新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

8月2日 その2 日本語を乱しているのは誰だ

2020-08-02 15:53:57 | コラム
「ウイズ・コロナ」って何のこと:

私は余りテレビは見ないと言ってはいるが、ニュースとスポーツ中継(お断りしておくが、相撲は興行でありスポーツの範疇には入れていない)は見ている。そこで気になって仕方がないことがある。それは、タレントと称されている連中は仕方がないとしても、結構なインテリであるはずの人たちが奇妙な言葉を使うのには落胆させられている点だ。インテリと看做す人たちの場合は概ねカタカナ語の乱れ打ちなので今更ここで云々するまでもないが、その他の連中の国語の乱れは誠に嘆かわしいのだ。しかも罪なき視聴者の中にはその乱れを真似る人が多いのも情けない話だと思う。

既に何度か例に挙げた言葉には「最高」というのがある。これは、何か景色を見ても、美味な食べ物に出会っても、何か良いことがあっても、試合を決めるホームランを打ってインタビューされても、トラックの種目で良い記録を出しても、タレントという連中や運動選手たちは「最高です」としか言えない表現力の欠如か、語彙の貧弱さを見せつけてくれるのだ。「何が、何処で、如何なる意味で最も優れていたか」や「どの食べ物の何処がこれまでに味わった中で、如何なる点で最も味付けが良かったか」や「新記録を樹立したことが何故良かったか」等が全て「最高」の一言で括られるのだ。

私は最早COVID-19乃至は武漢ウイルスの代名詞のようになってしまった「コロナ」も「言葉の誤用」という点では最悪だと見ているし、そのように指摘して来た。“corona”とは「光冠」という意味はあるが当たり前のことで「ウイルス」を表してはいない。私がこういう使い方をするのを聞いたのは、石原良純が最初だった。「おかしな言葉を使うな」と感じた。だが、それ以降マスコミも何も、老いも若きもマスメディアも政治家も皆「コロナ」であり、何処かの都知事が例によってしたり顔で“with corona”と言い出したのを聞いて「何て事だ」だとウンザリだった。

新聞の見出しの字数なら兎も角、テレビで「新型コロナウイルス」と言って何秒の時間が食い込むのか。私はこういう間違った言葉を恥ずかしくもなく使う誤りを即刻訂正すべきだと思っている。私は最早、アメリカ人との英語の会話中に通じるかどうかを試す機会が無くなったので断定はできないが、外国人というかアメリカ人が“corona”をウイルスの代名詞に使っているかどうかくらい確かめるのが、メディアの責務ではないのか。そういう意味では、私はここでは「コロナ」という誤ったカタカナ語を排斥していることになるが。

次はタレント用語というか、アナウンサーたちも平気で読み上げているというのか、知らずに使っている奇妙な日本を槍玉に挙げよう。先ずは、渡辺裕太(?)という両親が役者擬きの息子から。リポーターのような仕事を日テレにニュースでやっているが、画面に登場一番「どうも、今日は」と言うのだ。「どうも」は広辞苑には「全く。誠に。「―済みません」「―有り難う」とあり、(用法の後段を略したもの)感謝・祝辞・謝罪・悔やみなどの意で、口頭の挨拶に広く用いる語」となっている。従って「どうも。今日は」は意味を為していない。日テレは訂正させるべきではないか。

ウンザリするのがアナウンサーたちが無邪気に「後ろから追突」とか「二十日の日」とか「後で後悔した」とか「今現在」などとニュース原稿を読んでいる辺りだ。経験上も彼等が即興で語る訳がないと承知しているから、原稿を書いた奴らの顔が見たいのだ。これがおかしな日本語ではないと気が付かないような学校教育を経て、テレビ会社に目出度く就職できたのであれば、萩生田文科相は日本全国の国語教師たちに「まともな国語教育を施せ」と時を無駄にせずに指示を出して貰いたい。ところが「今現在」や「今の現状」等は専門家様たちの間でもご愛用だから怖いのだ。

私は某地方局で12年間ラジオコメンテーターをさせて頂いたが、(実は、こういう表現は好みではないが、嫌な言葉遣いの例として敢えて使っている)、担当のプロデューサーもデイレクターさんたちは実に厳格で、原稿も厳しく調べ上げて貰えたし、言い間違いなどは絶対にと言って良いほど許されなかった。私は「これがあるべき姿であり、国語を間違いなく使うのは、出演料を頂戴する以上当然だ」と認識していた。シナリオも何度も読み返してから送っていたものだった。これと比較すれば、テレビのキー局などは大宅壮一氏が指摘した「一億総白痴化」の極みではないか。

敢えて結論めいたことを言っておけば、「自分の国の言葉でさえ、誤ったというか、おかしな使い方をしている状況では、英語教育を小学校から初めて国民の英語力を高めよう」などと言うのは、単なる虚け者の文科官僚と、何とか委員会の戯言に過ぎないのだと分かる。先ずは「キチンとした国語で物事を表現出来きるような国語教育により国語力の充実を図るべきべき」ではないか。そうでないと、1994年7月にUSTRのカーラ・ヒルズ大使が「アメリかでは初等教育の充実と識字率の向上を図るべきだ」と言われたのを、笑えなくなりはしないかと本気で心配している。


I have been to travel.

2020-08-02 11:41:08 | コラム
7月29日から4日間東京を離れていて思ったこと:

往路は2時間弱、東名高速道路を勿論西に向かって走っていたのだった。と言っても、これまでに何度も述べてきたように、私は車の運転は出来ないので(免許を取得したことがないという意味)、愚息の車に乗っていただけのこと。道中「案外だな」と感じたことは、下りの方向に何台もの関西以西のナンバープレートを付けた大型のトラックやコンテイナー(「コンテナー」というアホなカタカナ表記は勿論採らない)が大袈裟に言えば、無数に我が方を追い抜いて疾走していた点だった。即ち「物流は活発に動いているじゃないか。これは良いことじゃないか」との感想である。

他に感じたことは、高速道路を走っている乗用車(と呼んで良いのだろうか)の中では軽自動車が目立ったことと、後部を真っ直ぐに切ったお世辞にも格好が良いとは言えないような、我が国独得のデザインの車が異常に多かった風景だった。私の感性では「ダサいな」としか思えない車が圧倒的に多く、走行中の所謂「4ドア・セダン」の乗用車はほとんどがドイツ車なのである。極端に言えば、古き良き日本語に言う「流線型」のようなデザインの車は概ねベンツかBMWという惨状。自動車に疎い私は「何ででこうなるのかなー」と思わせられた2時間の移動だった。

箱根山よりも西に行った訳でもないが、移動中に見えた車のナンバープレートは神奈川県以西のものが多かった。だが、東京都内の車も結構走っていたし、ホテルの駐車場にも東京都内の車はいた。また受け入れ側も「東京都民のお出ではお断り」などという雰囲気もなかった。確かにチェックインの歳には恭しく検温もあったし、館内ではマスク着用が求められていたのは当然の処置だろうと受けとめて、遵守していた。風呂場の衣類の入れる籠の置き場も一つ置きに封印されていたし、注意書きも徹底していた。こういう点を除けば平時と何ら変わるところはなかった。

滞在中はただひたすら、家に閉じこもっていた生活を続けてきた生活で衰えた体力を何とかして取り戻そうと入浴と食べることに専念していたので、体重も少しは戻ってきたし、新聞すらも読まず、テレビも見ず、PCにも触れない生活だったので、持参した高齢者用の目薬のお世話にもならず、静養に努めていた。お陰様で物思う時間が十分に取れたので、第二波の襲来の如き感染者の増え方の原因というか責任の所在を考えていた。

私は事ここに至れば、20と30歳台を中心に感染者が増加傾向にあるのは、新型コロナウイルスが変異したと言うよりも「人災」ではないのかと考えている。それは橋下徹氏自身が責任がない立場で言うがと、再三指摘し続けてきた特措法改正の遅れ(と言うか不実行)も一因だろう。それ以外に責任ある立場におられる西村康稔経済再生担当大臣、加藤勝信厚生労働大臣、小池百合子都知事の無知と無策に加えるに、格好を付けるだけで責任を回避している姿勢が大きな原因であると思っている。

彼等は決して無能ではないのだ。だが、このような世界中の誰にとっても未知のウイルスが引き起こした重大な難局に直面すれば、為す術を知らないのは当然だろうと思う、それでも対応すべき地位にある以上、徒に専門家会議に依存して責任を負わせたり、自らが管轄する役所が出して指示を「誤解だ」とほざいたり、格好付けるだけのプラカードを乱造したかと思えば、万人に解って貰える訳でもないカタカナ語を乱用して、如何にも「やっている振り」を見せているだけの連中が指揮を執っていたのでは、こうなってしまったのは当然だと思って嘆いている。

特措法による「要請」だけでは立ち行かないと分かっているはずなのにで、それ以上のことを推し進められずにいるのは職務怠慢である。評論家や一部の先生方が、橋下徹氏が声高に唱えていたように「特措法の改正の為だけでも国会を開いて」という声に一向に反応できないのは何故かと奇異に感じている。奇異に感じるという点では西村康稔大臣と私は書くが、テレビの音声では「西村康稔経済再生大臣」と呼んでいるのは何故か。安倍総理は一思いに彼を「新型コロナウイルス制圧対策大臣」に任じられたら如何と思う。即ち、「人災」となったことの究極の責任者安倍総理も負われたら如何かという事。

無責任という意味では、与野党を問わず国会議員たちも無為無策に過ぎる。東京女子医科大学病院では看護師さんたちに賞与を支給しないといって大問題化していたではないか。(結局は支給されるとなったそうだが)そのように医療従事者というか新型コロナウイルス感染者の治療に奮闘しておられる病院が経営的危機に直面しておられるこの時に、賞与まで貰っている国会議員たちの不甲斐なさは何も今に始まった訳ではないが、連中は余りにも仕事しなさすぎる。野党だってと言うか、枝野などは国民民主党との合流に偉そうに振る舞っている時期かという事。見ちゃいられない様だ。

政府も若き馬鹿者たちの行動を制限するくらいの事を言いだして誰が無謀だと非難するだろうか。外食業や外飲業界を自粛させるくらいの決意が何故出来ないのかと思う。補償をする方法だってあるという声だってあるが、彼等に補償や救済をするなら病院が先だろう。デイビッド・アトキンソン氏のように中小企業の保護は疑問だという外国人だっているではないか。この時期にやるべき事の優先順位も付けられないような政府では困るのだ。頭脳明晰な者たちの集団だったはずの中央官庁は何をやっているのかと言いたい。

安倍総理の後継を目指している候補者たちも不甲斐ないと思う。「自分だったら、今はこういう風にして危機から脱出するのに」くらいのことが言い出せないのと思う。FM氏のようにただひたすら安全運転で失言か失点を避けているような人に後継になられてはどうかなと思ってしまう。危機に直面し、対処して初めて候補者に立候補の資格を与えたい思いだ。SIさん、貴方ならどうしますか。TKさん、この状況下で英語力を何処でどう活かしますか。