新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

大坂なおみさんのUSオープンテニス2度目の優勝に思うこと

2020-09-13 11:16:19 | コラム
大坂なおみさんは大したものだと思う:

素直に「2度目の優勝お目出度う」と祝福したい。「2回も制覇するとは偉いものだ」と思うと同時に、今回は色々と考えさせられた。

私は彼女のこれまでの所謂「メイジャー」(“major”の発音は断じて「メジャー」ではない)の2回の優勝は「出会い頭」だろうと何度か指摘してきた。1年間に2度も制覇するのは偉業だが、私にはあの勝ち方が本当の実力がもたらしたものには見えなかったので、もう一度勝って見せてくれるまでは賞賛は保留とする気でいた。だが、今回は閃きではなく、勝ち上がっていくのを見ていて、何となくこのまま行ってしまうのではないか程度に軽く見ていた。それが堂々たる優勝となってしまった。偉いなと思う。

何処かの局の解説を聞いて初めて知ったのだが、今回は彼女はコーチを白人にトレーナーを日本人にと入れ替えていたのだった。前回の2度の制覇の際は報道を聞いている限りでは、ドイツ人の極めて有能なコーチが精神面をも指導していたようだった。その後の低迷期にはコーチ不在だったり(父親が臨時にとか)コーチに人を得ていなかったようだった。その為か技術は兎も角、精神的に不安定な選手だなと思わせてくれていた。

今回はテレビの報道で見る限り2度ほど失敗の後に苛立ってラケットを投げ出す場面もあって、未だ不安定かなとは思わせた。だが、結局は優勝まで行けたのはコーチが精神面を管理し制御したのかと想像している。ということは、如何にコーチ、それも有能な人材に恵まれることが重要なことだと立証して見せたと思っている。私は個人種目の競技を経験していないので、コーチの存在がどれほど大きな影響を選手に与えるか想像できないが、今回の優勝を見ていると、コーチの存在が大きかったと思うのだ。

ここで一寸趣を変えて英語論になってしまうが、今回彼女がコートに現れたときの場内放送は「ネイオミ・オサーカ・フロム・ジャパン」だった。以前にも指摘したが“Naomi”とローマ字表記してしまえば、アメリかでは絶対と言って良いほど「ナオミ」とは言ってくれないのだ、。それが証拠にアメリカには「イサオ・アオキ」というゴルファーは存在しないが「イサオ・エイオキ」は認められているのだ。また英語の講釈かと思われるのを覚悟で言っているが「アメリカの英語では“a”を素直にローマ字読みする例は極めて希である」のだ。

私はその「ネイオミさん」があの黒い7枚あったと聞くマスクに警官に殺されたアフリカ系アメリカ人の氏名を記載してあったことに関しては、何と言って良いか解らない。既に何度か述べてきたことで、22年半も彼等アメリカ人の中でその一員として勤務してきた間に、このような人種問題を語り合ったことと言うよりも、そのような話題が持ち上がったこともなかった。また、本社の800名はいた社員の中にアフリカ系のマネージャー級が1人いた時期があっただけで、彼等と仕事上でも街中でも親しく語り合う機会は皆無だった。故に、何か言うべき知識も材料も持ち合わせがない。

何処かの局で何方かが「スポーツに政治を持ち込むのは・・」という意味の事を言っていたが、私には何となくその考え方には同調したくなる。だが、ネイオミさんがあそこまで強烈にこの問題を持ち出す背景には、彼女はそう言いたくなる経験をしてきたのかなと考え込んでしまう。私は知識がないと言ったが、アメリかではヒスパニックやアジア系の少数民族が警官に不当に扱われた例はないのだろうか。そういうことすら知らないほどこの差別問題は微妙なのかと思う。そう言う私だって彼等の中ではアジア系だったが、差別を受けた記憶はなかったのは単なる偶然だったのだろうか。