新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

アジアの大会に出場中の我が代表テイームに思う

2019-01-26 09:11:20 | コラム
我が代表はフェアーに善戦健闘であると思って見ている:

西野・岡田対談:

昨25日の夜にNHKのBSで西野朗と岡田武史の前と元の日本代表の監督が、W杯での戦い方等を中心に回顧談でもあり、我が国のサッカーが今後進むべき方向等を語り合っていた。

検索でもして調べれば解ることだが、私は両者が共に早稲田の出身であるとは承知しているが、どちらが上級生だったかは解らないままに大いなる興味を以て聞いていた。岡田武史は以前に矢張りNHKだったと思うがサッカー観について語らせていたので、かなりの理論派であるとは承知していたが、西野については全く知らなかったので、何を言うかに大いに関心があった。

この対談の深い内容についてはここでは詳細に論じないが、私が興味を感じたことはW杯を目前にしてハリルホジッチと交代した西野監督が、欧州でろくに試合に出る機会を与えられていなかった香川、本田、岡崎等を敢えて代表に招集し、しかも彼らを活かしていった手法には大いに感心させられた。西野監督はあの誇り高そうな本田に「先発メンバーとして使わない」と言い聞かせて置いたと言ったのには、見事な人の使い方だと感心させられた。

あのロシアでのW杯には彼らの他に経験者としては長谷部、長友、川島等がいた訳で、その意味では彼ら以外に新たに選ばれてきた者たちに見本ともなったし、W杯でサッカーをやる心得のようなものを具体的にも精神的にも示せたのは良いことだと思わせてくれた。即ち、西野監督は欧州で髀肉の嘆を囲っていた者たちを蘇らせただけではなく、テイーム全体の現場での指導者的な役割をも担わせていたと見て良いのだと思って聞いていた。それでも結局は、あのベルギー戦での残り数秒での逆転を食らったのだった。

私はあの場面で途中から入れた本田がエキストラタイム中にFKでゴールを狙ってCKを得た時に「ここでもう1点獲りにいく気か、所謂ショート・コーナーに持って行って時間潰しを図って延長戦に持ち込むとの何れを選ぶのかと、瞬間的に非常なる関心を持って見守っていた。私は後者を選択していた。だが、西野監督はそれは全く考えていなかったと言っていた。それがどうのというのではなく、それこそが監督の判断であるということだから、異議を挟む余地はないと思って聞いた。

アジア大会代表テイーム論:
対談の件はそのくらいにして現在の代表テイームとその森保一監督について考えて見たい。西野監督の方針との大きな違いは、ロシアでのW杯の経験者を大迫や酒井宏樹や柴崎等を除けば殆ど採用していない点にあると思う。しかも、この3人は嘗ては主力ではなく香川等の経験豊かな見本的な選手たちの影の存在だった者たちである。即ち、この度森保監督によって選ばれてきた者たちの見本になるとか、世界的(ACLが世界的か否かは疑問だが)な大会での戦い方の指導者たり得るのかは疑問だと思っている。

しかしながら、私が勝手に森保監督の立場になって考えれば、「何処かで世代交代を図らないことには、何時まで経ってもW杯出場が2回だの3回だのという古手への依存から脱却できない」との判断をしたのだろう。何時かはやってくる無慈悲な時の流れを読んだ選考をしたと言って良いかと思って見ている。その結果であそこまでは勝ち上がったが、長谷部のような手堅い指導者もおらず、攻撃の起点になるような動きをする者は未だ不在で、強力なポイントゲッターは育っていないという次元にあると見ている。

即ち、吉田麻也と長友佑都の2人では見本にはなり得るかも知れないが、私の目には未だ精神的支柱にまではなりきれていないと見えるのだ。柴崎や遠藤や堂安や南野が中心になって攻撃を組み立てていけるようなサッカーは、言わば“under construction”なのではないのか。私は以前にも指摘していたが、大迫は抜けてみれば「彼がいるいないではこれほど違うのか」とまでは見せてくれたが、強力なポイントゲッターと言うよりも、攻撃の起点になろうと努力しいているプレーヤーにしか見えないのだ。

お断りしておくが、これは森保監督批判の文章ではない。彼が監督に就任してから何ヶ月経ったかをお考え願いたい。「あの次元にある代表テイームで、よくぞあそこまで持って行った」と評価して上げるべき時なのだ。マスコミ論調ではアジア大会での優勝が義務であるかの如くだが、それはないだろうと私は見ている。勿論、優勝するに越したことはないが、それは非常に難しいと見ている。

それは準決勝に残った顔触れをご覧願いたいのだ。中近東勢ばかりで、しかも試合会場がその中近東だ。私が何を言いたいかをお察し頂けると思うが、既に指摘してあるように、ここから先は“The fair play club“対”The unfair play club“の対決が続くのだ。これを言い過ぎだと批判したい方もおられるだろうが、哲学が全く異なる連中との対決である以上、苦戦が続くと思っている。例えば、「自分で反則を犯しながら、相手に直ちにFKをさせない為にボールを拾って持ち去ってしまうような小汚いこと」を日本の選手がするかということ。