maria-pon

お着物Enjoy生活からバレエ・オペラ・宝塚etcの観劇日記に...

根津散歩② 梅雨の晴れ間に・・・

2007-06-17 00:38:41 | きもの
この日、30度を越す夏日でしたので、バレエのチケット取りのためにあまり時間の猶予がなかったのですが、単衣の季節の夏着物を着るチャンス!とばかり、頑張ってキモノで行って参りました。


キモノはくるりのオリジナル、07バージョンの麻着物。爽やかなグリーンにオレンジの濃淡で刺繍のされた百合が大きく配された名古屋帯は根津のPONIA-PONで。新橋色の冠の帯締め、生成り色の帯揚げ、半襟はベージュの綿レースでちょっと大人っぽくおさえたつもり。バッグはメタリックの革とナイロンコンビのビアジアです。


夏になったら・・・と仕込んでおいたバテンレースの白麻の日傘が大活躍。
本当に日差しの強い日でしたので・・・


ご一緒したmiwaちゃんと帯比べ。
miwaさんは木綿の付け帯がさっぱりと、お気に入りの川越唐桟に良く似合ってリラックスした着姿。
わたくしは、そういえば・・・とParisで仕込んできたルタンスの百合の香り「アン・リス」をデビューさせてみました。
ほとんど自己満足の世界ですが・・・(^^;)


志津佳さんと・・・。
白いはおりものと赤ベースの華やかなプリントワンピの対比が夏らしさ一杯!


根津散歩①「蕗谷虹児展」

2007-06-17 00:05:14 | ART
入梅宣言が出てから2日連続の夏日
夏の渇水は気になるけれど、お着物日和ということで・・・。
楽しみにしていた「蕗谷虹児展」を見に、根津の弥生美術館に行って参りました。

竹久夢二、高畠華宵らと並ぶ、代表的な大正ロマンの叙情画家の一人ですが、彼の魅力は怜悧で知的な女性の表現と、アールデコの時代を生きた画家ならではのグラフィカルなセンスの良さ。
あまり知られていないのかもしれませんが、彼の描く女性のキモノ姿はわたくしの憧れ。

一番好きなのは、戦前の雑誌「令女界」のために描かれた作品群。
ペン画のタッチの繊細さ、華麗さをご覧ください。
「令女界」は巴里の芝居についてのエッセーを、と岸田國士に依頼したり、当時の少女雑誌の中では高踏的な雰囲気を持った雑誌だったよう。水を得た魚のように伸びやかに自分の作品世界を楽しんで作りこんでいることがわかる作品が多く観られます。


これは「欧州航路」
今回の展示作品ではないのですが、この時期のペン画の作品例として・・・。
彼自身、その後、パリに渡り、サロン・ドートンヌに初出品で2作品が入選という快挙。
その後パリで生まれた次男の名は「青瓊(セーヌ)」名付け親は藤田嗣治。
セ-ヌ川は女性冠詞だからどうかなと気にしながらの命名だったそう。


こちらは、その入選作の一つ。
「混血児とその父母」(1926)

彼の装丁による本もいくつか展示されていますが、そのセンスの良いことといったら!
今でも充分通用するのではないかしら。

弥生美術館に併設されている竹久夢二美術館も同時に鑑賞できます。


恋多き人、夢二の美人画は良く知られていますが、彼が最初の結婚の頃に手がけた半襟のデザインなどは着物好きなら見逃せない可愛らしさ!
また、山のスケッチなどは、彼のまた別の画家としての可能性を暗示する興味深いもの。
充実の展示内容に満足です・・・。

夢二の美人画は独特のアンニュイな味わいがありますが、とりわけ夏のキモノ姿の涼やかなしどけなさには魅了されました。


Singapore!②食は広東にあり。

2007-06-16 04:58:13 | 
今日のTOPICはズバリグルメ。

中華系、マレー系、インド系、アラブ系と人種の坩堝シンガポール。
それぞれの美味なる本格レストランはいうまでもなく、中国+マレーMIXのブラナカン料理など独自の文化をバックグラウンドにしたシンガポールならではのお料理などもあり、名物をチェックしているだけでも滞在日数では足りない!と嬉しい悲鳴の意外なグルメ都市なのです。
お洒落なイタリアンやワインバー、カフェ、ブリュワリーも。そのあたりは東京と事情が似ているかもしれません


まず訪れたのは、本格広東料理が楽しめる、「Lei Garden」(レイ・ガーデン 利苑酒家)。
ラッフルズホテルの隣のブロックに忽然と現れるのが、白亜の殿堂・・・と言いますか、160年前にフランス人尼僧によって建てられたという修道院がお洒落なレストラン・ショップの複合施設として使われている、緑豊かな中庭を擁したお洒落なSpot「「Chijmes」(チャイムス)。

この一角にあるのが、地元中華系の人々に圧倒的な支持を受ける「Lei Garden」
台湾、香港などで美食三昧をして中華には一家言ある友人がシンガポールに来ると通い詰めると言う名店。予約を取るのがかなり難しい・・ということで、この日は開店直後になんとか予約して伺いました。

ふかひれスープ、あわびなど、高級食材を使ったコースもあり、少人数でも楽しめます。
食材の質の高さ、滋味溢れる柔らかい味付けは絶品!


クリスピーな衣にジューシーなエビがたまらない美味しさ。
・・・と、これらの画像でお分かりのように、広東と言っても、こってりとした伝統料理的な手法を守っている、というよりは素材を活かして見た目はシンプルに纏め上げたヌーベル・シノワーズといった趣です。
この後、八角の香りが効いたラム、そして複雑なコンテンツながらキレのよい味わいのスープが美味な麺もののあと、ジンジャーシロップのスープに繊細な豆腐のデザートで優しく締めくくり。


こういう食事を続けていると美人になりそうですね!





Singapore! ①ナイトサファリ

2007-06-15 00:28:17 | 
帰国後10日が過ぎようとしている・・・
時がたつのは早いもの。
記憶が薄れないうちに、旅の思い出をつらつらと。

シンガポール。
清潔で快適で安全でちょっとエキゾチックな気分も味わえる街、というイメージで捉えていたシンガポール。正直、旅行先としてのプライオリティはあまり高いものではありませんでした。
古い文化のある国が好きなので・・・ということと、アジア旅行にしてはちょっと長めのフライト時間(7時間弱)がネックで。
今回、プロジェクトの期間に併せて中心部のサービスアパートメントに滞在しているから是非遊びにいらして!週末ならご一緒できますので・・という友人からの有難きお誘い。
こんなことでもなければ一生行かないかも(大げさ)、という思いでサクッと行って参りました


で、行くとなると真剣に楽しもうとする欲張りなわたくしの眼を惹いたのは「ナイト・サファリ」!
熱帯の動物の80%は夜行性。(どおりで、動物園でライオンやトラを見るとお昼寝中のことが多いわけですね!)なので、彼らの生態をつぶさに見られる夜間開園の動物園を造り、その自然な生態を、トラムや徒歩で観られるようにしよう!という優れた思いつきにより・・・。


まずは入園後即予約。説明付きの6両編成のトラムに乗っての45分。
美しい牙を持つアジア象、ライオン、縞模様の美しい虎、本当に背の高いキリン、アリクイ、獏、可愛いバンビ、初めて見たハイエナ、群れるフラミンゴなどなど・・・。

薄っすらとした光に照らされて、ゆっくりと歩き周り、佇み、草を食む彼らの姿がトラムの右に左に展開。檻や柵は一向に見当たらないのにどうして彼らが自分のテリトリーにとどまっているのかは不明ながら、絶滅危惧種の希少な動物たちが自然な姿ですぐ近くにいるのを、熱帯雨林の環境の急速な変化がもたらす生態系の変化についてなど、充分大人にアピールする詳しい説明を聞きながら目の当たりにするのは実にスリリングな体験。

勿論、トラムからの写真撮影は、フラッシュ禁止。この暗さで動くトラムからの撮影は実際問題として不可能ですので、これらのお写真はSingaporeZooのHPから拝借したもの。
トラムからの鑑賞に飽き足らない動物好きのためには、トラムからは観られない場所もフォロ-した徒歩コース、トレイルもいくつかあるようで、実際トラムから、ゆったりと夜の熱帯雨林の散歩を楽しむ上級者の方から手を振っていただいたことも・・・・。
次回はトレイルに挑戦!かしら?

トラムを降りて・・・。

ゼブラ柄にペイントされたトラムがお洒落。
ここのデザインは、日本にありがちなお子様テイストは一切なし!勿論、ファミリーでも楽しめる内容ですが、充分大人の遊び場として機能しています。

動物たちが大活躍する「Creature of the Night Show」も 1時間おきに30分、隣接の900名収容の野外劇場で上演されているのですが、 この日はトラムを降りてすぐに列に向かったにも関わらず、次回上演は満席!と断られてしまいました。
トラムとショーを同日に見るのはちょっと難しいみたい・・・。
最終回のショーまで待つ!と言い張るわたくしを、夜で涼しいような気がしているけれども湿度気温ともに高いから、消耗してしまう。ここはタクシーもつかまりやすいこの時間で帰るのが正解、と諭されて渋々夜の動物園を後にしたのですが・・・。

絶対また来ます!I will return!(嵌ったらしい・・・)


MILANOスカラ座バレエ団「ドン・キホーテ」 ②

2007-06-10 08:02:30 | BALLET
主役2人の輝きは流石



大きな黒い瞳、濡れたように艶やかな黒髪、白い肌のタマラ・ロホは小柄ながら一際目立つ存在感。
目の覚めるようなトリプルもふんだんに入れた連続フェッテの安定感、アラベスクのポーズからそのままパートナーの手を離してのバランスの見事さなど、テクニシャンの彼女ならではの見せ場が多く、客席のため息を誘います。
ジェラシーを見せる場面のアネゴなキップの良さ、後から抱きしめて肩に顔を埋めるバジルに応えるコケティッシュで艶やかな表情など、演技派としての定評あるところも見せて、実にゴージャス。



対するバジル、ホセ・カレーニョは、20世紀の天才、ルドルフ・ヌレエフが自分のために振付けた、超絶技巧を難なくこなし、しかも身のこなしは常にエレガント。

トゥールザンレールの切り込みの鋭さと着地からアラベスクに至る流れの流麗さには惚れ惚れします・・・。今回は回転技のロホを意識してか、最後のグラン・パ・ド・ドゥで連続5回(?)フェッテも入れる充実振り。
そして着実でジェントルなサポートも彼の真骨頂。長いバランスのロホの背後で気配を感じたらすぐにいつでも、という体制でさりげなくスタンバイしている彼の存在で彼女も一層伸び伸びとテクニックを炸裂させることが出来たのではないでしょうか。

最後の息をも次がせぬグラン・パ(異常に短い時間に感じました!)を観て、今日は本当に来て良かった!!と・・・。

最後、満場を揺るがす拍手のカーテンコールの後、客電が点り、幕が閉じた内側でスカラ座ダンサーたちによる拍手と口笛が・・・。
帰り道を急ぐ観客の足を止めます。
自然とオーケストラピットに近づき、幕の内側からの拍手に呼応するように、帰りかけた観客が三々五々拍手を始め、それが大きなうねりになり・・・。
もう一度幕が開けられ、舞台近くに詰め掛けた観客の笑顔と拍手を浴びたスカラ座ダンサーの笑顔。
タマラの眼に光るものがあったような・・・・

楽屋口でのサイン会でタマラに次回の来日予定を尋ねたところ、来夏のロイヤル公演には参加されるとのこと。楽しみですねv