新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

アジア大会のサッカーで男子はイラクに負けた

2014-09-18 16:17:32 | コラム
手倉森誠監督は負けを覚悟していた布陣で臨んだのだったのか:

何と言って批評して良いのかが解りにくい敗戦だった。戦乱と内乱とイスラム国に掻き回されて混乱の極致にあるかのように思わせられる報道が飛び交うイラクで、アジア大会にサッカー代表を送り込む余裕があるのかと思って観戦を開始した。アナウンサーは事前に「イラクは大会規定のU-23の者に加えて”over-age”なる規定で許される年長のA代表の選手も加えた態勢である」と紹介した。一方の我が国はU-21以下を揃えて、”over-age”は選んでいないという。それでは劣勢かも知れないなと危惧した。

結果は3対1の負けだった。しかし、ここでも多くの是正すべき各人の問題点と、私が代表ティームを形容するときに使う「寄せ集め」の欠陥が、余すところなく露呈されていた。監督が次回オリンピック代表となるべき者を鍛える為の21歳以下を集めた構成だったのならば、それも責任を背負った監督さんの方針だろうから、異を唱えない。

現れた欠陥はこれまで書いてきた事柄をコピペすれば済んでしまうようなことで、我が国と対戦する世界の諸国では完璧なスカウティング・ノートか分厚いブックが出来上がっているだろうと思わせてくれた。それは、最早動きを止める「ストップ」と化した昔は「トラッピング」と呼んでいたパスされたボールを足下でコントロールする足技の改善で、就中後方から来たパスを進行方向に対して後ろ向きの姿勢で受ける場合の拙さだ。あれでは、イラクの速い前後からの寄せに弱かったのは仕方がない。

次は恒例のバックス(現代用語ではディフェンダーか?)間で横と後方に回して相手の守備体制を整えさせる?余裕を与えるパス交換。イラクの横取りを狙った素早い出足に何度もプレシャー(カタカナ語だ)をかけられて、危機が迫ったことか。手倉森監督だけではなくアギーレ代表監督にも、折角攻め込んだ最前線からの見事なバックパスという責任回避球回しとともに、是非とも善処方お願いしたいものだ。

第三番目というか何と言うか「自分でシュートまで持っていこう」という積極性と「個人で目立とうという自己顕示欲」を表す気迫を養って貰いたいこと。兎に角、滅私奉公の精神の発露はもう結構だ。ティーム一丸となる精神は重要だが、そのために絶好の得点の機会を逃してどうする。あの試合では少なくとも正確に狙えて、いいや、失敗を怖れずに蹴っていられれば、少なくとも3点は取れていたかも知れないシュート力というか決定力の不足が苛立たしかった。

最後も言わば定番で「当たられ弱すぎること」を言いたい。これもイラクのスカウティングブックに載っているのではないか。当たりの練習などは代表やアジア大会用代表に選ばれる遙か前に鍛えておくべきことで、基礎の中の基礎である。最近、何処かで誰かが指摘していたが、その関連で「我が国のサッカー選手は走っている時の空中姿勢が十分に整っていない」との問題があるようだ。その中にはドリブルしていてタックルされた時に、そこを飛び越えていくという走法も含まれるだろう。

貶しているばかりだったが、中には素材として将来性が高い者が何名か見えた。何年先にA代表級にまで育つか知らないが、現状では未だ未だ「日暮れて尚道遠し」かと思って見ていた。ところで、手倉森監督の狙いはティームとしての完成か、それとも個人似経験を積ませて育成するのかも知りたいような「何をしたいのか」が見えてこない試合振りだった。