新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

習近平の邪な野望は何時果てるのか

2020-05-29 09:55:12 | コラム
習近平は本気で世界制覇を企図しているのか:

嘗て、ウエアーハウザー本社の我が事業部に、州立大学のMBAの若手の精鋭がいた。彼は有能だったが、何をするのにも「我が道を行く」という仕事ぶりで、周囲との協調精神は極めて気迫だった。その仕事ぶりを渾名を付ける名手の女性も“Nothing interferes his schedule.”(「何者も彼の予定を遮る事は出来ない」とでも訳そうか)としか形容できずに、遂に渾名を付け得なかった。彼は結果として副社長の緊急の命令を聞かず、取りかかっていた課題を優先して問題を起こしたので、“You are fired.”となって去って行った。

何でこのような事を持ちだしたかと言えば、中国ではこの度の全人代で習近平は香港に適用する「国家安全法」を圧倒的な賛成多数で通してしまった有様を見て、私は「習近平の行く手を遮る何物もない」と改めて痛感した。それだけではなく、彼は一旦は香港の民主化勢力の鎮圧に失敗して赤恥をかき、トランプ大統領にも真っ向から批判される我慢ならない状態にあったと思う。だが、最早、天安門のような手法には出られない以上、如何なる手段で香港の制圧に出ていくのかと危惧していた。要するに、彼にとっては香港は許しがたい存在となっていたと思う。

専門家もマスコミも「次なる目標は台湾だ」などと言っている。私は習近平の横暴な野望はそんなちゃちなところで終わるとは到底考えられないのだ。現に「アメリカに太平洋を分け合って統治しよう」と持ちかけた実績があったではないか。私は何度も河添恵子さんが「中国は我が国を属国化する気だ」と言われた事を引用してきた。だが、習近平の計画はそこまでで終わると思ったら、誤りだとすら見ている。敢えて再度引用すれば、“Nothing interferes Xi’s schedule.”だと本気で憂いている。

であれば、この先に期待できる事は、トランプ大統領が「遠からぬ将来に発表する」と宣言されたアメリカの対中国というか「国家安全法」に対する措置である。私はよしんばトランプ大統領の対抗策が非常に厳しいものではなかったとしても、アメリカは習近平の邪な野望を許さない方向に動く事を予想するし、希望的にもそうあって欲しいと願っている。矢張り、今回も何時だったか専門家が言われた「トランプ大統領に再選を望んでいないのが習近平、望んでいるのが金正恩」というのを思い出した。何処かで習近平を“interfere”せねばなるまいと思う。では「誰が?」だ。




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