山路を登りながら、こう考えた。
智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ。とかくに人の世は住みにくい。
住みにくさが高じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、詩が生れて、画が出来る。
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。 草枕の冒頭部分
こちらのサイトから引用させていただきました。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/files/776_14941.html
こんなに、リアルでおもしろい表現だったのかと、驚いている。
高校の夏休みの宿題が、夏目漱石の小説を発表年代順に三作続けてよみ、その違いについて書く というものだった。そこで、私は漱石の作品を読んだはずだが、まったく初めて出会ったかのような、感じがしている。
(今、教師という立場で考えると、これは採点する方もたいへんだったと思う。先生の意欲を感じる宿題ではあるなあ。でも、高校生ではそんなことは感じられず、ただただ流すように本を読んだだけで終わってしまった。どうでしたか?と、先生に尋ねてみたいが、現代国語の先生は早くに他界されてしまった)
高校時代は本を読んでもいなかったし、読書感想文だの本に関して何か書くということが大の苦手だった。
推薦図書をチェックをつけて読んだ記憶があるが、内容は全く覚えていないし、感動した覚えすらない。
草枕は実家のある、津山市の古本屋で買った。悲しく寂れてしまった駅前商店街の一角にその古本屋はある。店のご主人と話をしてみると、定年退職後念願の古本屋を始められたという。
夏目漱石を読んでみたくて買った。
ただ、今やらなくてはならないことが、タワーのように私の目の前にある。うまく時間配分を考えて、読書もしないと、積読が増えていくばかりだ。
当面は 草枕を読み 英語で Rich Dad Poor Dad を読もうとしている。
今日は、帰国を前にした生徒といっしょに、楽天の試合観戦。焼き鳥たべて、ビール飲みながら行くつもり。すべて自分が選んだことなのだから・・・メリハリつけて、取り組もうと思う。