新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

英語の世界に20年以上も過ごして

2022-04-05 08:26:55 | コラム
英語の面白さと難しさを学んだ:

私はアメリカの会社では日本駐在マネージャーという形で勤めていたが、1年の3分の1はアメリカで過ごすようになっていたし、東京にいても業務上の言葉は英語が主体だった。そういう生活をしていると、以前は「解らない言葉に出会ったら、直ちに辞書を引いて調べるように」と他人様に言っていたことなど、自分自身が実行している余裕がなく「こういう場合にはこう言うのだ」であるとか「この場合にはこの言葉を使うのか」というように覚えておくしかなかった。

そこで回顧談のようになるが、そのようにして覚えた面白くもあり難しくもある表現を、幾つか取り上げて披露していこうと思う。

“hardheaded”
解説)「石頭」のことだが、語尾にedが付いているので形容詞の形。これを学んだのには次のような経緯があった。副社長に「どうもあの得意先の某氏は石頭で融通が利かずに難儀しています」と言いたい時に「石頭」を英語でどのように表現するのかが思いつかずに「エイヤッ」とばかりに“His stone headedness really bothers me.“と言ってしまった。それが副社長に受けて大笑いとなって「君が言いたいことは分かったが、それは英語では“hardheaded”と言うのだ」と教えられた。彼は更に「stone headedの方が英語よりも面白い」と付け加えたのだった。

ここで話は脱線するが、他のhardを使った面白い表現を挙げておこう。それはカタカナ語で「ヘルメット」となっているものは英語では“hard hat”と言われていて、簡単に言えば工事現場などでの作業用の保安帽というか安全帽のことなのである。野球で打者がかぶっているのは「ヘルメット」と言われているが、安全の為ならば「ハードハット」なのではないかなどと考えている。私はこのhardの使われ方に英語の難しさがあるように思えるのだ。

“folding umbrella”
解説)言うまでもなく「折りたたみ傘」のことだ。ところが、滅多に雨が降らないシアトルでこの傘のことを言おうと思ったら、口から出てきたのが“I don’t carry a portable umbrella.”だった。それを聞いた現地人に「ポータブルではない傘はないだろう。それを言いたいのだったらfolding umbrellaだ」と指摘されてしまった。軽率な誤りだった。ところが、英語では「携帯電話」はportable telephoneとはならずにmobileかcellular phoneとなっているのだ。他に面白いなと思った言い方に「折り畳み椅子」を“collapsible chair”とすること。これは「壊れる」という意味なのだ。

“en tous cas”
解説)このフランス語を見て「アンツーカー」と直ぐに分かる方はおられると思う。私に言わせて貰えば、ここにもカタカナ語の弊害(と言うのかな)が出ていると思う。そういう根拠は英語の“two”、即ち「2」は当然のように「ツー」と言われているし。そう表記されている。それだから、このフランス語のtousも「ツー」と表記されているのだ。ここでも話は本筋から外れるが、サッカーの日本代表の監督だったフランス人の名字は「トルシエ」と表記された。だが、彼はTroussierさんだったのだから、せめて「トウルシエ」としておけば良かったのだ。

このフランス語を英語にすれば“in every case”辺りになるようで、「如何なる天候の下でも使えるグラウンド」か“for any kind of weather”を意味しているようだ。と、ここまで述べてきて、英語の話から逸脱してしまったので、今回はここまでに止めよう。