ロシアになろうとソヴィエト連邦とは変わっていない:
今回のロシアによるウクライナ侵攻には色々と物思わせられることが多い。それらを思いつくままに取り上げていこうと思う。
ノルマ;
ロシア語である。広辞苑には「ソ連時代の制度で労働者が一定時間内に遂行すべきものとして割り当てられる労働の基準量」とある。だが、私は報道にはこれではあの誠に忌まわしきことだった「ソ連軍による我が同胞をシベリアに強制的に連行し抑留して、残虐な強制労働をさせた時に課した労働量の基準」についての言及がないと思う。ノルマ(norma)はロシア語であるが語源はラテン語のようだ。この「ノルマ」はあれ以降、何故か日本語に組み込まれて「ノルマ」は誰にも通用するようになってしまった。他にも帰国された方が持ち帰られた言葉に「ダモイ」=「帰国」というのもあった。
この「ノルマ」を無邪気に使っている現象を見て、当時は中学生だった私は「何でこんな言葉を使うのかな」と、何となく奇異の感を抱いていたものだった。私はそれほどこのシベリア抑留がソヴィエトという国の残虐さと暴虐ぶりを表していると、子供心にも感じていたのだった。ここで「なんでこんな言葉を使うのかな」に関連して脱線することをお許し願いたい。
それは、無名のスポーツ選手や芸人が俄にめきめきと売り出すことを「ブレークする」というようになった時のこと。故岡田眞澄が「何でそんな言葉を使うの。それ(break)は壊れるという意味なんだよ」と指摘したことだった。だが、このカタカナ語の「ブレークする」はその儘普及し続け、結果で定着してしまった。「ノルマ」はロシア語の意味から考えれば言葉の誤用ではないが、唯々諾々と定着させるべき言葉ではなかったとしか思えないのだ。因みに、ノルマを英語にすれば“quota”辺りになると思う。
ロシアに対する制裁:
昨日、岸田総理が記者会見されて、ロシアに対して新たに6項目の制裁を科すことを公表された。G7の一員である以上、同じような行動に出ることは当然のように思えるが、慎重な岸田総理は善くもあそこまで踏み切られたものだとの印象もあった。その制裁に関して確かPrime Newsに出演しておられた元駐ウクライナ大使と国連大使だった角茂樹氏が「報復されると負担が大きくなるような制裁ならば科さない方が」という意味の事を言われていた。現に産経新聞は早速その石炭の輸入禁止の跳ね返りを取り上げていた。私如きにはどうなることか分からないが「難しいものだな」と思わせられた。
これも制裁の範囲内だと思うが、ロシアをUNの人権委員会から追放する決を採ったところ、賛成が93ヶ国、反対がロシアはもとより中国やベトナム等を含めて24ヶ国もあり、棄権に至っては58ヶ国にも達していたと報じられていた。誰だったかジャーナリストが論じていたが、テレビや新聞の報道ばかりに依存していると世界は反ロシア一色の如きだが、現実には中国やインドのようにロシア支持を表明している国がある他に、20ヶ国以上もロシア寄りの国があったのだ。それでは制裁が何処まで効果を発揮するのかなと、少し不安に感じさせられた。
ロシアの残虐さ:
現在ではロシア兵なのかロシア人なのか知らないが、ウクライナの至る所で無辜の市民を虐殺していることが報道され、UNでも一斉に非難されている。ところが、ラブロフ外相を始めとしてロシアの幹部は真っ向から否定し、「フェイクだ」とまで言い出す始末だ。私に言わせて貰えば、彼ら(または後難を恐れずに言えば「白人」だが)が自己の非を正直に認めることなどあり得ないのだから、あの否定の論調はニュースでも何でもないとすら言いたくなるのだ。彼らの思考体系を認識してあれば、彼らの厚顔無恥であることと、彼らと我々との思考体系の相違点を指摘する報道が出来たのではないか。
彼らは証拠写真を突きつけられても平然として「フェイク」だというような頭脳というか精神構造なのである。そこを是非認識して置いて貰いたいのだ。ソヴィエトがシベリアで我が同胞に何をしたのかを想起して欲しいのだ。だが、現在のマスコミにあの時代のことを経験したというか、承知している人がどれほどいるのだろうか。伝聞で知らされただけでは、あの何ものにも例えようがない残虐さを思い出してロシア非難の報道はできないのではないのか。私は彼らが基本的に如何なる人種かを取り上げて報道して貰いたらとすら考えている。彼らの中立条約無視を忘れてはなるまい。