新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

日本学術会議の問題

2020-10-20 10:00:48 | コラム
菅首相が如何に裁いて行かれるのか:

昨19日には「報道1930」も「Prime News」も共にこの問題を採り上げて、後者には実際に外された教授も登場されるというので、如何なる展開になるのかと大いなる興味と関心を持って見ていた。いや、聞いていたという方が正確かも知れない。結果としては双方共に譲らず、何らの結論も出していなかったと思う。だが、菅内閣はこの件を採り上げた以上、この件で26日からの国会では学術会議側に肩入れしているマスコミの援軍を活かして、野党が攻め立てる(責め立てる?)だろう事は間違いないと思う。

両方の局での議論はかなり白熱していたし、特に珍しく(?)TBSに登場した橋下徹氏が弁護士と言うよりも市井の一般人的な感覚で攻め立てても、元副会長の先生は一切譲歩しなかったのも興味深い点だった。Prime Newsでも議論の進み方は同じで、学会を支持しない側から見れば何を言っても「糠に釘」というか「暖簾に腕押し」という感じで、議論は空回りしていただけだった。

両方を聞き終わった22時前には些か疲労感を覚えたほど、かなり緊張感を強いられる議論が展開されていた。私流の見解を述べれば「有学者論に負けず」だったとなる。この表現は勿論古くからの言い慣わしである「無学者論に負けず」のもじりだ。即ち、学術会議側は自己の主張を一切曲げずに相手側の細かい論旨の乱れというか、微細な欠陥と思わせる点を衝いて反論するのだった。換言すれば、如何なる指摘に対しても一切認めることなく、学術会議側の正当性と菅内閣の違法性を追求し理由を言えと主張するのだから、勝負がつく訳がないというか結論には至らなかった。

学術会議側もマスコミも「学問の自由を侵害する」と主張するのだが、これまでに櫻井よしこさんが週刊新潮で指摘されていたこととか、産経新聞などの論調を見ると「左傾というか中国寄りの姿勢」に問題があると見ての任命拒否のように見える。だが、既に指摘したことで、もしも左傾というか「中国寄り」というか「中国との交流」を問題としての拒否であると首相が明言されれば、中国からの反発はあるだろう。また、左傾が怪しからんと決めつければ、それこそ学問と思想・信条の自由の侵害と反発されてしまう気がする。

私は学術会議側は菅内閣の拒否の理由は先刻ご承知であり、「そういうのが理由であれば公開の場で言って見ろ。言える訳がないだろう」と高を括っているのではないかと疑っている。マスコミ側にしても同じ事で、何もかも承知していながら如何にも知らん振りをして採り上げて報道しているのだと見ている。その辺りが報道1930で元副会長先生が冷笑するような口調で橋下氏に「貴方は学術会議が何であるかご承知か」と突っ込んで、橋下氏が「知りませんが、貴方は政治が何であるかご承知か」と切り返されて「知らない」と渋面で答えた遣り取りに出ていたのが印象的だった。

私はこの辺りで「無学者論に負けず」じゃなかった「有学者論に負けず」だなと感じ始めたのだった。何れにせよ、ここから先は「菅首相は有学者とマスコミの連合軍との論戦を如何に裁ききられるか」にかかってくるのかと思っている。問題は相手は枝野や斉藤某女や小池某などよりは遙かに頭脳明晰で、堅固に理論武装している頑ななで「世間知らず」の相手だと見ているのだが。



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