新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

1月23日 日本とアメリカの会社の違い(実はその1)

2019-01-23 17:31:25 | コラム
アメリカの大手製造業者に勤務した者の回顧談:

私はアメリカの会社に転進する前から「アメリカの会社からの問い合わせに対する返信は誠に遅いので困る」と何名かの貿易担当者から聞かされていました。そして、その原因が我が国の大学等で教えていた「英語のコレポンの仕方」にあったと、W社に転じてから知る機会がありました。

それは我が国では文章の終わりに「We look forward to hearing from you soon. とか We will wait to hear good news from you. 等と要らざる文言で結ぶからだ」と、W社ジャパンの社長の秘書役にアルバイトで短期間来ていた東京のある秘書学校の教師だったアメリカの女性に教わりました。

その女性が言うには「アメリカのビジネス界にかかる文言で結ぶ習慣はなく、『何月何日の何時までに答えてきて欲しい』と要求するのが当たり前である。日本人はそういう要求を突きつけるのは失礼ではないのかと遠慮する場合が多すぎるのが間違いの元」と指摘していました。正直なところ、世に言う「目から鱗が落ちる」という感がありました。

その日諸学校の先生は「かかる指定をしなければアメリカの事務担当者には、“we will wait~.”と言うのならば何時まででも待っていろよ」と解釈されて、後回しにされるだけだ」とも言っていました。それ即ち、我が国独特のキチンとした礼儀正さが仇となっていると指摘だったのです。私がやや不思議に思ったことは「何故、長い間我が国ではこのような行き違いを呼ぶ表現を教えてきたのか」でした。

私は嘗て工場に新規(途中採用で、他の業種から転じてきた者という意味)採用されたメキシコ人二世に悩まされた経験がありました。彼は国際的な取引の経験など皆無で、「日本等の諸外国の顧客からの問い合わせや引き合いに直ちに答えるべし」と言う基本を全く知らず、何時も悠々と彼の都合だけで動いていました。

私は彼の個人的な経験など知る由もないので、最初は単純な問い合わせの返信に何日も待たされることに非常に腹を立てて電話をして叱りつけたこともありましたし、工場に出張した時に直接に言わば説教もしたし、彼の上司にまともに教育せよと抗議したりしました。

だが、時間の経過で彼が全くやるべき仕事の内容を認識していなかったと知ってからは、それこそquick response等の基本中の基本から説き起こし、国際市場ではQR態勢が取れていないと客先の信用を損なうし、商機を逸することがある等々、言うなれば新入社員教育のようなことまでやって何とかしようと努めました。

そして、一人前になってくれたところで、皮肉にも彼はより有利な条件を提示した他業種に転じていきました。アメリカの工場のような本社機構に採用された出世コースに乗ることなどない現地採用の事務職は常にこういう形で人が出入りするので、我が国のように滑らかに日常業務が進行する訳ではないのです。

W社に転進した当初では本社の「受注・生産計画・発送」等の重要な業務を担当する中年の女性の仕事が遅いので、何度も単純に注意しました。だが、彼女には何故私が苛立つのか、客先が対応の遅さに苦情を言っているのかが全く理解できませんでした。そこで、私はこの本社機構にいる女性にも、新入社員を諭すように「何故急がねばならないのか」を何度も何度も説き聞かせたし、時には自宅まで追いかけて電話で説得しました。そして、漸く「外国との取引では如何に対応すべきか」を解ってくれるようになりました。

申し上げたいことは「アメリカの組織では中途採用しては事前に十分な仕事の手順等を言って聞かせることなく仕事をその者の独自のやり方に任せてしまうので、結果的にはその個人の性格や仕事の理解度次第では「Customer first」とはならずに「自分ファースト」ということになってしまう場合が多いのです。

私は転進した最初の頃にはそういう背景がある事が解らずに苛立っていましたが、「仕事はかくあるべしと顔をつきあわせて説明すれば解ってくれて、処理能力も改善される」と認識できてからは、担当者が変わる度に基礎かというか仕事が何処から始まるのかまでを、十分に説明するように努めました。

それは、そうしないことには「日本の顧客に対する私の立場が維持できないから」なのであるという重要な事情があるからでした。彼ら事務職の質には確かにバラツキがありましたが、「何をどう処理すべきか。また何故“quick response“が重要なのか」等はこちらから知らせて上げないことには対応しないのです。

要するに「海外の顧客が何を求めているかを解らずに仕事をされては能率も上がらず、顧客との信頼関係を確立できない」ということを理解させるのも私の仕事の一部だと認識して取りかかっていました。その重要な基本の一つがquick responseなのです。後にある重要な客先から知らされましたが、「御社が他のどのアメリカのサプライヤーと比較して、最も連絡と返信が早い」という点が評価されていたそうです。

要するに、気長に新任の事務職員と話し合って「如何にしてお客様との信頼関係を確立するかは、君たちの双肩にかかっている。関係が確立できれば必ず#1対日サプライヤーの地位を確保できる。それが君たちの job securityにも結びつくのだ」と激励したものです。

彼らの素質に問題がある場合もありますが、要するに「如何にして職務の内容を知らしめるか」かは私の責任であるくらいに考えていました。日本の会社とどう違うか、お時間が許す限りお考えになってみて下さい。



1月23日 その2 小室圭さん

2019-01-23 13:47:08 | コラム
私には彼は理解不能だ:

私は秋篠宮家の真子様と小室氏の縁談話にはミーハー的な関心がないので、「小室氏とは理解不能な点が多い人物だ」と感じてきた以外には言うべき言葉を知らない。1月22日付けで小室氏が(代理人を通じて?)発表された、秋篠宮が明解にすべしと問題にされた「彼の母親の方が元婚約者との間の金銭対着問題は解決済みである」との声明文にはこれまた非常に解りにくい点があるのだ。

それは、マスコミ報道では真子様はかかる発表があると事前にご承知だったと言うが、報道からはその内容までお聞き及びではなかったような印象を受けた。私はあの声明文の内容の正否か妥当性は兎も角、あの文章には宛先がないのが気になった。私は小室氏は事態の弁明というか釈明をするのであれば、彼と母親が直接秋篠宮様にお目にかかって、自分たちの口からご説明申し上げるべき筋の事柄ではないのかと思っていた。

ところが、マスコミ報道では、小室氏はどちらかと言えば抜き打ち的にアメリカでの弁護士資格を取得すべく、ニューヨークのフォーダム大学のロースクールに入学してしまった以上、こちらには不在なのである。不在であれば、もしかすると一帰国でもしない限り将来義父となる秋篠宮様に直接ご説明には上がれないのである。そこで悪い言い方を敢えてすれば「アメリカ留学中」という美名に隠れて、為すべき弁明を文書で行ったということになるかと思って事態を眺めている。

間違っていたらごめんなさいだが、それでは余りにも礼を欠いていることにはならないのだろうか。まさか、電話なりEmailなりで一方的に済ませた後で、マスコミ当てに代理人を通じてその内容を公表したのではあるまいな。もしも、代理人を使っているのであれば、私にはその手法はとても理解できるものではない。宮様との面談の約束をニューヨークからでも取り付け可能であれば、そういう手順を踏んだ後で午前中に羽田乃至成田到着で、遅くとも翌日の最初のNY行きの便でアメリカに戻れるので大学院を長期欠席せずに済むのではないか。

私はそれくらいの費用を負担するのが当たり前の礼儀ではないかと思う。そういう行動を敢えてしようとしない小室圭という人私の理解を超越しているのだ。