今週出かけた試飲会からのピックアップをもうひとつ。
CELLARS 33 Rose of Pinot Noir 2020
セラーズ33 ロゼ・オブ・ピノ・ノワール(USA, CA, AVA Sonoma Mountain)
「セラーズ33」が生産者名です。
サンフランシスコ市内にクリーンで大きな醸造所がある都市型ワイナリーで、オーガニック、自然農法、サステーナブルで栽培された来たカリフォルニア各地の厳選ブドウを使用し、ワインを造っているそうです。
このワインは、AVAソノマ・マウンテンのピノ・ノワールを100%使ったロゼで、年間生産量はわずか300ケース。
ロゼ好きなので、試飲会では常にロゼワインに目が行きます。
このロゼも目についたので、早速飲んでみると…
想像していた味わいとまったく違う!
ピノ・ノワール100%のロゼなので、チャーミングな果実味のかわいらしいロゼワインを想像しましたが、複雑なうまみがあり、飲みごたえ、満足感がありました。
フレッシュというよりは、凝縮感があり、滋味で、しかも官能的。
酸の支えがバランスを取ります。
これはうまい!
ボトルを抱えて飲みたくなりました(笑)
「セラーズ33」って面白い名前だなぁと覆ったら、ワイナリーのある通りの番地が33rd streetなので、これに由来しているみたいですね。
表のエチケットにはサンフランシスコのゴールデンゲートブリッジが描かれ、サンフランシスコのお土産ワイン的な印象を受けますが、素晴らしいワインでした。
※輸入元:エフセラーズ 上代:5,060円(税込み)
近年は、甕ワイン(クヴェヴリ)でブレイクしたジョージアのオレンジワインをキッカケに、さまざまな国、産地の「オレンジワイン」が人気を博しています。
試飲会でも、オレンジワインはとても人気で、来場者が群がっています。
ということは、オレンジワインなら何でも売れるってこと?
ジョージアの伝統製法では、甕の中で白ブドウを果皮ごと漬け込み、発酵させることで色が付きます。
できたワインの色が透明感ある白ワインとは違い、オレンジ色がかっていたので、「オレンジワイン」と呼ばれるようになったわけです。
いま、各生産地でつくられているオレンジワインは、甕を使っているとは限らず、タンクで漬け込む場合もあるでしょう。
このつくり方を黒ブドウに当てはめた場合、果皮を漬け込む時間やタイミング次第で、さまざまな色調の「ロゼワイン」になりそうですよね。
日本のワイン市場では、今もなおロゼワインの扱われ方が軽いのが残念です。
流行にすぐに飛びつく日本人は、オレンジワインというだけで崇拝する人もいるようですが、色だけを得るために安易なつくり方をしているなんちゃってオレンジワインと、ていねいにつくられ、思わず「ああ、おいしい!」と言葉が出てくるロゼワインが並んでいたら、名前だけでオレンジワインを手に取る人は多いでしょうか。
「オレンジ」に盲目気になると、残念な思いをするかもしれません。