新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

1月12日 その2 ラグビーを語ろう

2020-01-12 11:30:16 | コラム
少し軽い話題を:

カルロス・ゴーン氏の違法出国だの嘘ばかりのレバノンでの記者会見だの、アメリカ対イランの対立だのと固くて難しい話題が続いたので、どうも気分が重苦しくなったようだ。


そこで、昨11日に新装なった、もしかすると壮大な経費の無駄遣いになってしまうかも知れないと批判されている国立競技場で開催された早稲田大学対明治大学の大学ラグビーの決勝戦を語ってみよう。実は、早稲田という大学の運動部の特徴を長い間見聞きしてきた冷静な評論家であり、「閃き」で勝敗を予測する者としては、この組み合わせと知った途端に早稲田の勝ちを予測していた。関東の対抗戦であれほど綺麗に明治に負けた以上、早稲田独得の魂が目覚めて二度と明治に勝たせまいとするのは、私の目には鮮やかに見えていた。故にテレビ観戦も後半になってからにした。

そこには「閃き」にも予想に違わぬ早稲田が31対0で断然リードしているという状態が出てきたのだった。この魂と意地と根性(本来は悪い意味の言葉だが)の発揮はあの大学ならではのことだ。それは、近年では早稲田大学ビッグベアーズというフットボール部は日本大学フェニックスのライスボウル三連覇の圧倒的強さを誇っていた時期でも、必ずフェニックスを窮地に追い込む善戦健闘をして見せて「あわや」と思わせていた。最近2年間はビッグベアーズは関東を2連覇し、連続して優勢と予想された関西学院大学ファイターズを甲子園ボウルで苦しめて見せていた。

ずっと昔の1940年代末期のサッカーの関東大学リーグ戦を振り返ってみれば、早稲田大学は何度も何度も絶対優勢を予想されていた慶応大学を優勝決定戦で倒して見せたのだった。その中の一例では、前夜に選手たち全員が集まって「お互いに慶応の選手たちよりも下手だと解っている。だが、下手だからと言って簡単に負ける訳に行くか。全員が下手は下手なりにここ一番の意地を見せてやろうじゃないか」と誓い合ったそうだ。そして慶応のエースだったその当時で言う「左のウイング」の名手を完全に封じ込んで見事優勝してしまったのだった。

我々も当時は「あれが早稲田だ」と驚き、且つ心からその精神力とそこから発する意地の強さ(即ち、言葉と表現を変えれば「如何にして実力を発揮して予想された強者を押さえ込むか」)に敬意を表したのだった。昨日のラグビーの試合で早稲田の選手たちがどのようにして奮起したのか知る由もないが、明治大学の選手たちは今更ながら「早稲田とは」と痛感させられたことだろうと思う。もしかすると、明治にはほんの少しでも油断があったのかも知れない。そこを早稲田に衝かれてトライ数にすれば1本差での敗北になったような気もする。

前田正晶

台湾の蔡英文氏の勝利に思う

2020-01-12 07:54:40 | コラム
台湾の選挙結果について:

蔡英文氏が国民党の韓候補に圧勝したのは当然の帰結だと思います。NHKの北京支局は「習近平政権はある程度覚悟はしていただろうが、これほどの大敗は予期していなかったのでは」と伝えていました。私は習近平が「台湾を統一しても一国二制度は認める」というような声明を発していたのでは、あの香港における状況を知る台湾の国民(ですよね)と民進党支持者が蔡英文氏を支持するのは当然だったと思います。

一方、その独裁者であり世界制覇を目指しているかの如き習近平を「国賓でお招きするのは???」との議論が野党を中心にして盛んです。飯島勲氏が指摘しているところでは「国賓とは天皇陛下との晩餐会と、宿泊先へのお見送りがある事」なのだそうです。であれば、安倍総理との会談では言うべき事、例えば「不当としか思えない邦人の拘束、裁判にかけて有罪にしても判決文を公表しない」と言ったような事案に対して抗議と改善を求めて一向に構わないと思うのです。

我が国には外務省のチャイナスクールや中国に阿る政治家や財界人が多いのですが、一帯一路であるとか東南アジアでの勝手な埋め立てや軍事基地かに対して正々堂々と言うべき事は言わねばなりますまい。何分にも習近平の野望(=ambition)は尖閣・沖縄等々の奪取ではなく、我が国をも属国化しようと言うことまで含まれているのですから、何の遠慮も不要かと思っております。

その意味ではトランプ大統領の対中国の貿易戦争についての強気の姿勢が、やや後退の感が見えるのは少し不安です。その姿勢の変化が来たるべき選挙と何処まで関連するかは私如きには読めませんが、中国に対しては飽くまでも圧すべき事柄は押し続けて頂きたいものです。