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ロシアとNATOの関係改善

2011-01-07 | ラジオ
今年2010年はロシアとNATOとの関係の安定に向けた1年となった。ロシアのドミロゴジン・NATO大使は、グルジアによる南オセチア侵攻が行われた、2008年以来冷却化していた、ロシアとNATOの関係は今年、大きく改善されたとの評価を与えている。

新たな関係の基礎は2009年末築かれていたが、今年その基礎がさらに強化されることとなった。
ロシアはNATOとの間に安定した予測可能な関係を築きたい意向だ。ロゴジン大使はこれについて、ロシアはどんな相手と関係を持っているのか、西側からの安全に不安を抱かずにいられるのかについて知りたいと考えていると述べた。

NATOは今年ラスムセン新事務総長の指導の下で、ロシア政府指導部との間で信頼関係を築いていくとの方針に取り組んだ。
一方でNATO事務総長のロシア訪問、そしてメドヴェージェフ大統領およびプーチン首相との会談は、両者の間に意見の対立がまだまだ残されていることを露呈した。

現在NATOは新たな戦略概念の採択を目前に控えている。NATOの新戦略概念は今後10年以上にわたって採用されるNATOの憲法のようなものだ。
NATOはこの新戦略概念の採択に向けて、ロシアに対する見解でNATO内の一致を図りたい考えだ。
しかしこれは沿バルト諸国や東欧諸国の否定的な立場を考慮すれば容易なことではない。
最近民間の内部告発サイト・ウィキリークスが公表した、ポーランドと沿バルト諸国のロシアからの防衛に関する、NATOの計画に関するスキャンダルはそうした国々が、NATOとロシアとの対話に強固に反対していることを物語っている。

しかしロゴジン大使は、最近リスボンで開催されたNATOサミットで、メドヴェージェフ大統領の参加が受け入れられたことは、ロシアとNATOのパートナー関係の発展と、信頼醸成に向けたプロセスにおける大きな進展だと指摘している。
「サミットは肯定的な結果を生んだ。ヨーロッパにおけるミサイル防衛といった複雑な問題を含む、複数の問題をめぐる協力の方向性を定めた貴重な声明が採択された」
ロゴジン氏は、このように語っている。

またロゴジン氏はロシアはいかなる政治機構にも幻想を抱いていない。ロシアにとってあらゆる軍事ブロックは潜在的な危険を持つもの。何故ならその軍事力は何らかの条件下で、ロシアの利益を損ねるために用いられるかもしれないからだと指摘している。
だからこそロシアは危険や予測不能な事態から自国を守るため、世界の主要な軍事政治機構との協力拡大を積極的に進めているのだ。
ロゴジン大使は両者が得た良い結果について、今、ロシアもNATOもそれぞれの関係を前もって計画していくことが出来る点だと指摘している。
「NATOや西側諸国全体を含めた、これらの関係が多くなればなる程、ロシアにとっては良い状態となる。
何故なら協力の幅が広がれば広がる程、反ロシア的な人々にとっての障害となるからだ。我々の課題はNATOがロシアを重要視することだ。
こうした視点から見て今年は成果があった。NATOとの対話に関しては、飛躍的な成果が見られた」
ロゴジンNATO大使は、このように発言している。

ロシアはNATOがロシアとの関係において、より重みのある団結した善隣的立場を持つよう期待している。この様な変化はヨーロッパ共同の新たなMDシステムに、ロシアとNATOがどのような形で参加するのか。この決定によって示されるだろう。

2010年12月28日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル