新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

9月1日 その2 現代風言葉遣いを斬る

2023-09-01 14:16:58 | コラム
時代が変わったのだと痛感:

近年は言葉の使い方が変わってしまったと痛感させられることが多い。私は余り好ましい現象だとは思っていない。そこで、今回は何がどのように変わってしまったかの例を思いつくままに幾つか取り上げてみよう。だが、その変化を追いかけてみると、細かいことを言っている自分が時代に遅れていると非難されそうだと懸念している次第だ。

最高!!:
昨夜のW杯バスケットボールの順位決定戦での我が代表の精神力というか執念の勝利を先ほどブログに取り上げたのだが、その勝利を「素晴らしい」とか「凄い」とか「何と形容したら良いか」のような表現は浮かんできたのだが、今時の人たちというかスポーツ選手たちが勝利した時の気持ちを表すか、テレビタレントどもが「素晴らしい」と言いたい時には必ずと言って良いほど叫ぶ「最高」には、全く思いが至らなかった。

私はただ単に「最高」と言っただけでは、具体的に何を表現したいのかが解らないと指摘する。もしかして「嬉しかった」のか「気分爽快」なのか「自分を褒めたい」のか「テイーム全体の凄さ」を言いたいのか「演技が素晴らしい」のか「歌唱力が抜群だった」等々が汲み取れないのだ。言い方を変えれば「表現力不足」であると同時に「何かを表現するに足るような語彙が備わっていないのか」の何れか、あるいは両方かと受け止めている。国語力の劣化ではないか。

これなどは「言葉は耳から入るのか、入れるのかが最も覚えやすい」と私は信じている良くもあり悪くもある例だ。だからこそ「英語を音読すれば、自分の声であっても頭と耳の中に残り記憶される」のである。「最高」などはテレビを見ていて人気タレントやプロ野球の有名選手が使えば、それなりの影響力があるので、「あの人が使った表現だから、自分でも」となるのだと推察している。子供たちには真似て欲しくない語彙だ。

~させて頂く:
これは思い起こせば、10数年前に流行りだした言い方で、当時「頂門の一針」の主宰者・渡部亮次郎氏が「イヤな物の言い方だ」と嫌悪感を示されたのが忘れられない。また某私立大学教授のKS氏が「二重敬語である」と指摘していた。この言い方は遍く普及してしまっているのが残念なのだ。私が特に困ったことだと感じていることは多くの大臣や国会議員たちが、有権者に阿っているのか、謙っているつもりなのか、多用する傾向があること。私は彼らの無教養さの証拠であると決めつけたい。

例えば「この度立候補させて頂きました何の某で御座います」と言いたがるのだ。有権者の前で謙って「謙虚な候補者だ」とでも印象づけたいのだろうが、私はこのような言い方は採らない。素直に「この度立候補致しました云々」で充分意のあるところは伝わると思う。罪なき有権者は「おらが村の先生は謙虚なお人柄だ」と尊敬して「我々も使わせて頂きたい言い方だ」となってしまうだろうと懸念している。

寄り添う:
近頃屡々聞こえてくる好みではないと言いたい言葉なのである。広辞苑には「ピッタリとそばへ寄る」としか出ていない。だが、現実には言わば拡大解釈されて「相手の気持ちになって考える」、「共感する」、「相手と自分の主張を同じにする」という意味に使われているようだ。「それならそうと、そう言えば良いではないか。元の意味を勝手に変えて格好をつけなさんな」と言いたくなってしまう。

何これ!?:
芸人たちや現代の若者は「何これ!」で「素晴らしい」か「非常に優れている」か「非常に良く出来ている」か「品質が高い」とか「とても美味である」に変えてしまっている。いや、代用していると決めつけて良いと思う。「最高」にも似ている表現力不足の言い方であると思う。キチンと具体的に表現して欲しいものだと、何時も残念に思っている。一種の感嘆詞なのだが、国語力不足の現れではないか。

ヘリ:
言うまでもないと思う「ヘリコプター」のこと。テレビでも新聞でも「ヘリコプター」と全部言うか書き記すことは希である。私はおかしな現象だと思う。新聞の場合には「ヘリコプター」では字数が多いので省略するのは解る。だが、テレビの場合に「ヘリコプター」と全部言ったところで「時間が押すか」ということ。何も短縮することなく普通に「ヘリコプター」と言っても良いのではと批判したい。因みに、アメリカでの略称は“chopper”で“heli”なんて言わない。

同様に現在W杯での我が代表の活躍で人気が盛り上がっている「バスケットボール」を「バスケ」とテレビでわざわざ短縮して言い表す必然性はないと思う。私は「アメフト」という言い方も気に入らないのだ。アメリカには「アメリカンフットボール」などないのだし、「フットボール」で良いじゃないかと言っておく。それは「アソシエーションフットボール」が「サッカー」、「ラグビーフットボール」が「ラグビー」で通用しているのだから、アメリカ式に「フットボール」で十分だと思うが如何か。


W杯順位決定戦でベネズエラに逆転で勝利した

2023-09-01 07:35:49 | コラム
我らが代表ティームの不撓不屈の精神に感動した:

今朝は他の話題を取り上げる予定だった。だが、昨夜に我が代表が順位決定戦の初戦でベネズエラを最後の最後でひっくり返して勝ったことが本当に素晴らしい事と感動させて貰えたので、この喜びを振り返ってみることにした。

「彼ら代表選手たちは偉い、立派な勝利だった」と、心から褒め称えねばなるまい。順位決定戦でアジアの第1位になれば、パリのオリンピックに出場できると聞かされていたので「何とかあの代表選手たちが出られるようになれば良いが」というだけの思いで観戦していた。そういうことだったので、勝敗の行方については何の予感も来ておらず、「勝ってくれ、勝てば良いが」との思いだけで観戦した。

アナウンサーはベネズエラには故障者が出ていて10人しかいないこと、NBA経験者もいないことを強調していた。それでも身長差はあったし、我が方はディフェンスでもオフェンスでもリーバウンドが取れていなかったし、不用意なターンノーバーを演じたし、スティールもされていたので、前半は5点の差を付けられて終わった。その間に何度も「今日は駄目か」と諦めかけたほど3ポイントが入らなかった。

ではあっても、アナウンサーは「後半に強いことをフィンランド戦で実証しているから、後半の逆転に期待しよう」と元気一杯だったので、希望を捨てずに見ていられた。それにしても、アナウンサーが「33歳の最年長」と何度も言った比江嶋愼の3ポイントを6本も決めた活躍というか勝利への執念と闘志には敬意を表したい。確かに彼の活躍は救世主的だった。

比江嶋愼は将に救世主と言えるほどの獅子奮迅の大活躍だった。恰もフィンランド戦での河村と富永の活躍の如くに、劣勢だった自分のティームを立て直して勝ちに持っていったのだった。これまでにバスケットボールはNBA、NCAAの試合をアメリカで見てきたし、東京では現在のBリーグの基になったbjリーグの試合も含めて数多く見てきた。だが、昨夜のような素晴らしい勝利への執念を見せた逆転劇を見たことはなかった。本当に感動的だった。

オリンピック出場権を確保するためには、明日のFIFAランキングが66位のカボベルデ(ポルトガル語表記でCabo Verde)に勝たねばならないのだ。36位の我が方が勝つだろうとの希望的観測が出るだろう。だが、昨日も誰だったか「ランキングが当てにならないことを立証しよう」と激励していた通りに17位のベネズエラに勝っていたし、フィンランドも上位の国だった。36位の我が方は油断することなどないとは思うが、下位の国を圧倒して勝つことに期待しよう。

偽らざる所を言えば、男子のバスケットボールでこれほど楽しませて貰え、興奮させられ、歓喜させて貰えるとは予想できていなかった。それほど素晴らしい試合振りだった。矢張り、女子を前回のオリンピックで2位に持っていったトム・ホーバス監督の指導能力を最大限評価すると同時に「有り難う御座いました」と未だ早いかも知れないが、感謝すべきだと思っている。