新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

“Better too late than never.”だ

2020-01-26 10:57:45 | コラム
中国当局が団体旅行の出国を禁じた:

私は中国の団体の出国停止程の処置はこれほど遅れても、やらないよりはマシ、即ち“Better too late than never.”だと言うのだ。だが勿論、評価できるものだとは思えないのは残念だ。


独裁者習近平と共産党がこの度のコロナウイルスによる肺炎の国内外における発症振りに対して、如何なる手を打ってくるかと見守っていた。橋下徹氏は先ほどフジテレビで「大阪府知事時代にインフルエンザの流行を阻止する為に学校の休校という手段を採ったが、あらゆる反対に遭っただけではなくこの程度のことをするのに民主主義政治の下では実行する為にどれほどの障害があったか」と語っていた。その大阪府とは正反対のはずの中国では、今頃になって漸くこの措置である。尤も、発生源の武漢は封鎖してはいたが、これは言わば弥縫策だと思っていた。

中国が重い腰を上げて手を打ったにも拘わらず、我が政府は具体的で有効な措置を講じていないとしか思えない。この辺りは民主主義を奉じている為なのだろうか。正直に言って患者の圧倒的多数が40歳以上で、死亡したのも高齢者で何らかの持病があった者と言われては、87歳になってしまった高齢者はこの肺炎の流行は怖いのだ。

先ほどからテレビが報じ出している中国の会議の絵を見ると、習近平の表情に生気がなかったし、あの独得の無表情ではなく、私の目に狂いがなければ疲労感が滲み出ていた。私は全知全能の国家の統治者がいるとは思っていない。だから、その地位に就いた者は自らの欠点と弱い分野を意識して、その辺りを補う能力がある者たちを選んで補完させねばならないと思っている。少なくとも、私がお世話になったアメリカの企業では副社長兼事業部長は良く勉強していたが、使うべき部下を巧みに使うべき時には使っていたと思う。だが、トランプ大統領の人遣いはそうとは見えない。

決めようと思えば何事でもその場で決められるのではないかと思わせてきた習近平は、現在までのコロナウィルスによる肺炎の危険な流行に対して何ら適切な手が打てていなかった。私が想像するには、彼の側近には医学の面に通暁した補佐官が不在だったので、あれほど簡単で大雑把な団体の出国停止程度の手を打つのに、これほどの時間を空費したのではないかと疑っている。乃至は側近から何らの建言も提案も出て来なかったのかとも考えた。

私は遺憾ながら後難を恐れつつも、我が国というか政府の出遅れも非難したいのだ。既に中国というか武漢方面からの入国お断りも語ったし、サーモグラフィーで入国する者の顔面を映し出す程度では手ぬるいと思っていた。テレビ局は専門家を招いてご意見を伺っているが、彼等に出来ることは政府が具体的な指示を出さないのであれば、精々「手洗いとうがいとマスクの着用程度」になってしまう。何分にも厚生労働省も外務省も一向に動かないし、野党は何とかの一つ覚えで「桜また桜」であり、不規則発言を騒ぎ立てるだけだ。彼等は憲法に保障された安全な生活すら確保する気がないのかと疑う。

しかも、中国当局が禁じた団体の出国停止程度は27日からだし、武漢以外からの飛行機は飛んできているし、博多には巨大な豪華客船まで入港している。その連中に何とかいうカードを配って異常があれば申告をと叫んでいるが、日本に避難する為にやって来たと平然としてインタビューに答える者たちが、何処まで応じてくるか疑問だし、我が国の医療機関を自国のそれよりも信頼できると計算した上で出国してきたのだろうとすら思わせてくれる。毎日のようにテレビに登場される白鴎大学の岡田晴恵教授はハナから患者の数は万単位ではと言っておられたではないか。

安倍総理には是非とも習近平主席と電話会談でもされて、罹病者の実数やウイルスの変異性の有無等の詳細を尋ねて頂いた上で、中国の団体の出国禁止に見合う手段を可及的速やかに講じて頂きたい者だと願っている。専門家の中にはこの流行が収束するまでには半年を要すると言う方もおられた。そうであれば、習近平主席を国賓で春にお招きするというのは収束前になってしまうのではないのか。私のマスクの在庫は後1週間なので、なるべく早く雨天をも厭わずに買いに行かねばなるまいと覚悟している。しかし、ここ新宿区には圧倒的に中国人が多いのだ。