新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

スポーツあれやこれや

2020-01-14 14:35:53 | コラム
スポーツ雑感:

好事魔多し:

つい先頃こういう表現で「NBAにドラフト一巡目で指名された八村塁君が、折角期待以上に活躍して見せたかと思えば、試合中に味方の選手に蹴られて負傷休場となってしまった」という例を挙げた。「世の中っていうのはこういうものである」ということ。しかし、昨日から報じられているバドミントンの桃田賢斗君のマレーシアにおける交通事故の被害は、八村君の負傷よりも遙かに事が深刻であるように思えてならない。

私はこれまでにバドミントンという競技を実際に見た経験もないが、桃田君のプレー振りを初めて見た時にその天与の才能というかこの競技に対する適性の素晴らしさに驚かされた。しかしながら、前回のオリンピックでの活躍が期待されながら不祥事を起こして出場停止処分となってしまった。しかも、処分が解けた後からの活躍と優勝の実績が余りにも凄いので、日頃「閃き」から何かを論じてきた私には「この勢いはもしかすると何らかの予期せざる事故にでも繋がってしまうのでは」と何の具体的な根拠もなく不安に感じていた。

そこにあのマレーシアでの大会に優勝した後に、インドネシアでの試合に出場せずに帰国する為に空港に向かっている間に交通事故の被害に遭ったというのだ。実は「事故に遭った」と聞いた途端に「もしや、意図的に嵌められたのか」と思ったほど東京オリンピックまでに残された期間を考える時に、何とも微妙なタイミングだったのだ。現実はそうではないようだが、交通事故の被害者だった経験がある私から見れば、精神的にも身体的にもそこから立ち直るのは尋常なことではないのだ。特に心理的には非常に辛いものがあるのだが、経験がない方には解らないと思う。

世間ではオリンピックと言えば「メダルだ、メダルだ」と言って騒ぎ立てるが、桃田君は何の事故もなく出場できていれば「金メダル」とやらの最有力候補だったのは間違いなかっただろう。しかも、彼は捲土重来を期して4年間も精進してきただけに、誠に「好事魔多し」であろうと思わせてくれる。彼は十分に身体を鍛えてあるようだし、年齢的にも回復は早いかも知れない。しかしながら、私が懸念するのは事故による精神的な傷がどれほど深いかという点である。彼がこの点に正面から立ち向かって復調し、見事にメダルとやらを獲得することを期待したい。

静岡学園の全国制覇:
昨13日に行われた高校サッカーの決勝戦のことである。静学は26年前には両校優勝という形で全国制覇していた。この年は私が静岡新聞社から人生で最初で最後の著書を上梓していたので、静岡には頻繁に通っていたし、編集を担当された副部長さんも当時の静学の井田監督とも親しいと聞いていたので、静学に肩入れてしていた。ご存じの方はおられると思うが、この高校はかの三浦知良の母校である。私は静学のドリブルを多用する全員がキープ力があり意欲的であって、尚且つ緻密なパスをするサッカーを好ましいと評価していた。


今回の決勝戦の相手は連覇を狙っている青森山田高校だった。この高校のサッカーは静学とは正反対の荒々しく力業的で、体力と走力に任せ手前に蹴り込んでいく戦法と見た。ところが、静学は前半早々にPKでの失点を含めて2対0とされたので「これでは駄目かも知れない」と半ば諦めの心境に陥ってしまった。しかしながら、閃きではなく希望的観測で静学の勝ちに期待していた。それがその通りになって後半に綺麗な形で2点を取って優勝してくれた。私はあのような全員にキープ力があり「自分でやって見せよう」と向かって行きながら個人技に優れているサッカーが好みだ。

そういう意味は「最近のサッカーに見られるパス回しの為と責任逃れ的なパス」や、何かと言えば後方に回してしまい、アナウンサーに「組み立て直し」と言われる後ろ→横→横というサッカーが嫌いなのだ。静学はその点では積極果敢だったし、綺麗なサッカーを展開してくて、良く0対2から挽回したと褒めて上げたい。青森山田高校も良かったが、静岡学園の緻密さに負けたという感が濃厚だった。

森保一監督への疑問:
既に、マスメディアはアジアU-23選手権での予選リーグ敗退を捉えて、この監督の進退問題にしているようだ。私は少なくとも森保監督にA代表とオリンピック代表の監督を兼務させるのは再検討の要があると思って見ている。そう言う理由は簡単で、実績が挙がってこないという点が第一だし、未だに両方でレギュラーメンバーが固定されていないのも困ったことだと言いたい。更に、彼が監督就任後に売り出した堂安、中島翔哉、友野の3名は徐々に光を失ってきた感があって期待できないし、久保建英だってマスコミが騒ぎ過ぎだっただけのようだ。


個人攻撃のようなことを敢えて言えば、私は森保監督の表情が暗すぎる点で気になるのだ。指揮官が一喜一憂して表情を変えろとは言わないが、彼には明るさを感じさせるものがないし、自分が選んだ選手たちを引っ張っていこうという強烈な個性も出てこないのが気懸かりだ。前任者の短期間の役目を果たした西野氏も、同じ早稲田出身で途中から監督に就任した岡田氏も、テレビなどでのインタビューや対談を聞く限りでは、如何にも監督らしい見識と知識を見せていた。だが、森保監督にはそういう気配が感じられないのが残念だ。

それだけではなく、協会にも手落ちがあって監督を手枷足枷のような状況に追い込んでいるのではと疑う点がある。それは、今回の敗退でもそうだったが、欧州組を招集できていないのだ。この点については、私は最初から出ていく連中に「A代表に招集されれば帰国を認めるという項目を契約条項に入れておくべし」と指導していなかったのではないかという事だ。失礼な言い方をすれば「欧州組は彼の地では絶対的なレギュラーの地位を確保できていない者がいるのだから、こういう契約は可能だったのではないか」と言いたいのだ。

私の見立てでは「協会は森保監督の兼務を解くか、時期的には好ましくないが監督の交代も視野に入れて至急に検討する」となる。協会は少なくとも欧州のクラブを回って代表に出してくれるよう丁寧に交渉することをも考えるべきだと思う。あのU-23の敗戦を見ていれば「Jリーグ若手代表」が負けたという感が濃厚だった。しかも、負けた相手が皆、中近東勢だというのも奇妙なことだ。彼らの小汚い乱暴なプレーに悩まされていたと見えたのは、海外での試合の経験不足がもろに出たと見えた。

何れにせよ、私はFIFAに「中近東」という地域を設けて貰って、もうこれ以上アジアの綺麗なサッカーをかき回させないようにして欲しいのだ。サウジの当たり方などは酷かった。もしも私がレフェリーだったならば、レッドカードを何度も出していたと思っている。