中国、アメリカに防空識別圏の尊重を図る(2)

アメリカは中国の防空識別圏を認めていない。ホワイトハウスのカルニ報道官の声明にあるように、連邦航空局は中国側からパイロットらに入った通達について、航空会社に対して何の指示も行わなかった。
その一方でカルニ報道官は、商業用の航空機に乗る乗客の安全確保のために、中国のこのゾーンを通る民間機に対し、一切の通知を行っていない。
アメリカの航空会社らは、こうした要求に沿って行動することを明らかにしている。現在、世界19カ国の５５の航空会社が、この中国の要求に従うことを迫られている。

ロシア地政学問題アカデミーの専門家、コンスタンチン・シヴコフ氏は、中国の防空識別圏決定に対して、結果を引き出せるようなツールをアメリカは手にしていないとして、次のように語っている。
「アメリカは何の手出しも出来ない。中国にいったい何が言えるというのか。ゾーンを取り除けとでも言うのだろうか。中国はこれを拒絶し、市場に1兆ドルを越すアメリカの国債を放出するだろう。そうなればドルはもう終わりだ。
もうアメリカが中国に対して貿易戦争を布告するならば、中国はアメリカが必要としている資源や商品を他の地域へさっさと回してしまい、アメリカは深刻な事態に見舞われてしまうだろう。中国には軍事的戦略的な圧力をかけることも出来ない。
中国はすでにアメリカに堂々と答えることができるのだ。唯一、アメリカが中国に対抗できるものといえば、それは核の脅威だ。中国には、アメリカに相応の報復を行うに足るだけの数の大陸間弾道ミサイルはないのだ」
専門家は、このように強調している。

アメリカ副大統領の中国訪問では、両国関係は国際政治のなかで、主要な鍵を握っているという重大事項が文書で確認された。これに関して李首相はアメリカに対して、経済協力の規模拡大とレベルの引き上げのために新たな将来性を開くよう呼びかけた。
このために、特に中国へのハイテク製品輸出制限の撤廃を図る効力のある措置をとり、環境に優しいエネルギー燃料の開発協力を強化することが望まれた。
バイデン副大統領は、中国のイニシアチブを考慮に入れることを約束した。特に投資合意についての交渉を実施することに賛成し、中国企業および投資家に対して、アメリカ市場への同等の参入条件を創り出す構えを表した。

※ベテラン男性アナウンサーの「核」のアクセントが間違っている

	中国に立ち向かう日本、つき従う韓国
	クリエーター情報なし
	日経BP社

12月6日放送　ロシアの声・ラジオジャーナル