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リスタートのブログ

住宅関連の文章を載せていましたが、メーカーとの付き合いがなくなったのでオヤジのひとり言に内容を変えました。

楽園

2011-01-22 15:15:43 | オヤジの日記
いま宮部みゆきの「楽園」というミステリーを図書館で借りて、読んでいる。

宮部みゆきの本は、「我らが隣人の犯罪」から読み始め、トータルで30冊以上読んでいると思う。

どこにでもいそうな人が起こす悲惨な犯罪や小さな犯罪が徐々に大きくなっていくもの。
人情もの、時代物、社会派に分類されるもの、SF、超能力を扱ったもの、そして読むのが辛くなる程やりきれない連続殺人。

どれもが、何かしらのテーマを明確に持っているが、それだけにとどまらず、テーマの影に隠された伏線も重要だから、読んでいて油断できないのである。

「模倣犯」は、大作であり、問題作であった。
あまりにも重いテーマに、私は途中読むのを諦めたのだが、時間をおいて最初から読み直してみると、重々しい中に粛々と浸透する人間の「業」のようなものが、少しずつ感覚として捉えることができるようになると、読むのが止められなくなった。

とてつもなく重いテーマだが、目をそむけてはいけない壊れかけた人間の生き様。
「模倣犯」は、それを怖いほど表現していた物語だったと思う。

そして、この「楽園」は、その「模倣犯」に深く関わった主人公が登場して、異質な能力を持った少年(すでに死亡している)の残した絵を検証するところから、物語は進行する。

「模倣犯」の続編が「超能力」なのである。

あまりの対照的なテーマに、最初は面食らうが、読んでいくと、宮部みゆきの物語作りのうまさに踊らされ、これもやはり読むのが止められなくなった。

いま、下巻を百ページほど読み進んだところだ。

ここまででも、充分に物語を堪能しているのだが、いくつかの伏線が交差して、最後にどのような結末が待っているのか。

一気に読みたいところだ。

しかし、今日の午後、ドラッグストアのチラシの仕事が入ったので、しばらく読書はお預けだ。

続きは気になるが、もちろんお仕事優先。

あと丸二日は読書はお預けになるが、二日のブランクをあけた方が、さらに楽しく読めるような気もする。

宮部みゆきの作品は、そういうものである。