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人権侵害と引き換えに安全を選ぶアメリカ

2007-09-03 | ラジオ
アメリカのブッシュ大統領はC.I.Aなど特務機関が、裁判所の承認なしにテ
ロリストと連絡を取っている疑いのある外国人の電話を盗聴したり、また
メールを開封したりするのを半年の間、許可する法案に署名した。
これに先立ちこの法案は、すでにアメリカ議会上下両院によって承認され
ている。

これに付いてロシアの声の政治評論委員は、次のようにコメントしている。
テロリストとの戦いは勿論、崇高で神聖なものと言える事業だ。
恐らく誰もこのことに反対する人は居ないだろう。
このことに付いて我々が抽象的に話している場合は、そうだと思う。
しかしアメリカの特務機関が、この法的基盤の上に立って、貴方の電話を
盗聴したり、またメールを盗み見たりすることを良しとする人は少ないと思
う。
例えば貴方が国外へ電話するとした場合、テロリストと連絡を取っていると
いう疑いというものは、論理上誰にでもかけられるから、その電話は盗聴さ
れてしまうのだ。

アメリカでそうした法案が採択されたということは、テロリズムとの戦いの為
には、アメリカはそれがたとえ民主主義の基本を、許すべからざる方法で犯
すものであったとしても、いかなる犠牲をも払う用意があるということを世界に
示している。
おまけにブッシュ政権の人々は、新しい法律はアメリカ市民を対象とはして
いないとしているが、これは狡猾という他はない。
外国人はそんなに褒められない連中とばかり電話で話したり、メールのやり
取りをしているのだろうか。

民主党のリード上院議員は、この件は令状無しに家や(?)、個人のアーカイブ
を捜索するところまで、発展していくかも知れないと見ているが、こうしたこと
はすでに事実としてあった。と指摘している。

2001年9月11日の同時多発テロの直ぐ後、ブッシュ大統領はかつてテロリス
ト追跡プログラムを造ったが、このプログラムは戦争のときのように電話の盗
聴メールの開封、さらにテロリズムに関与した疑いのある、アメリカ人の家の
捜索を許可するものだった。
アメリカの一連の裁判所では当時こうした行為に付いて、アメリカ人の個人的
な生活を犯す、反憲法的なものとの判断が下されている。
もちろんどの様に、またどの様な方法で合法的なやり方か、或いは国際法や
広く受けいられている規範から見て、あまり法律に叶ったものとは言えないや
り方で、テロリズムの脅威とどのように戦うのか、それを決めるのはアメリカ自
身だ。

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しかしアメリカがアメリカの市民とコンタクトを持っている、接触している全ての外
国人の権利を侵す熱心な心積もりがあることは、事実として現に今も確かだ。
もしそうしたいわゆる盗聴法、メール開封法がアメリカ以外の国で採択されたと
したらどうだろうか。
アメリカ当局は、どういったふうに反応するだろうか。
大変な騒ぎになり、民主主義そして基本的な人権や自由の侵害だとして、轟々
たる非難の嵐が巻き起こるのではないだろうか。

(?)は聴き取れず

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8月7日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル