品格と発音の考察:
Native speaker並なら良いのか:
私は発音が綺麗で正確であればあるほど良いと思っているし、嘗ては「発音が良いのは七癖隠す」とまで言ったことがあった。言うなれば、発音が良ければ品格も上がるというもの。そこで、発音で留意すべき点は「正確で明瞭にしようと心がけること」がある。更に、「話す場合にはアクセントと抑揚(intonation)が正確であること、切るべき箇所(pause)を誤らないこと、連結音(liaison)が出来ているかが要注意」なのである。即ち、少し大袈裟に言えば、「ゼア・アー・ツー・サーテイワン・アイスクリーム・ショップス。」のような th やtwoの発音が出来ていなくとも、相手が聞き取りやすいように全てが明瞭であれば良いということだ。このカタカナ書きの例文は rーlinkingが出来ていないことをも示している。
また発音とは必ずしも綺麗なnative speaker並の発音にする(出来る)ことではなく、相手が聞き取りやすいように明瞭であること(あるアメリカ人はclarityという言葉で表現した)を意味するとご理解願いたい。アクセントの付け方も重要で、アメリカの英語ではQueen’s Englishよりもアクセントが強調されているので、言うなればリズム感がある。即ち、私はUK式の方が平板に流れているように聞こえると思っている。極端な表現だが、私は「我が国の英語の先生方に多く聞かれる例で、カタカナ語的というかローマ字の悪影響の下にある外国人離れした上記の例文のような「英語」であって、正統派ではないのだ」と言いたい。この“English”ではない発音からは、出来る限り離れるように努力された方が良い」とまで考えている。
さらにより具体的に言えば、同じEnglishでも英連合王国(UK)、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドにはそれぞれ独自の発音と訛りも方言もあるので、その中のどの国の英語の発音を選ぶかは、慎重に検討すべきだと言いたい。だが、我が国の学校教育だけで学んだ英語の知識では「どれがアメリカ式でどれがオーストラリア式かは、容易に判断出来ない」のが難しいところだ。私は少なくとも、所謂“London Cockney”とそれにも似たところがあるオーストラリアとニュージーランドの訛りは避けた方が無難だと言って良いと思っている。それはオーストラリアでは Australiaと書いて「オーストライリア」のように“a”の発音に特徴があるのだ。これまでに何度か例に挙げてきたが、UKのサッカーの名選手だった David Beckhamは自分の名前をDavidを「ダイヴィッド」と発音するのである。この訛りは決して上流階級のものではないが、オーストラリアでは閣僚級の方でもこういう訛りがあるので怖い。
私は全世界で最も広まっていると信じているアメリカ式の発音が良いだろうとは考えているのだ。だが、ヨーロッパでは地理的な条件もあってQueen’s Englishの発音が最も普及している。私はアメリカとの縁が最も深かったので、アメリカ式に準拠しているが、実際にはそれとUK式の中間になる発音にするように意識してきた。しかし、面白いことにこういう発音すると、オーストラリアやカナダ(実はUKの系統に属する)では「美しい英語だ」と褒められるのだ。
だが、私がアメリカ式の中で最もお薦めしないのが、ar、er、ir、or、ur等の“r”が絡んだ場合に舌を巻いて r を強調しないことだ。この発音はアメリカ国内の何処の出身かで違うが、シカゴ生まれのかのヒラリー・クリントンさんの発音では、この傾向が極めて顕著だったので、思い出して頂きたい。わたしは「この r絡みではQueen’s English式をお薦めしたい。その方がUKは言うに及ばす、ヨーロッパに行っても褒められるだろう」から。
アメリカかUKかの何れの発音を心がけるかは各人の選択にお任せするが、何れにせよキチンとした正確な発音が出来るようにしておきたいものだ。日本人には“I don’t know.”などのような場合に“t”の発音が難しくて「アイドンノー」ようになってしまう例が多い。私はこういう発音は品格に乏しい英語になってしまうと断じたい。何とか“t”のような微妙な発音が出来るように努力されたい。これが出来ないとアメリカでは「オリエンタル・アクセント」と揶揄する人もいるのだから。
貴方の英語の品格の落とし方:
屡々見かける例だが、英語の「会話」とやらの勉強を始める時に「“you know”という句(=phrase)を挟んではいけない」と教えられていない場合に生ずることだ。アメリカ人なり何なりの外国人の中に入って行くと、その人たちが属する階層によっては“you know”のシャワーを浴びせかけられることが多い。そこでは、その人物のお里が知れたと思うべきなのだ。品格のほどが解ってしまうと思って欲しい。要するに“you know”とは言わないのが良いと認識して貰いたいのだ。
これが何であるかを知らずにいると「何となく格好が良い」か「気取っているのか」と勘違いしてしまうことが多いようだ。そして、真似てしまう例を数多く見て(聞いて)来た。とんでもない誤解である。私はこれを「you knowを多用されることは、貴方が有能であることを証明しないのです。使えば有能ではないことになります」と解説してきた。そういうことで、先ず絶対に真似して使ってはならないことなのだ。
例文を作ってみれば“Yesterday, you know, I went to see my old friend at the Tokyo Dome, you know.”といった具合である。”you know”を言わなくても意味は通じるのだし、これが貴方は「私は知識階級ではありません」と自己申告したような結果になると知って貰いたい。また、my old friendも好ましくないのだ。ここでは”one of my old friends“と言わないと、貴方には旧友が一人しかいないことになるのだ。この辺りが英語の理屈っぽさだと承知して欲しい。
実は、私が1945年に初めてGHQの秘書の方に英語で話すことを教えて頂くようになった時に言われた心得のその1は「英語のままで考える。日本語に訳そうなどとしない」、「何か話そうとする時に先ず日本語でを考えてからそれを英訳しようとせずに、覚えている限りの英語を思い出してそれを使って話す」に加えて、
「何か表現が思いつかない時などには絶対に“you know”などと言ってはならない。精々“let me see“くらいにして、それが出てこなければエーでもアーも良い」と厳しく言われた。要するに”you know“を挟まないようにという教えだった。その頃には、この意味は解らなかったが、後年アメリカ人の世界に入って初めてその教訓の価値が解ってきた。
既に挙げたMBAの夫妻の奥方にこの教えのことを話した時に「その秘書の方の教えは素晴らしい」と言われた。他の例を挙げれば、やや後難を恐れるがMLB等から我が国にやってくるアメリカ人の選手たちが話すのを聞いて見てごらん。立派な“you know”な選手たちばかりだと解るから。
ここでは私を信じて、今日からでも如何にして自分が「有能」であるかを示すよう英語乃至はその会話の勉強に励んで頂きたい。
Native speaker並なら良いのか:
私は発音が綺麗で正確であればあるほど良いと思っているし、嘗ては「発音が良いのは七癖隠す」とまで言ったことがあった。言うなれば、発音が良ければ品格も上がるというもの。そこで、発音で留意すべき点は「正確で明瞭にしようと心がけること」がある。更に、「話す場合にはアクセントと抑揚(intonation)が正確であること、切るべき箇所(pause)を誤らないこと、連結音(liaison)が出来ているかが要注意」なのである。即ち、少し大袈裟に言えば、「ゼア・アー・ツー・サーテイワン・アイスクリーム・ショップス。」のような th やtwoの発音が出来ていなくとも、相手が聞き取りやすいように全てが明瞭であれば良いということだ。このカタカナ書きの例文は rーlinkingが出来ていないことをも示している。
また発音とは必ずしも綺麗なnative speaker並の発音にする(出来る)ことではなく、相手が聞き取りやすいように明瞭であること(あるアメリカ人はclarityという言葉で表現した)を意味するとご理解願いたい。アクセントの付け方も重要で、アメリカの英語ではQueen’s Englishよりもアクセントが強調されているので、言うなればリズム感がある。即ち、私はUK式の方が平板に流れているように聞こえると思っている。極端な表現だが、私は「我が国の英語の先生方に多く聞かれる例で、カタカナ語的というかローマ字の悪影響の下にある外国人離れした上記の例文のような「英語」であって、正統派ではないのだ」と言いたい。この“English”ではない発音からは、出来る限り離れるように努力された方が良い」とまで考えている。
さらにより具体的に言えば、同じEnglishでも英連合王国(UK)、アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドにはそれぞれ独自の発音と訛りも方言もあるので、その中のどの国の英語の発音を選ぶかは、慎重に検討すべきだと言いたい。だが、我が国の学校教育だけで学んだ英語の知識では「どれがアメリカ式でどれがオーストラリア式かは、容易に判断出来ない」のが難しいところだ。私は少なくとも、所謂“London Cockney”とそれにも似たところがあるオーストラリアとニュージーランドの訛りは避けた方が無難だと言って良いと思っている。それはオーストラリアでは Australiaと書いて「オーストライリア」のように“a”の発音に特徴があるのだ。これまでに何度か例に挙げてきたが、UKのサッカーの名選手だった David Beckhamは自分の名前をDavidを「ダイヴィッド」と発音するのである。この訛りは決して上流階級のものではないが、オーストラリアでは閣僚級の方でもこういう訛りがあるので怖い。
私は全世界で最も広まっていると信じているアメリカ式の発音が良いだろうとは考えているのだ。だが、ヨーロッパでは地理的な条件もあってQueen’s Englishの発音が最も普及している。私はアメリカとの縁が最も深かったので、アメリカ式に準拠しているが、実際にはそれとUK式の中間になる発音にするように意識してきた。しかし、面白いことにこういう発音すると、オーストラリアやカナダ(実はUKの系統に属する)では「美しい英語だ」と褒められるのだ。
だが、私がアメリカ式の中で最もお薦めしないのが、ar、er、ir、or、ur等の“r”が絡んだ場合に舌を巻いて r を強調しないことだ。この発音はアメリカ国内の何処の出身かで違うが、シカゴ生まれのかのヒラリー・クリントンさんの発音では、この傾向が極めて顕著だったので、思い出して頂きたい。わたしは「この r絡みではQueen’s English式をお薦めしたい。その方がUKは言うに及ばす、ヨーロッパに行っても褒められるだろう」から。
アメリカかUKかの何れの発音を心がけるかは各人の選択にお任せするが、何れにせよキチンとした正確な発音が出来るようにしておきたいものだ。日本人には“I don’t know.”などのような場合に“t”の発音が難しくて「アイドンノー」ようになってしまう例が多い。私はこういう発音は品格に乏しい英語になってしまうと断じたい。何とか“t”のような微妙な発音が出来るように努力されたい。これが出来ないとアメリカでは「オリエンタル・アクセント」と揶揄する人もいるのだから。
貴方の英語の品格の落とし方:
屡々見かける例だが、英語の「会話」とやらの勉強を始める時に「“you know”という句(=phrase)を挟んではいけない」と教えられていない場合に生ずることだ。アメリカ人なり何なりの外国人の中に入って行くと、その人たちが属する階層によっては“you know”のシャワーを浴びせかけられることが多い。そこでは、その人物のお里が知れたと思うべきなのだ。品格のほどが解ってしまうと思って欲しい。要するに“you know”とは言わないのが良いと認識して貰いたいのだ。
これが何であるかを知らずにいると「何となく格好が良い」か「気取っているのか」と勘違いしてしまうことが多いようだ。そして、真似てしまう例を数多く見て(聞いて)来た。とんでもない誤解である。私はこれを「you knowを多用されることは、貴方が有能であることを証明しないのです。使えば有能ではないことになります」と解説してきた。そういうことで、先ず絶対に真似して使ってはならないことなのだ。
例文を作ってみれば“Yesterday, you know, I went to see my old friend at the Tokyo Dome, you know.”といった具合である。”you know”を言わなくても意味は通じるのだし、これが貴方は「私は知識階級ではありません」と自己申告したような結果になると知って貰いたい。また、my old friendも好ましくないのだ。ここでは”one of my old friends“と言わないと、貴方には旧友が一人しかいないことになるのだ。この辺りが英語の理屈っぽさだと承知して欲しい。
実は、私が1945年に初めてGHQの秘書の方に英語で話すことを教えて頂くようになった時に言われた心得のその1は「英語のままで考える。日本語に訳そうなどとしない」、「何か話そうとする時に先ず日本語でを考えてからそれを英訳しようとせずに、覚えている限りの英語を思い出してそれを使って話す」に加えて、
「何か表現が思いつかない時などには絶対に“you know”などと言ってはならない。精々“let me see“くらいにして、それが出てこなければエーでもアーも良い」と厳しく言われた。要するに”you know“を挟まないようにという教えだった。その頃には、この意味は解らなかったが、後年アメリカ人の世界に入って初めてその教訓の価値が解ってきた。
既に挙げたMBAの夫妻の奥方にこの教えのことを話した時に「その秘書の方の教えは素晴らしい」と言われた。他の例を挙げれば、やや後難を恐れるがMLB等から我が国にやってくるアメリカ人の選手たちが話すのを聞いて見てごらん。立派な“you know”な選手たちばかりだと解るから。
ここでは私を信じて、今日からでも如何にして自分が「有能」であるかを示すよう英語乃至はその会話の勉強に励んで頂きたい。
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