行った次に会った時には自分の婚約で幸せいっぱい。二―ノは煙にまかれるばかり・・・
ユーモアたっぷりの彼女が折に触れて登場するだけで場面が明るくなります。
ちなみに原題の「Le cose che restano」は、二―ノと彼女がローマ郊外の団地を眺めながら、そこにある生活をつぶやく二―ノに対し、ヴァレンティーナがつぶやきかえすエミリー・ディッキンソンの詩の一節。
何?と訊く二―ノに「女性の詩人が書いたのよ・・・野蛮な男どもには理解できないでしょうけど」と切り返すのですよね^^
もちろん、繊細なアンドレアとクールな二―ノはそれぞれに共感できる部分を持つ魅力的なキャラクターで素敵ですし^^
6時間なんてあっという間!
おススメです
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます