ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

2021年の初晩酌は会津の酒「末廣 伝承山廃純米酒」

2021-01-04 21:34:35 | ワイン&酒

年末年始はアルコールを飲む機会が多いと思います。

特に今回は、外ではなく自宅で飲む人が多いでしょうか。

いつものお気に入りを楽しむもよし、せっかくだから少し贅沢なものや、ちょっと気になっているものを選ぶ場合もありますよね。

 

私は、秋の会津フェアで買った中から「末廣 伝承山廃純米酒」を今年初の晩酌に選びました。

 

末廣 伝承山廃純米酒  (福島県会津若松市)  720ml

 

過日に飲んだカップ酒「末廣 DR.野口カップ」末廣酒造の山廃純米酒です。

野口カップが気に入ったので、こちらも期待できそうです。

 

 

「世界燗酒コンテスト KAN SAKE AWARD 2020 金賞」というボトルネックが付いていました。

ということは、お燗でおいしく飲める酒なんですね。

 

 

 

精米歩合は60%、アルコール度数は15度。

イチオシの温度帯は、ぬる燗(25~40℃)とあつ燗(40~55℃)で、冷やしすぎない(0~5℃)以外なら、冷や/常温(5~10℃/10~25℃)でも楽しめるみたいです。

 

例によって、温度を変えながら飲んでみました。

まずは冷たい状態で飲み、そのまま室温に上げていきます。

温度が低くてもおいしく飲め、イクラや数の子には温度低めの方が合うように感じました。

そのまま放置した常温もいいですが、もう少しメリハリをつけて飲みたいかも、と思ったので、お燗をしてみました。

 

熱めの温度まで上げ、だんだんと冷ましながら飲んでいきます。

熱いなぁと思う温度だと、少しピリッと刺激がありました。アルコールも強めに感じます。

飲んでいて落ち着くなぁと思ったのは、体温からぬるめのお風呂の温度くらいで、口当たりが丸くやわらかく、甘みも一番出るように思いました。

 

温度に関しては好みによって分かれると思いますが、お燗する方がおいしく飲めるタイプで、温度はあまり高すぎない方が、ほっこりと楽しめるのではないでしょうか。

 

 

 

この酒は「山廃純米酒」「山廃」(やまはい)というのはよく見ますよね?

私は日本酒の製造にはまったく不案内で、説明を読んでもなかなか理解できないのですが、私同様に日本酒に不案内の方向けに説明すると、

 

「山廃造り」とは、日本酒造りに必要な乳酸菌を最初から育てる「生酛造り」(きもとづくり)がベースになっている製法ですが、本来なら行なう山卸」(やまおろし)という作業を廃止した造り方なので、「山卸を廃した=山廃」と名付けられています。

「山卸」は、蒸した米を櫂棒で細かくすり潰す作業で、米を溶かす時間を早めるために行なわれます。

山卸をしないから手抜きということではなく、しないことで時間がかかり、別の変化の過程を経ることになるので、また違った風味を持つ酒になるようです。

 

乳酸菌を位置から育てる「生酛造りの酒」は、香味豊かで複雑な味わいになるので、「山廃」にも生酛造りの特徴が見られるようで、この「末廣 伝承山廃純米酒」も、シンプルというより複雑味&コクのある酒に仕上がっていると思います。

 

 

「末廣 伝承山廃純米酒」は、ずっとお正月の料理と合わせてきましたが、今日は牛すね肉のシチューを作り、最初は肉に合わせて赤ワインを飲んでいたのですが、日本酒でもいいんじゃない?と思い、合わせてみました。

すると、赤ワインが可愛そうになるくらい、すね肉シチューと末廣が合いました!

赤ワインよりも末廣の方が濃厚でうま味があり、すね肉と相性バッチリ

まろやかな甘みと軽快でやさしい酸味が良い感じでした。

 

「末廣 伝承山廃純米酒」720mlサイズのお値段は、1,155円(税込み)ですよ?

元日から4日かけて飲んだので、1日あたり288円。

断然、こっちでしょう!

 

カップ酒の野口先生も好きでしたが、山廃純米酒のコスパは素晴らしいと思います。

ワインしか飲まない、という方も、今こそ日本の酒の素晴らしさを知る時期じゃないでしょうか

 


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