国際的な武器取引に関する国連のデータによると、トルコは今年の6月からだけでも、シリアの反政府勢力に対して、47トンもの武器を供給した。
一方トルコ当局は、シリアに供給したのは猟銃や散弾銃であって、戦争用、戦闘用のものではないと強調している。
つい最近、トルコのコンヤで、3人の男性が拘束されたが、彼らは爆発物製造に利用する250キロもの化学物質を隠し持っていた。3人は自分達はテロを決して準備していたのではない。持っていた物質は下着洗濯用のものだと説明したが、その後尋問の中で実は、それらはシリアに送るためのものであったと白状した。
今年1年間トルコでは、シリアへの武器の密輸容疑で25人が捕まっている。
これまでトルコは自国領内を通って、イスラム過激派が自由にシリア領内に入るのを黙認してきた。
国際新興国家研究所・中東カフカスセンターのスタニスラフ・タラソフ・センター長は、いわゆるシリアの友人達会合という枠内でのフォーマットが崩壊した後、トルコは自国の国境付近でシリアとの、1対1の軍事衝突が起きる問題を抱えた国となっていると指摘し、次のように続けた。
「トルコは、プロセスの道筋に沿って進んでいた。民主主義の使徒として、民主主義の代表として行動しシリアの全体主義体制打倒を求めながら、まずは先頭を進んだのです。その後、自分達がもっとも最後にいる事が分かり、最後の最後になってトルコは、政治のプロセスから放り出されてしまいました」
センター長は、このよに指摘している。
一方、紛争のエスカレート化は、トルコ自体も不安定化する恐れがあると、センター長は考えている。
「軍事衝突が、直接トルコ国境に接した地域で生じています。おまけに国境地域は時々、大砲や迫撃砲による攻撃に晒されているのです。かつてトルコ当局は、この件についてシリア政府を非難していましたが、今では皆、イスラム過激派グループが自分達の戦線を拡大し、トルコを軍事衝突に巻き込もうと試みているのだと分かっています。その目的は、トルコ軍がシリア領内に侵攻を開始するようにすることなのです」
センター長は、このように述べている。
ロシア科学アカデミー・国際経済国際関係研究所のヴィクトル・ナデイン-ラエフスキイ教授は、こうした意見とともに反政府蜂起勢力、特にイスラム過激派への援助は、そのスポンサーにプラスをもたらさないだろう。そう確信している。
「供給に関して言えば、私たちが目にしているのは氷山の一角に過ぎません。もちろん、そうした供給は、はるかにスケールの大きなものでした。トルコが狩猟用に、狩のために供給した散弾銃など、まるでおとぎ話です。なぜならシリアでの狩の獲物といえば、それは政敵だけだからです。しかしシリア国内紛争への干渉は、トルコ国内のアラウィ派のような、それまでその姿を現さなかったような、トルコ国内の政治勢力を目覚めさせてしまいました。
トルコ当局が、シリアの反政府蜂起勢力に援助を続けることは、トルコ自体にとっても極めて重大な危険をもたらすでしょう。
シリアの在野武装勢力や、その一部であるイスラム過激派グループは、トルコ領内で傍若無人に行動しています。国境沿い地域での強盗や暴力行為は、もう日常茶飯事のことなのです。
そうした事件が国境付近だけでなく、トルコの、さらに多くの地域にも広がっています。トルコ政府側からのシリア反政府勢力へのどんな援助も、トルコ自体の不安定化に作用するといった状況が形成されてしまっており、その危険性は大変深刻になっている」
教授は、このように述べている。
このようにトルコ政府は、シリアの過激派を援助することで、自らの国土にも、ゆっくりと作動する、まるで地雷を仕掛けているように思われます。それらはシリア紛争の政治的な解決が進んで初めて無害化できるものだ。
しかしシリアの在野勢力とりわけ過激派は、そうしたことには全く聞く耳を持たないのです。
12月20日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル
一方トルコ当局は、シリアに供給したのは猟銃や散弾銃であって、戦争用、戦闘用のものではないと強調している。
つい最近、トルコのコンヤで、3人の男性が拘束されたが、彼らは爆発物製造に利用する250キロもの化学物質を隠し持っていた。3人は自分達はテロを決して準備していたのではない。持っていた物質は下着洗濯用のものだと説明したが、その後尋問の中で実は、それらはシリアに送るためのものであったと白状した。
今年1年間トルコでは、シリアへの武器の密輸容疑で25人が捕まっている。
これまでトルコは自国領内を通って、イスラム過激派が自由にシリア領内に入るのを黙認してきた。
国際新興国家研究所・中東カフカスセンターのスタニスラフ・タラソフ・センター長は、いわゆるシリアの友人達会合という枠内でのフォーマットが崩壊した後、トルコは自国の国境付近でシリアとの、1対1の軍事衝突が起きる問題を抱えた国となっていると指摘し、次のように続けた。
「トルコは、プロセスの道筋に沿って進んでいた。民主主義の使徒として、民主主義の代表として行動しシリアの全体主義体制打倒を求めながら、まずは先頭を進んだのです。その後、自分達がもっとも最後にいる事が分かり、最後の最後になってトルコは、政治のプロセスから放り出されてしまいました」
センター長は、このよに指摘している。
一方、紛争のエスカレート化は、トルコ自体も不安定化する恐れがあると、センター長は考えている。
「軍事衝突が、直接トルコ国境に接した地域で生じています。おまけに国境地域は時々、大砲や迫撃砲による攻撃に晒されているのです。かつてトルコ当局は、この件についてシリア政府を非難していましたが、今では皆、イスラム過激派グループが自分達の戦線を拡大し、トルコを軍事衝突に巻き込もうと試みているのだと分かっています。その目的は、トルコ軍がシリア領内に侵攻を開始するようにすることなのです」
センター長は、このように述べている。
ロシア科学アカデミー・国際経済国際関係研究所のヴィクトル・ナデイン-ラエフスキイ教授は、こうした意見とともに反政府蜂起勢力、特にイスラム過激派への援助は、そのスポンサーにプラスをもたらさないだろう。そう確信している。
「供給に関して言えば、私たちが目にしているのは氷山の一角に過ぎません。もちろん、そうした供給は、はるかにスケールの大きなものでした。トルコが狩猟用に、狩のために供給した散弾銃など、まるでおとぎ話です。なぜならシリアでの狩の獲物といえば、それは政敵だけだからです。しかしシリア国内紛争への干渉は、トルコ国内のアラウィ派のような、それまでその姿を現さなかったような、トルコ国内の政治勢力を目覚めさせてしまいました。
トルコ当局が、シリアの反政府蜂起勢力に援助を続けることは、トルコ自体にとっても極めて重大な危険をもたらすでしょう。
シリアの在野武装勢力や、その一部であるイスラム過激派グループは、トルコ領内で傍若無人に行動しています。国境沿い地域での強盗や暴力行為は、もう日常茶飯事のことなのです。
そうした事件が国境付近だけでなく、トルコの、さらに多くの地域にも広がっています。トルコ政府側からのシリア反政府勢力へのどんな援助も、トルコ自体の不安定化に作用するといった状況が形成されてしまっており、その危険性は大変深刻になっている」
教授は、このように述べている。
このようにトルコ政府は、シリアの過激派を援助することで、自らの国土にも、ゆっくりと作動する、まるで地雷を仕掛けているように思われます。それらはシリア紛争の政治的な解決が進んで初めて無害化できるものだ。
しかしシリアの在野勢力とりわけ過激派は、そうしたことには全く聞く耳を持たないのです。
きみにもできる国際交流〈7〉トルコ・シリア | |
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12月20日放送 ロシアの声・ラジオジャーナル