新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

9月1日 その2 自民党総裁選に思ったこと

2020-09-01 14:57:20 | コラム
両院議員総会のみに決定:

*「アレッ」と思わせられた時代遅れ:
誰が言ったか記憶はないが「今から全党員に投票用紙を郵送し、それが戻ってくるのを待てば10月になってしまうから、党員の投票は回避する」との意見があったのは、意外と言うよりも残念だった。自民党本部から各都道府県の支部とのネットワークが出来ていないのかという驚きだった。各支部にメールで投票用紙を送れば済むことではないのかと思った。

我が国では政界というか国会というか知らないが、ICT化乃至はデイジタル化の遅れがマスコミ等にまで批判されてしまう時代になっている。私にも見えたことは、自民党内にはその程度のデイジタル化が出来ていなかったとは情けなかった。だが、もしかするとそういうこじつけのような理由付けは、所謂「石破潰し」の一部かとすらも感じた。

保健所が感染者の集計を都庁だったかにファックスで送信しているというのにも呆れたが、我が国の政治の中核を為す自民党がそういう時代遅れの状態のままでどうする気かと正直に言って驚かされた。

またアメリカの話になるが、1975年にW社に転進して「アメリカの会社は凄いな」と驚かされたことがあった。それは「本社からアメリカ全土の工場・支社・営業所は内線で結ばれていただけではなく、ワシントン州の本社からあるコード番号を押してNY市でも何処でも電話をすると、市内の公衆電話から相手先にかけたと同じ料金になるというシステムが出来上がっていたことだ。

今から半世紀ほど前にそういう仕組みを作っていたので、東京から副社長兼事業部長に電話をして不在の場合には彼の車内電話に転送できるようにもなっていたし、車内電話から本部経由で東京にも電話が出来るのだった。そういう先例があったにも拘わらず、自民党では郵送に依存するというのは情けない気がしてならない。先頃の10万円給付をネットで申請した方が郵送よりも遅かったというのは恥ずかしくて、とても海外と言うか中国や韓国にはに知られたくないニュースだった。

*政治に空白を作ってはならない:
二階幹事長はこう言われて両院議員に党員・党友を加えた選挙を回避する意向を示されていた。策士だと言われている幹事長のことだから、そういう作戦を立てられた(何の為に?)のかも知れないが、私はもう一つの「何の為か」を考えざるをえなかった。それは、81歳だったかの高齢の二階氏の頭の中は未だアナログのままなのではないかと言う、失礼かも知れない疑いだった。尤も、近頃方々のテレビ局に引っ張りだこの橋下徹氏は「緊急事態と言っても未だ時間はあるし、安倍総理は官邸に出ておられて未だ辞任されたいないのだから空白ではない」と言われてしまったではないか。

*菅義偉官房長官が本命に:
自民党総務会は両院議員のみの投票と決定されたと報じられてる。それほど菅義偉氏が評価されたという証しだろうとは思う。だが、ここでもまた「誰かが言っていた」とするが「それでは過去に密室で誰かに決めてしまったのと同工異曲だ」との批判があった。また「両院議員のみの投票に反対する140名だったかの若手議員たちが派閥の領袖たちの指示に従って菅氏に投票するのだろうか」との疑問を呈していた専門家もいた。

こういう事態を生じさせていたのでは、「あれほど多くの派閥の支持を得て立候補して安倍総理の政策を継承すると言われている菅氏の当選というか、出馬に疵をつけるのではないか」という意見を言っていた芸能人もいた。菅氏にはもしも本格的に選ばれて総理大臣に就任された後では、かかる雑音を吹き飛ばすような手腕を発揮して貰いたいものだと思う。二階幹事長はここまでの不評を買ってまでも強行されたのには、何か特別な事情があったのかと気になってしまう。


またデパートが閉店した

2020-09-01 08:51:43 | コラム
時代の変化の象徴では:

ここ数日の間に数店の十合の閉店が報じられ、徳島県が山形県に続いてデパートがない県になったと県民が嘆いておられた。私はこれまでに何度か述べてきたことで、1951年から足かけ4年間三越銀座支店で実習生という名のアルバイトをしてきた。そこで多少なりともこのような大規模小売業を実際に経験してきた。その経験だけから言うのではないが、もう30年近くにもなる前の在職中から「デパートのような大規模小売業の将来は極めて暗い」と指摘して来た。

その理由を今更ここに詳細に論じる必要はないだろうと思うほど、デパートは衰退し業界再編成は急速に進み「今日は三越、明日は帝劇」(だったかな)と言われた時代の有名店で昔の店名のまま残っている店が何軒あるだろうかという時代になってしまっている。簡単に言えば、私は定価というかメーカー希望小売価格でしか売れないデパートの弱みが決定的だったと思っている。私はウイルス問題を警戒した訳でなくとも、今年になってからデパートで買い物をしたことがなかった。

デパートは自社ビルなのだろうが社屋を所有していればそれだけでも維持費がかかるだろうし、営業時間を往年よりも延ばしたので経費が嵩んでるだろうし、店員(と言っても仕入先と問屋からの応援も含めて派遣社員が多数いるのだが)を多数雇用し、店員たちの商品知識も専門店に負けないほどの水準に高めておかねばならないのだし、幅広い商品を在庫し(と言っても買い取りは多くはないが)、配達網も整備しておかねばならないのだから、競争力が低下したのも止むを得ないと見ている。そこに新型コロナウイルスが襲ってきたのだから堪らないのだろう。

私はもう10~15年以上も懐かしき三越の日本橋本店に行っていないが、その頃でも裏側の入り口にはベンツだのキャデラックだのロールスロイスで乗り付けている恐らく古き良き時代の店員の隠語で言う「お帳場前主」(外商に専属の担当者がいて、ツケて買っていく大口のお客様の意味)だろうと思われる方が来ておられるのを見ていた。そういう時代は終わってしまったのだろうか。アマゾンだの楽天だのメルカリだのという時代にあっては対人販売のデパート等はどう変化すれば良いのかを考えているのだろうが、先行きが明るいとは思えない時代になってしまったようだ。