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中国設定の防空識別圏が持つリスク(2)

2013-12-16 | ラジオ
日本との軍事対立が、必然的にアメリカとの軍事対立を引き起こすこだろうことは明白であり、これは中国の利益には合致しない。日本の軍事力は、それほど大きなものではないが、技術的および個人の訓練度といった観点から観れば、世界的に見ても一流だ。
東シナ海は近くに日本とアメリカの基地があり、その点、両国にとってはかなり有利だ。一方、中国が自国の優位性を示したり、領有権を確認したりするため、 局地的な軍事的デモンストレーション行動をとるのは難しいとおもわれる。大規模な軍事作戦など行えば、その結果は極めて大きく予想のつかないものになる。

恐らく状況の進展の最も有り得るパターンは、中国が問題の空域に自国の戦闘機を派遣し、そこに進入する外国軍機に示威的にデモンストレーションとし接近し、並んで飛行するというものだろう。武器は使用しないが、危険な事態が生じる可能性もある。
遅かれ早かれ、そうした機動作戦が、2001年に南シナ海、海南島沖でアメリカの電子偵察機EP-3と中国の戦闘機が衝突したような、望ましくない出来事を引き起こすかもしれない。
現在の日中および米中関係の雰囲気から言って、衝突、とりわけ、その際に犠牲者が出たりすれば、深刻な外交的な危機を呼び起こすだろう。おそらく中国は日本政府を遅かれ早かれ、絶えず心理戦が続くなか、心理的な緊張が続く事態に疲れ果て、島を巡る領土問題が存在すると言う事実を認めると期待しているようだ。

日本に対する中国の行動は、日本政府が政治的に弱体で人気がなく、しばしば或いは両方であるという認識に立っている。中国は政治的なイニシアチブは自分達にある、もし自分たちがそうしたほうが良いと考えた場合には、自分達が紛争のエスカレートを制御できると確信している。
ただ今のところできるのか、中国は島を巡って始まっている新しい心理戦を、どう行ってゆくだろうか、それを推測だけだ。 しかし、この心理戦に如何に勝利し得るのか、明白なプランがないのなら、中国が防空識別圏設置プランを思いつくことなど、なかったという事は明らかなようにも思う。

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11月29日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル