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金正恩 チャン・ソンテクを更迭

2013-12-11 | ラジオ
韓国メディアでは、北朝鮮指導部における重要な変化が報じられている。金正恩の叔母の夫で、ここ2年間、金正恩の政権基盤強化に役割を果たしてきたチャン・ソンテクが更迭されたというのだ。
チャン・ソンテクの更迭はまだ確実な裏づけがないものの、真実性は高いものだ。というのも今年春以降、公式の場に姿を見せることが格段に少なくなっていたからだ。

世界史において、外戚という立場が非常に強いことは示されている。それと共に、その立場は危険かつ困難なものであることも確かだ。若い君主が政権、権力の味をしめるとともに、年老いる外戚は徐々に邪魔な存在となってくるからだ。
賢明な外戚であれば、それをよく理解し上手く立ち回るものだ。上手くいけば名誉ある地位を占めながら、豊かな老後が送れる、というわけだ。ただ歴史の教訓が教えてくれる通り、外戚というのはしばしば虚栄心に突き動かされ、引き際を誤っている。結果として君主に排除されることとなる。

金正恩が指導者に就いたのは突然の出来事だった。金正日は恐らく、まだまだ生きるつもりだっただろうし、金正恩を教育することもまだ間に合うと考えていただろう。しかし2011年12月、死は突然訪れることとなった。
絶対権力を握ったはずだった金正恩は、先代からの側近たちに囲まれていることを悟った。側近たちはかなりの高齢で、世界観もまったく違っている人々だった。儒教の伝統もある北朝鮮という国で、このような状況は全くもって肩身の狭いことだろう。
自ら国を統治するためには、先代からの側近たちを廃し、自分が信頼する人々を代わりに登用しなくてはならない。そうして初めて、自らの政治路線を実現することができるのだ。

側近排除の動きは、すでに昨年春から夏にかけて動き始めていた。最初に標的となったのは軍だった。2012年7月、金正日が死の直前に任命していたリ・ヨンホ将軍が消えてしまった。また影響力ある数人の将軍が同じく表舞台から消えていった。
この頃から、次の標的は党幹部になると見られていたが、チャン・ソンテクは、その最初の餌食になったようだ。恐らく今後も世代交代が続いていくだろう。3、4年後の集合写真には恐らく馴染みの顔はひとつも見当たらないことだろう。
しかしこれは、金正恩が実権を掌握するためには必要なことだ。具体的に彼が、どのような政策を実現しようとしているかはまだ分からないが、それを実現するには、新しい人材が必要なのだ。

金正恩の北朝鮮 激変する人民ライフと権力の内幕 (別冊宝島 1984 ノンフィクション)
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宝島社


12月4日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル