新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

4月25日 その2 大久保通りではマスクは欲しいだけ買える

2020-04-25 14:47:53 | コラム
マスクが欲しければ新宿区百人町へ:

昨日だったか、フジテレビのテレビの夕方のニュースで「山積み、品薄マスク 何故」と題して採り上げていた場所は、例によって「新大久保」となっていた。だが、あの画面に出ていたのは山手線の内側であり、通称“Koreatown“の辺りのことで、正確な地名は「大久保」である。新大久保というのは山手線の駅名である、念の為。

本日はドンキホーテでないと良い値段で入手できない食料品を買いに、山手線の外側になる大久保通りを言うなれば北上してきた。なるほど、そこに展開されていた光景は大袈裟に言えば「何処に行ってもマスクが積み上がっている」という状況だった。この件は既に去る17日に調剤薬局の店長さんから聞いた話として「イスラム横町の連中は協同でコンテイナー1本分を輸入した模様」として採り上げておいた。それをテレビ局は今頃になって報じるのかと言いたくもなるのだ。

中には1週間毎に出店者が変わる貸店舗でも、何処の国の者かも解らない人物が50枚で4,000円近い値段で売っていて、人だかりがしていた。ドンキホーテでは「洗濯できる」と銘打たれたガーゼのマスクが1枚で498円で売られていたし、消毒用のアルコール製品も1,300円ほどで出ていた。ラグビーのW杯の頃にニュージーランド人が泊まっていた小さなホテルの入り口でも、テーブルを出して3,500円ほどで売っている女性がいたが、ホテルの従業員かどうは判然としなかった。

昨日は別の企画で群馬県太田市のFR社という言わば専業の会社の社長が「漸く中国からコンテイナー1本分、即ち60万枚が入荷した」と嘆いていた。それほど中国からの入荷は少ないようで、その数量では市内の病院関係と市役所が市民に配布する分だけで消えてしまうのだそうだ。私には60万枚が40フィートまたは20フィートのコンテイナーで1本なのか知らないが、新宿区内で共同購入した連中の販売は当分続くのかなと、ふと考えていた。中には日本語が印刷された50枚入りの箱があったから、輸入(中国の業者の横流し)の経路は一つだけではないのかも知れない。

帰路にあらためて先鞭を付けたイスラム横町のハラルフード販売店の様子を当たってみると、1箱3,000円の分は未だ店頭に積み上がっていた割りにはその店は閑散としていた。だが、数メートル先の何故か3,500円の店には人だかりがしていて、5箱も買っていた人もいた。因みに、バラ売りは何処に行っても300円なのは面白い現象だと思った。何れにせよ、嘗ての市価の6~10倍の出費を厭わない覚悟があれば、ここまで来れば幾らでも買えるという状態だ。

私には中国の政府か業者か知らないが、高く買う先を優先して出荷しているとしか思えないのだ。それが不当であるとかないとかを論じるよりも、そういう中国という国からの供給に依存する態勢を作っていた我が国の方にも問題なきにしもあらずと思えるのだ。それにしても、政府は大きな枚数を手配されたと聞くが、正常な価格で既存の薬局やドラッグストアで買えるのは何時頃になるのだろうか。マスクを1枚1枚ミシンで縫製していては労務費が高い我が国では1枚10円で出てくる訳がないと思う。中国のような機械を導入しなければ、大量生産は望めないのではないか。


小池百合子東京都知事論

2020-04-25 08:21:36 | コラム
毀誉褒貶相半ばするという辺りか:

本25日朝もテレビでは昨日の記者会見のビデオだと思うが「ステイ・ホーム」で「セーブ・ライフ」を先に言ってから「外出をしないで、命を守りましょう」と言っていた。順番が逆で鼻につくし、カタカナ語に言う見え透いた「スタンドプレイ」である。尾身茂氏の真似をして「オーバーシュート」などと英語の言葉を平然として誤用するくらいだから、私は小池さんは正しく英語を理解してはおられないと断定している。だが、英語を乱用するからと言って、その業績を正当に評価しなければ「フェアー」ではないとなってしまう。

私は正直に言って、小池東京都知事の新型コロナウイルスの感染が本格化して以来の素早い(安倍内閣を出し抜いた感が濃厚な)対策の打ち出し方を「素晴らしい」と評価すべきか、来たるべき7月の選挙を十二分に意識した「スタンドプレイ」と見るかは、意見が分かれると思っている。評価されるとしたら「政府の危機対応能力が不慣れで不十分であり、且つ後手・後手の継ぎ足し方式でしかない為に、小池都知事の動きが如何にも敏捷で時宜を得ていると認められるのだ」と思っている。

小池都知事が打ち出した対策は速さが売りであって、その内容には特段の斬新さがない事が多い。だが、安倍内閣が西村康稔大臣を使って打ち出してきた対応策を小池都知事を評価する側から見れば、東京都の対策のカーボンコピーみたいなものだと言われそうなほど当たり前で「良くそこまで考えて下さいました」と感謝したいようなものがなかった。それだけに、小池都知事の動きが目立ったし、新型コロナウイルス対策の基準の設定のようにすらなってしまった感が濃厚なのだ。私は出し抜かれてばかりいる西村康稔大臣の小池都知事に対する管理能力不足の問題だと思っている。

ここで強調しておきたいことは、先日引用した1953年に経験したアルバイトで、アメリから来たイタリア系アメリカ人の真珠の買い付けに商人が言った“Speedy is the essence”が小池都知事の動きにも現れていると思っている。小池都知事の対応策も決して「そこまで幅広く範囲を広げて、厳しく規制するか」という類いではなく、言うなれば安倍内閣式の小出し戦術なのだが、「先んずれば人を制す」の典型的な例になっていると思う。それほど政府の対策が相対的に鈍足であるという意味だ。10万円の一律給付にしても、その不手際が小池都知事のスピード感の前に霞んだと思っている。

私はテレビ局がそもそも如何なる方針の下に連日のように小池都知事の記者会見をさも重大事のように中継するのか推察しようもないが、あれではトランプ大統領どころではない選挙対策のお手伝いのボランティアだとしか思えないのだ。私はまさか安倍内閣が小池都知事に意図的に先に何か言わせて置いて、その反応を見てから政府の対応策を考えようとでも考えているのかと、ふと疑いたくなっている。そうでなければ、あのスタンドプレイを看過するのは宜しいとは思えないのだ。私に言わせて貰えば「何様のつもりか」なのだ。

だが、あれほどの対立振りを見せていた森喜朗組織委員会長との関係も何時の間にやら「仲睦まじく」とでも形容したいように変化させて、開催か延期かのIOCとの電話会談にもちゃんと参加されている巧妙さも「如何にオリンピック開催都市の知事として真剣に取り組んでいるか」を見事に示していたと思う。私はその辺りまで「スタンドプレイ」と批判したら不適切かも知れないと思いながらテレビの報道を見ていた。だが、もしもIOCの意向通りに来年の7~8月に開催できれば、そこに至るまでの膨大な経費(予算)に如何に立ち向かうかについては手腕を問われるだろう。

自民党の二階幹事長が小池支持を打ち出され、自民党内にこれという対抗馬見当たらない以上、小池百合子さんの再選の確率は高いのかも知れない。私の小池都知事に対する評価は「築地から豊洲移転に際して見せた不手際と新党樹立の失態を、今回の抜け駆け的で且つスタンドプレイ的な新型コロナウイルス対応でほぼ帳消しにしだけだ」であり、マイナスからゼロに戻ったところで、これから先の感染防止策如何では再びマイナスに落ち込む危険性もあるかと見ている。だが、現在では都民としては彼女に託す以外の道はないのだ。

ここで最後の本気で批判すると「『スタンドプレイ』(これはカタカナ語であり、英語では“grandstanding”などと言うようだ)は排除して貰いたいことと、知った風な顔で話の中に英語を交ぜるのはお辞めになった方が良い」という辺りだ。私は何度も指摘して来たことで「カタカナ語を交えて語る人は衒っているだけで、本当に英語が解っているのではない」のだから、私は「知ったかぶりはお辞めになる方が身の為だ」と教えて差し上げたくなる。例えば「オーバーシュートは誤用だ」と何度指摘して来たことか。底が浅いと見ている人は私以外にもおられると思うのだ。