新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

1月4日 その2 ライスボウル観戦記

2020-01-04 16:35:09 | コラム
勝敗を度外視して観戦した:

念の為に申し上げておくと、社会人のXリーグの覇者富士通フロンテイヤーズ対学生の甲子園ボウルの覇者関西学院大学ファイターズとの日本一を決めるべき対戦だった。本来ならば多大なる期待を持って観戦すべきだったが、この試合を以て退任される28年関西学院大学ファイターズを指揮された鳥内秀晃監督が「学生にとって危険だから、このボウルゲームの存続を考えた方が」と言われていた試合だった。即ち、この名将を以てしても最初から「勝てる」と言っておられないのと同様な事態だった。

私は今日までに日本大学フェニックスが故篠竹監督の下にライスボウルを三連覇した試合を全部見てきたし、その三連覇目の対戦相手が松下電工インパルズだった。また、立命館大学パンサーズが松下電工インパルズ(現パナソニック)を破った試合も現場で観戦した。立命館大学パンサーズがインパルスを退けた時のオフェンスコーチが、現フェニックスの橋詰監督であるのも、何となく因縁めいたものが感じられる。そのインパルスが昨年末のジャパンXボウルでフロンテイヤーズに惜敗していた。

昨3日に行われたライスボウルに話を戻そう。私は既にフットボール界では遺憾ながら「西高東低」の傾向があるとは何度か指摘した。その「西高」の中でも関西学院大学ファイターズの存在というか強さとしぶとさは際立っており、立命館大学パンサーズがそれに続いていると思う。そのファイターズが登場するのであるから手に汗握る試合になって然るべきだが、肝腎のファイターズの鳥内監督が「(学生の体力と体格では)危険だから止めよう」と言われているのでは、勝敗の帰趨は明らかだった。

私は「ファイターズが何処までフロンテイアーズに食い下がれるか、何本のタッチダウンを取られて何本取り返せるか。何処までその鍛え抜かれた巧みさとしぶとさを見せるか」に興味と関心があって観戦していた。解りやすくなると思って言えば「社会人と学生では身体の出来が違うというか、体格と体重が違いすぎで当たり合うのは危険だ」とでもなるだろうか。実際に、試合中には数名のファイターズの選手たちが担架に乗せられて負傷退場を余儀なくされていた。そのうち何名かが手当を受けて試合に復帰したが、鳥内監督の危惧はかくの如くに実際問題になっていたのだった。

また、昨日論じたサッカーのACLの優勝決定戦では世界の各国の代表級の選手を数多く集めたアルヒラルが優勝したのと同様に、富士通フロンテイヤーズには西高東低の代表と言えるファイターズとパンサーズの言わば日本代表級の多くのOBに加えて、フェニックス等の関東の強豪校の出身者まで揃っているのだから強くて当然なのだ。そこに、エースランニングバックにはアメリカの大学出身のアフリカ系アメリカ人まで新規加入していたのだから堪らない。純粋の学生単独テイームのファイターズが如何に頑張っても勝てる相手ではなかったのだった。

それでも、そこは関西学院ファイターズで随所にその鍛え上げられた練習の成果を見せて「流石」と唸らせてくれたのだった。だが、勝敗は第2クオーターまでで決まってしまった。それでも私はファイターズが如何なる手段で何本のタッチダウンを取ってみせるかに期待して観戦した。その意味では良い試合だったし、ファイターズの持てる力を発揮した試合振りを褒めておくべきだと思う。しかしながら、鳥内監督の指摘であったこの社会人と学生の勝者の対戦となるライスボウルの在り方は再検討の余地があると思う。

言いたくはないと思うが「フットボール界が何時の日かはラグビーと同様に、人気の点でサッカーを追い抜いてくれると良いのだ」と期待している。その為には「アメフトは面白いというが、ルールがわからないので・・・」などという誤ったことを言う人がいなくなる日が来て欲しいのだ。何度でも言うが「ルールを知らなくてその競技をやっている選手など幾らでもいる。貴方様がお解りになっていないのは、その競技の進め方と得点がどのように入るかだ」なのだ。


アメリカ対イランの事態が深刻化した

2020-01-04 15:24:22 | コラム
アメリカ軍が革命防衛隊ソレイマニ司令官を殺害:

私がこの一件を知った時の直感は「これはカルロス・ゴーン氏のレバノンへの我が国の法規を無視しての逃避も重大事だが、それと比較するどころではない全世界に影響しそうな大事件になってしまうのではないか」という所だった。如何に何でも、兎角、unpredictableだの何のと言われているトランプ大統領としても、今回はおやりになった事は容易ならざる問題で、その規模と危険度が違うと思った。


時事は「トランプ大統領はフロリダ州で報道陣を前に声明を読み上げ、「ソレイマニは、米外交官・軍人に対して差し迫った邪悪な攻撃を画策していたが、われわれはその現場を押さえ、彼を殺害した」と述べた。ただ、トランプ大統領はソレイマニ司令官を「病的」と非難した一方で、イランとの戦争は望んでいないと強調し、緊張の緩和を試みた。トランプ氏は「われわれは昨夜、戦争を止める措置を取った。戦争を始める措置ではない」と説明。「われわれは政権交代を求めてはいない」と報じていた。

アメリカと言うべきか、トランプ大統領がとするかは私如きには解らないが、イランを敵視していることはあの核合意離脱の後のトランプ大統領の言動でも明らかだと思う。一説には「1979年11月にイランがテヘランのアメリカ大使館を占拠して多くの人質を取ったことをアメリカは深く根に持っているので、敵対視しするのである」との見方もある。トランプ大統領は、だからと言って核合意から離脱されたのではあるまいが、イランが必ず報復すると表明しているのでは、事態は深刻且つ重大だと思えてくる。即ち、事が何処まで進展するのかではないか。

アメリカは最早石油は自給自足態勢が整った以上、ホルムズ海峡に対する依存度はなく「そこを通って中近東からの石油を輸入する諸国は自分たちで勝手に守れ」と言っている事態だ。事がここに至って我が国はアメリカ主導の“coalition”(「有志連合」はおかしな訳語だと思う)に参加することなく、自衛艦の派遣を閣議決定し、「地域の調査」についてのオマーン等の了解を得ていた。だが、アメリカが革命防衛隊の司令官を殺害しては、派遣の目的は「調査」だけで済むのだろうかと大いに疑問に感じている。「事と次第では」大変なことになるのではいう意味である。

安倍総理は我が国とイランの好関係の下に、二度もイランの首脳部との会談をしてこられたが、今回の事態は総理が仮にアメリカ大統領の意を帯したとしてホメイニ氏等と再度会談されるとしても、事が無事に収まらないのではないのではないかと危惧するのだ。トランプ大統領がどの段階まで対イランとの関係を持って行かれるお積もりなのかは、全世界に大きな影響をもたらすのだろうと思い、息を潜めて注視していく他あるまいと思う。