6月になれば、いくらなんでも新型コロナウイルスは終息しているでしょう、と、3月の頃には思っていましたが、なんともしぶとい奴です。
欧州は少し落ち着きを取り戻し、欧州内に限定して国外の移動を認め、観光地にも少しずつ人が戻ってきていますが、アメリカ大陸に目を向けると、世界のワースト1位のアメリカ、2位のブラジルと、厳しい状況が続いています。
アメリカは色々と問題ありなので、感染拡大は避けようがないとは思っていましたが、ブラジルがここまで酷い状況になるとは思ってもいませんでした。
ブラジルは日系人も多く、日本と深いつながりを持つことから、私たちも親しみを持っている国だと思います。
カーニバル、シュラスコ、コーヒー、サッカーなどなど、有名なものがたくさんありますが、ワインも名産品であることは、ここでも何度も紹介してきました。
ブラジルワインの概要は、2019年8月に在日ブラジル大使館で開催されたブラジルワイン試飲会のリポートをご覧ください。
下に記事のURLを貼り付けておきます。
そのときに紹介されていた「SALTON」(サルトン社)から輸出マネージャーが来日し、2019年11月に都内でプレゼンテーションを行ないました。
ブラジルのブドウ畑は現在8万haあり、ワイン生産量は2億5000万リットル(世界14位)で、2017年の対前年比は+169%と、激増しています。
ワイン産地は6地域あり、そのほとんどが南部に集中しています。
サルトン社も南部に位置するワイナリーで、1910年創業はブラジルのワイナリーとして最古のうちのひとつ。
イタリアのヴェネト州出身の移民による家族経営で、2014年で移住140年を迎えました。
家族経営ワイナリーですが、今は世界26カ国に輸出をする、ブラジルきっての大きなワイナリーだそうですよ。
サルトンのスパークリングは、ブラジル市場トップシェアを誇り、40%。
2019年には赤ワインの市場シェアもブラジルトップだそうです。
スパークリングを含めて、ブラジルでは高級レンジのワインになりますが、日本市場には、手頃な価格帯のものから高級レンジまで輸入されています。
テイスティングしたスパークリングワインは、シャルドネ70%、リースリング30%のブレンドで、シャルマ式のブリュット。
白ワインのFlowers Blancoは、マルヴァジアとモスカート半々のDemi Sec。
シザールさんのオススメは、オイスターとのペアリング。
このシリーズはカジュアルに楽しめるものが揃っています。
サルトンの重要白ブドウ品種は、シャルドネ、リースリング(イタリコ)、グレッラ、モスカートだそうです。
SALTON社の輸出マネージャー Cesar Baldassoさん
赤の重要品種は、メルロ、タナ、カベルネ・フラン、ピノ・ノワール。
一番重要なのがメルロで、次がタナ。
ピノ・ノワールは、サルトンでは一番輸出が多い品種で、2つの産地で生産しています。
サルトンでは、3つのワイナリー拠点を持っているので、ブドウ品種に多彩さがありますね。
テイスティングしたワインは、タナ100%の2015年、マルスラン(カベルネ・ソーヴィニヨンとグルナッシュの交配品種)、カベルネ・ソーヴィニヨン50%とメルロ30%、タナ20%のブレンドのTelnet 2012年。
赤ワインは、熟成させたものが多かったせいか、どれもまとまりよく、バランスも取れ、それぞれ飲みごたえがありました。
タナ100%は、濃い色合いからしてガッツリ濃そうですが、樽は使わず、やさしさとしっかりとした酸のバランスがいいです。
マルスランは独特の風味があり、ジビエや赤身肉に良さそう。
マルスランは、量としては少ないそうです。
ブレンドのTalente 2012は、まろやかで、やわらか。コクがあり、これは文句なくおいしい。
合わせるのは、やっぱり肉料理ですかね。
今回のテイスティングでは、赤ワインに上級レンジのものが多かったので、私としては、ブラジルのサルトン社の赤ワインに高い評価を差し上げたいです。
もちろん、ブラジルといえばスパークリングワインが生産量の40%を占める泡大国なのですが、サルトン社の赤ワインは要注目です。
何年か前のFoodexで、気になるワインとしてブラジルワインを取り上げましたが(下記の記事参照)、その時に紹介したサルトンが輸入されるようになり、ズームアップしたスパークリングと赤ワインが今回のテイスティングに入っていて、美味しかったのは、やっぱりね、です(笑)
※輸入元:DRINK OF BRAZIL
[参考]
品質向上がめざましいブラジルのワインに注目!(2019.9.19)
https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/443bcfd4a5127be1d29b2df1e7fac538
魅力的なワインたち@FOODEX JAPAN 2014 (2014.3.6)
https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/3f12f48c0ffbcd452c1506521f603b41
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