maria-pon

お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

ユジャ・ワン ピアノリサイタル 2016

2016-09-08 05:48:10 | MUSIC
久しぶりの更新です。
そのうち、更新を怠っていた1年分のダイジェストを書こうと思うのですが、日々の鑑賞記録も折に触れてUPしていこうと思います。

まずは昨夜、
2016年9月7日(水)19:00~のサントリーホールでのユジャ・ワンのリサイタルから。



曲目シューマン:クライスレリアーナ op.16
カプースチン:変奏曲 op.41
ショパン:バラード第1番 ト短調 op.23
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ第29番 変ロ長調 op.106 「ハンマークラヴィーア」

当初の予定では、
スクリャービン: ピアノ・ソナタ第4番 嬰ヘ長調 op.30
ショパン: 即興曲第2番 嬰ヘ長調 op.36
      即興曲第3番 変ト長調 op.51
グラナドス: 「ゴイェスカス」op.11から
          ともしびのファンダンゴ
          わら人形
ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ第29番 変ロ長調 op.106 「ハンマークラヴィーア」

の予定だったのですが、当日アナウンスで本人の強い希望により一部変更がございます、と。
というわけで、予測していた曲目の流れではなかったものの、さすがにとても魅力的な演奏で、
時としては冗長に感じられることもあるシューマンのクライスレリアーナから引き込まれ・・・。
ショパンのバラードはバレエの「椿姫」でのクライマックスで使われていることもあり、勝手に脳内で過去に観た
バレエの名場面を展開させながら聴いてしまいました。
ここまでが前半。
心地よい興奮に包まれて、期待の後半、大作ハンマークラヴィーア。
なんというか、2列目のセンターで、彼女の運指がはっきり見える位置だったこともあり、変幻自在の指さばきに魅了されました。
力強いタッチも、超絶技巧の速弾きも、あでやかな背中の空いた裾を引きずるラメの効いたシルバーのロングドレスにぴったりと包まれた均整の取れた肢体が、大曲に挑みかかるしなやかな肉食獣のようで・・。
日本人ピアニストにはいない個性ですね。
クシャッとしたショートボブと彼女のアイコンである13cm(かな?)に2cmのプラットフォームのピンヒールパンプス(で、ペダルを踏むのですが、確かに踏む部分はしっかりとしたプラットフォームなので問題なさそうでしたが^^)
演奏を終えての挨拶が、ピャッと頭だけですぐに戻すお辞儀の仕方が照れているようで、その後のニコッとした笑顔愛らしさと相まって、なんともチャーミング。
演奏そのものももちろん素晴らしかったのですが、こういう演奏家としての存在感の出し方、個性の発露の仕方、ということについては毎年世に出るコンクール上位入賞者などの多数の中から集客力のあるアーティストとして残っていくためには必要なことなのだろうし、彼女はそれを意図的に行っているという割には、あまりに自然体。
そして、観客の拍手に応えて、次々とまだまだパワーが残っていると誇示するよりも、音楽が好きだからいつまでもピアノに向かっていられるとでもいうようにアンコール曲を繰り出して。
多分、楽譜?を入れていると思われる大きめのタブレットをピアノに置いて、え、まだ弾いてくれるの?と観客一瞬ざわめきすぐに静寂に・・・という期待とそれに応えるアーティストの掛け合いのような空気の中、長い長いアンコールの時間も堪能しました。
終演後、9時半を回っていたので、インターコンチネンタルの中のレストランはラウンジ以外はほぼ終了xxx
というのもまた乙な?もの。

ちなみにアンコール曲は

シューベルト(リスト編) :糸をつむぐグレートヒェン
プロコフィエフ :トッカータ(ピアノ・ソナタ第7番より第3楽章)
ビゼー(ホロヴィッツ編) :カルメンの主題による変奏曲
モーツァルト(ヴォロドス/サイ編) :トルコ行進曲
カプースチン :トッカティーナ op.40
ラフマニノフ :悲歌 op.3-1
グルック(ズガンバーティ編) :メロディ

圧巻でした。終演後すでに長い長い列が・・・CDを購入した方々のサイン会ですね。
あれだけの演奏をこなした後でのサイン会!ピアニストに対して初めてタフでなくてはやっていけない・・・という感想を持ちました。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿