ジャパンXボウルをテレビ観戦して:
これはフットボール社会人Xリーグの頂点を決める試合のこと。
昨15日は富士通対IBMの試合をテレビ観戦した。近頃はフットボールの観戦どころか何処が強いのかにも関心が薄れ、IBMが出ているのに「まさか」と驚いていたような次第だった。しかもNHKの中継が始まって両方のQBがアメリカ人と知ってもっと驚かされた。なるほど、世の中はこのように変化してアメリカから日本の社会人リーグにフットボールプレーヤーが参加するようになっていたかと、今頃になって知らされてしまった。
アメリカ人が加わっている辺りは、先頃世界から締め出されかかっている国内の二つのバスケットボールのリーグの一つ、BJリーグの選手構成に似ている。あそこには、アメリカのプロリーグであるNBAまでには行けなかったか、これからそこを狙っているようなアメリカ人が数多くいるのだ。
昨日、特に印象的だったのがIBMビッグブルーのQB・Craftが、かのNCAA(全米大学体育協会)の名門UCLAの出身だったという点だったっし、富士通のCameronがルイジアナ工科大学と同じくNCAA経験者だったこと。私の興味と関心は、この両QBがただ単にアメリカの大学での経験者に過ぎないか、あるいはその優れた能力で両ティームを決勝戦に導く原動力となっていたかのかにあった。
さて試合が始まってみればクラフト君は意外にもキメの粗いパスを投げるQBで、あっと言う間にインターセプションの憂き目に遭い富士通に先制のTDを与えてしまった。実はこれまでに見てきた限りでは学生としての実績があった連中も社会人となっては練習量が足りず、極言すれば重く且つ肥大した体格と体力で学生王者との対決である正月のライスボウルを制覇してきたかの感があった。
換言すれば、14日に日大フェニックスを大差で退けた関学ファイターズのような緻密であり精密に鍛え抜いたプレーとは一見やや異なるかのような体力勝負をしているようにも見えた。また、アメリカ人のQBにも肩の力が強いなと思わせてくれた以外には「流石、本場アメリカ」という感銘を与えてくれなかった。だが、ルイジアナテック出身のキャメロン君の方が堅実なゲーム運びで、何とハーヴァード出身という強力なRBゴードン君の突破力を十二分に活かして富士通を悲願の優勝に導いてしまった。
再度敢えて極論を言えば、社会人は大学自体に蓄積した高度な技術に体力を組み合わせていたということ。彼等のプレーが決して精密さを欠くというのではなく、果たして関学のような鍛え上げた機械のようなフットボールをどうやって退けるのかなどと考えながらテレビ観戦していた。当然、関学は全員ででも東京ドームまでスカウティングに来ているか、何台ものカメラを駆使して富士通のプレーを撮って分析にかかっているだろうから、両者の対決は見物だろうと思わせてくれた。
大学の難しさは「如何に学生たちを鍛え上げても、4年間で入れ替えになってしまう」という点にある。一方の社会人には昨日も33歳という10年以上の経験者もいたように努力と自覚次第では「何歳になっても成長し上手くなっていける」という利点があるのだ。しかも富士通の監督の藤田智は京大時代にはQBだった経験持つ有名なコーチとしての実績がある。
惜しくも敗れたIBMの監督の山田晋三も関学でも社会人でも一時代を築き上げたLBだった名手で名コーチだ。こういう連中の指導を受けていれば社会人になっても進歩するものなのである。このような長年の蓄積と、短期の4年間で仕上げた上に1年生まで入れてくる大学との対決は、ここ数年間社会人が勝ち続けてきた。
また、今回も目立ったことは「あー、良いプレーだ」と解説の関学のQBだった有馬も褒めたような場合に、その選手は先ず関西の大学、例えば立命館であり、関学であるのも、先日述べた「西高東低」を如実に表していたと痛感させられた。勿論、両ティームには日大や筑波や提供の出身者はいたが、遺憾ながら中心選手ではなかった気がするのだ。
病気を抱えてしまった私には正月三日の対決を最早東京ドームまで見に行く意欲はない。それは、あれほど空気が良くないと感じさせられる環境に数時間でも座っていて、風邪でも引いては命に関わると危惧するからだ。
これはフットボール社会人Xリーグの頂点を決める試合のこと。
昨15日は富士通対IBMの試合をテレビ観戦した。近頃はフットボールの観戦どころか何処が強いのかにも関心が薄れ、IBMが出ているのに「まさか」と驚いていたような次第だった。しかもNHKの中継が始まって両方のQBがアメリカ人と知ってもっと驚かされた。なるほど、世の中はこのように変化してアメリカから日本の社会人リーグにフットボールプレーヤーが参加するようになっていたかと、今頃になって知らされてしまった。
アメリカ人が加わっている辺りは、先頃世界から締め出されかかっている国内の二つのバスケットボールのリーグの一つ、BJリーグの選手構成に似ている。あそこには、アメリカのプロリーグであるNBAまでには行けなかったか、これからそこを狙っているようなアメリカ人が数多くいるのだ。
昨日、特に印象的だったのがIBMビッグブルーのQB・Craftが、かのNCAA(全米大学体育協会)の名門UCLAの出身だったという点だったっし、富士通のCameronがルイジアナ工科大学と同じくNCAA経験者だったこと。私の興味と関心は、この両QBがただ単にアメリカの大学での経験者に過ぎないか、あるいはその優れた能力で両ティームを決勝戦に導く原動力となっていたかのかにあった。
さて試合が始まってみればクラフト君は意外にもキメの粗いパスを投げるQBで、あっと言う間にインターセプションの憂き目に遭い富士通に先制のTDを与えてしまった。実はこれまでに見てきた限りでは学生としての実績があった連中も社会人となっては練習量が足りず、極言すれば重く且つ肥大した体格と体力で学生王者との対決である正月のライスボウルを制覇してきたかの感があった。
換言すれば、14日に日大フェニックスを大差で退けた関学ファイターズのような緻密であり精密に鍛え抜いたプレーとは一見やや異なるかのような体力勝負をしているようにも見えた。また、アメリカ人のQBにも肩の力が強いなと思わせてくれた以外には「流石、本場アメリカ」という感銘を与えてくれなかった。だが、ルイジアナテック出身のキャメロン君の方が堅実なゲーム運びで、何とハーヴァード出身という強力なRBゴードン君の突破力を十二分に活かして富士通を悲願の優勝に導いてしまった。
再度敢えて極論を言えば、社会人は大学自体に蓄積した高度な技術に体力を組み合わせていたということ。彼等のプレーが決して精密さを欠くというのではなく、果たして関学のような鍛え上げた機械のようなフットボールをどうやって退けるのかなどと考えながらテレビ観戦していた。当然、関学は全員ででも東京ドームまでスカウティングに来ているか、何台ものカメラを駆使して富士通のプレーを撮って分析にかかっているだろうから、両者の対決は見物だろうと思わせてくれた。
大学の難しさは「如何に学生たちを鍛え上げても、4年間で入れ替えになってしまう」という点にある。一方の社会人には昨日も33歳という10年以上の経験者もいたように努力と自覚次第では「何歳になっても成長し上手くなっていける」という利点があるのだ。しかも富士通の監督の藤田智は京大時代にはQBだった経験持つ有名なコーチとしての実績がある。
惜しくも敗れたIBMの監督の山田晋三も関学でも社会人でも一時代を築き上げたLBだった名手で名コーチだ。こういう連中の指導を受けていれば社会人になっても進歩するものなのである。このような長年の蓄積と、短期の4年間で仕上げた上に1年生まで入れてくる大学との対決は、ここ数年間社会人が勝ち続けてきた。
また、今回も目立ったことは「あー、良いプレーだ」と解説の関学のQBだった有馬も褒めたような場合に、その選手は先ず関西の大学、例えば立命館であり、関学であるのも、先日述べた「西高東低」を如実に表していたと痛感させられた。勿論、両ティームには日大や筑波や提供の出身者はいたが、遺憾ながら中心選手ではなかった気がするのだ。
病気を抱えてしまった私には正月三日の対決を最早東京ドームまで見に行く意欲はない。それは、あれほど空気が良くないと感じさせられる環境に数時間でも座っていて、風邪でも引いては命に関わると危惧するからだ。