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中国、アメリカに防空識別圏の尊重を図る(1)

2013-12-08 | ラジオ
アメリカは防空識別圏に関して中国のあまりにも強硬な立場に突き当たり、危ぶんで、これに正面切った挑戦を投げかけようとはしなかった。
バイデン副大統領の中国訪問は、これを示す結果となっている。中国が東シナ海に導入したは防空識別圏は今日、米中関係を最も苛立たせる要因となっており、ロシアの声の予測どおり、バイデン副大統領と中国指導部との会談では、これが議題の中心となった。バイデン副大統領は中国の防空識別圏導入に対する、アメリカ大統領府の激しい不満を伝えた。これに対して習近平国家主席は原則的な立場を強固に示した。それは、この決定は国際法の基準に遵守したもので、国際的な実践に矛盾してはいないというものだった。

中国訪問前にバイデン副大統領は日本に滞在しており、そのなかで、日中が尖閣諸島。中国名・釣魚島をめぐって論争を展開している地域に、こうしたゾーンを設けたことは挑発的であると発言していた。
これに対して中国はアメリカが誤った、一方的な声明を出すのであれば、緊張緩和は実現しないと深刻な警告を発している。結果としてバイデン副大統領は、この係争地域が、どこに所属するものであるかという声明を出すことを控え、日本の望むように振舞うこともせず、中国に防空識別圏を取り下げるよう要請もしなかった。

ロシアのアメリカ・カナダ研究所のパーヴェル・ゾロタリョフ副所長は、バイデン副大統領の言動は極めて慎重な、また抑制の効いたものであったとして、次のように話している。
「バイデン氏は恐らく、かなり理性的にふるまった、そういってよいと思う。最終的にはこの意見の相違は日中間のものだからだ。バイデン副大統領は自国の同盟国には支援を示したが、一定の境界線を越えることはなかった。全体として米中関係はそんなに簡単なものではない。ある意味では、この地域における中国の軍事力は増大し、自国の利益に基づいた政策を行おうという意欲が高まっている。一方でアメリカも、この地域で自国の力と影響を投写する可能性を、維持しなければならないという声明を必死で実現化しようとしているのだ」
副所長は、このように指摘している。

中国、アメリカに防空識別圏の尊重を図る(2)へ続く

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12月6日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル