新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

9月10日 その2 ワクチン物語

2020-09-10 14:22:49 | コラム
アストラゼネカが治験を停止:

先ほど立ち寄った馴染みの薬局の販売員は「なーに、直に治験を再開しますよ」と全く慌てていなかった。私は耳学問だけで言うのだが、ワクチンのようなもの(薬?)は3相までだったかの治験を重ねて結果を出さないと承認されないものだと思っていた。今回は世界の方々でワクチンの開発が盛んだが、そう簡単には事が終わるまいと考えるのが普通ではないのだろうか。

私はこれが常識かどうかまでは言えないが「そもそも薬というものは人体にとって有害であって、体内に入れてはならないのだ。確かにその薬は取り除くべき侵入者を死滅させると同時に、手にかけてはならないものまで叩いてしまうという副作用をもたらすもの」と何人かのお医者様に教えられた。また、そのように説き聞かせて下さる方にも何名か出会ってきた。その説というか知識を当て嵌めれば、ワクチンにも副作用が出てくるのも当然かと思う。

今回の新型コロナウイルスの感染が世界中に広まるにつけても、世界中でワクチンの開発に集中しているとは既に述べた。だが、マスコミは上記の「薬有毒説」や「副作用不可避」の件には余り触れていない。彼らの報道は何時も不正確である嫌いがあると思う。例えばアビガンである。安倍総理は5月中にも承認すると言われたが、結局は果たせなかった。ところが、President誌の10月2日号ではアビガンの研究代表医師の藤田医療大学医学部の土井洋平教授は「私たちは有効性がないとは一言も言っていないはずです」と言っておられる。

詳しくはPresident誌の73頁からをご参照願いたいが、「アビガンが有効ではない」と決めつけるのは報道する側の姿勢の問題だと思う。断定するまでの治験が出来ておなかったというだけのようだ。私に言えるのはここまで。

そこで、ワクチンである。3年ほど前のインフルエンザ流行の冬場に先ず家内が何処かで感染してきて、言わば掛かりつけだった東京山手メデイカルセンターで治して頂いた。だが、同じ屋根の下に暮らす私は翌日の夜中に高熱が出た。そこで同じ病院の救急に電話で予めお願いして診て頂き流感と判明し、家内とは異なるタミフルが処方された。私も熱は下がったが、治ったと思うようになるまで3週間ほどを要した。問題は2人ともワクチンの注射は受けていたことだ。恐らくワクチンが予期していない型のウイルスにやられたのだろう。

私の経験ではこの罹病の前に、矢張りインフルエンザのワクチンの注射を受けた後で、風邪の症状が出て発熱に悩まされたことがあった。直ちに掛かりつけのクリニックに駆けつけた。これは予期した通りで、ワクチンの為に擬インフルエンザにかかったのだった。即ち、ワクチンの副作用だった。この経験で「ワクチンとはこういうものだ」と学習し、理解できたのだった。

最後に矢張りカタカナ語にも触れておこう。ワクチンは英語では“vaccine”でそもそもドイツ語の世界だった我が国の医学の名残か“vakzin”というドイツ語を「ワクツイン」と読むべきだだったが、「ワクチン」となったようだ。序でに採り上げておくと「ウイルス」は、英語では“virus”であって発音が「ヴァイラス」だったのにも拘わらず、「ヴィールス」と表記された時期があり、家内などは今でも「ビールス」と言っている。検索してみると「ウイルス」の語源はラテン語だとあった。それでもこの手のカタカナ表記は「インフルエンザ」を「インフル」に縮めたのよりは罪が軽い。


世相雑感

2020-09-10 09:14:21 | コラム
私の考え方:

街角景気診断:

先週のことになったが、JR新橋駅前から中央通りを京橋の交差点まで、11時半頃に暑さ対策で無慮¥820を投じてタクシー移動した。外は35度だった日だ。そこで早速運転手さんに「景気はどうですか」と尋ねてみた。白髪交じりの運転手さんは極めて理論的だった。中央通りで「駄目です。両側を見て下さい。如何に暑いと言っても人通りが少な過ぎます。また、リモートとやらのせいで会社員の動きがめっきり減りました。夜になると飲み食いに出てくる者が減ったきりで未だに戻っていません。これだから景気は良くなっていないと言います」と解説してくれた。

「何だ。当たり前のことを言っているだけで、珍しい話ではないではないか」と言われそうだ。だが、テレビや新聞では専門家やらエコノミストという権威者が統計だの何のと掲げて言われることを重視しているが、彼等がこういう街角景気診断をしているのだろうかと思ってしまう。私は新聞記者も評論家も彼等自身が実務の場に立っている訳ではないのだと言いたいのだ。たった一人だったが、私は現実に連日連夜現実に触れているタクシーの運転手さんが言うことは、貴重だと思っている。

外国から見た自民党総裁選挙:
昨9日のPrime Newsに登場された愛知淑徳大学の真田幸光教授の冒頭の一言には大いに興味を感じた。それは「外国では何故自民党は政治的空白を作ってはならないと言いながら、総裁選挙などやっているのか。アメリカのように大統領に万一のことがあれば副大統領が昇格するというような規定がないのか。この時期に時間を空費しているのは・・・」との声があるというのだった。私には法律のことは良く解らないが、副総理という法的な地位があるのか、また副総理が昇格するという規定(法律による制度)がないのだろうかと思って承っていた。尤もな疑問かと感じた。

しかも、森喜朗元総理の就任と同様に何処かの国では「またもや、密室政治か」という見方まで出ていると言われた。思うに、我が国にいる外国人記者たちがそういう見解を流すのだろうが、それが外国で流されても、我が国の中で報じられたという話は聞こえてこないのも、一寸不思議な感がある。矢張り、記者というかマスコミの質の問題かなと思って聞いていた。

外交は票にならない?:
石破茂氏、岸田文雄氏、菅義偉氏(五十音順、この言わば反対に偉さか強さ等の順番で並べることを、英語で“political order”という)の3候補がその掲げる政策論を公開しておられる。誰かが批判していたことは「確かに現実的な事柄はあるが、このアメリカ対中国の対立がこれほど明らかに深刻化して、どちらかが事を構えても不思議ではない事態が近くなった見える。その時にあって、対アメリカ、対中国の外交政策を明らかにする姿勢を誰も示していないのは・・・」だった。尤も至極であり、私もその点が不安だ。菅氏が外交慣れしているとか、いないとかの次元の問題ではない。

何度でも言うが、あのウオールストリートジャーナルの記者の質問「日本はアメリカと中国の何れに与するのか」は、段々に我が国の外交姿勢と対策の核心を衝いて来つつあるようだ。石破氏は自民党の若手議員が習近平主席の国賓での招待を見送るべしと建議したことを批判したそうだ。この一点だけでも、私は彼は失格だと思う。この問題は二階幹事長がどっち寄りかと言うような小手先の案件ではない。我が国の命運がかかっているのだ。新総理・総裁は直ちにホワイトハウスでもデラウエア州にでも飛んで旗幟を鮮明にすべき時だろう。