今日は、高尚に、
兵庫県立美術館で、美術の観賞です。
神戸出身の洋画家・小磯良平の代表作 『斉唱』
『斉唱』は、画面全体が、清らかな光に満ち、清らかな空気に包まれています。
そんな清らかさに、心引かれます。
熱心なクリスチャン家庭に生まれ、本人も敬虔なクリスチャンであったことが、
小磯の画筆に、大きな影響を与えているのでしょうか?
小磯氏の描く絵が、私は大好きです。
暖かさと、素朴さと、神聖さすら、感じられます。
『斉唱』は、はだしで制服姿の9人の少女が、ひたむきに歌っている絵です。
美しい少女達の画面から、美しい声のハーモニーの賛美歌が聞こえてきます


私の偏見かな?
今日は、新しい発見もしました。
『斉唱』のはだしで制服姿の9人の少女達は、実は二人のモデルだけで、
小磯氏が何枚ものデッサンをうまく組み合わせて描いているのだと、知りました。
よく見てみれば、
9人のグループが同じ背の高さって、あるはずないですよね?
顔もとても似ています。
他にも、15点ほどの小磯の絵が、展示されていました。
描かれた沢山の絵の中の女性は、どれも、
美しさでも、静かさでも、優しさでも、・・でも、理想の女性像のように思えます。
23才で「大学生の天才画家」と呼ばれるようになった、夏着物を着た若い女性の絵と、
70才で描いた、「帽子をかぶる女」の絵が、向き合って展示されていました。
絵は、写生ばかりではなく、
画家自身の心の中が、絵となり描かれるのでしようか?
小磯自身の、23才の若さと、70才の円熟が、画面に表れます。
70才の時に描いた、「帽子をかぶる女」、に心引かれて、絵の前から離れられませんでした。
絵に描き出された70才の小磯氏の清い心が、「帽子をかぶる女」から、ほとばしります。
戦時には、従軍画家として、
戦地で戦争の様子を絵に描く仕事に就かされていたそうです。
小磯氏は、その経験から、生涯、平和を強く願い、
絵に気持ちが投影されています。
平和を願う小磯氏の心の清さがほとばしる作品のように、
私も、内から、心の清さをほとばしたいものです