新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

カタカナ語排斥論者の弁

2014-12-02 08:24:41 | コラム
イメージ・アップとレベル・アップを英語にすれば:

ある方から「貴方は排斥するだけで、英語なら如何なる表現になるかを言わないで突き放すのは納得出来ぬ」とのお叱りを受けたので、ここにあらためて弁明を。

*辞書を引こう:
以前から「カタカナ語を作る方々はその際に辞書を引いてみようと考えないのか」と批判してきたので、その点を繰り返して指摘していなかったのだ。私の手落ちか。私はカタカナ語を採り上げる際には、事前に極力広辞苑なり和英辞典で確認するようにしている。電子辞書には掲題の二つの例に相当する英語の表現は出ている。それを記載せずに「自分で考えなさい」と突き放した姿勢に対するお叱りと受け止めて反省した次第だ。

*言い換えの技術:
「考える力」と言っても良いだろう。先頃、余り良くない英会話の例文を採り上げた際に”children become big”を「”grow”という単語を知らなかった為か、『大きくなった』をそのまま英語で表現して、言わば言い換えで何とかした」と評した。私が考えるには、これは国語力の問題で「言い換えればどうなるか」を考えて、一つの単語ではなく”phrase”で表したと、善意で考えられるのだ。カタカナ語が何を表現しているかを考えて欲しいのだ。

以上のような解説をしておくべきだったと反省している。ということは「イメージ・アップ」とはどういう意味かを考え、「レベル・アップ」とは何を表しているかを考えて貰いたいのだ。

*イメージ・アップ:
ただ英語にすれば”image up”だが、こういう英語はないだろう。プログレッシブ和英には”This will improve the image of our party.”との例文が出ている。「アップ」に当たるのが”improve”で「改善」という意味だ。

*レベル・アップ:英語で書けば”level up”だが、これもおかしいのでは。プログレッシブには”raise the level of a soccer team”と”We must increase our physical strength.”の例文があり、「レベル・ダウン」には”Quality seems to have generally deteriorated.”と”There has been a general decline in students’ academic ability.”が挙げられている。解釈の仕方と言い換えの力が表されていると見た。

私が言いたかったことは「カタカナ語で括ってしまうと、それに依存して考えようとしなくなるのではないのか」なのである。別な例では、テレビに登場するスポーツ選手や芸人どもは「非常に良かった」、「非常に優れていた」、「非常に美味だった」を全て「最高」としか言えないのと同じで、カタカナ語の多用は考える力と表現力を衰えさせるのだと思っている。