私がワインを飲み始めた頃、日本で売っているスペインワインといえば、リオハ、でした。
それが今や、いろいろな地域のさまざまなスペインワインがあり、選ぶのに悩ましい~
スペインワインに詳しい人なら知っていても、一般的には、それどこ?という産地も多く、「Bierzoビエルソ」は、そのひとつといっていいでしょう。
ビエルソはスペイン北西部のカスティーリャ・イ・レオン州にあり、州の中でも最も北西に位置する地域です。
場所的にはガリシア地方に近いため、気候や景色はガリシアに近くなります。
2000年前にはブドウが栽培されていた、という文献が残る古くからの地域で、原産地呼称名は「DO Bierzo」(1989年)
ビエルソは、メンシアという土着黒ブドウの赤ワインで知られた産地。
ビエルソ=メンシアを知らしめた造り手こそ、ラウル・ペレス(RAUL PEREZ)と言われます。
※ビエルソ&メンシアについては以前のリポートを参照ください(一番下)
ラウル・ペレス の名は、スペインワインファンだけではなく、ワイン好きなら耳にしたことがあるはずです。
私も、ラウル・ペレスのワイン「Ultreia(ウルトレイア)」は何度も口にしています。
今回、この春から日本の正規輸入代理店が変わり、一社のみになった、というタイミングで、ウルトレイアのスタンダードキュヴェ「Ultreia Saint Jacques」を飲んでみました。
Ultreia Saint Jacques 2020 RAULPEREZ (Spain, DO Bierzo)
ブドウはメンシアですが、100%ではなく、メンシア主体。
複数の区画の樹齢50年以上のブドウをブレンドした赤ワインで、木製タンクで発酵、熟成はバリック樽で12カ月。
見てわかるように、色が濃い!
2020年のワインなので、まだまだ若さがあり、チャーミングな赤系果実のフルーティーな味わいがアタックにあります。
が、飲んでいるうちにだんだんと開いてきて、複雑なうまみがじわじわと出てきます。
熟れたフルーツの濃密な味わいに、よく溶け込んだタンニンのなめらかさ。
このうまみ、熟成感、ほんとうにおいしい~
アルコール度数13.5%。
ビエルソの位置は、スペインマップの左上の赤い部分です。
スタンダードキュヴェ「ウルトレイア サン・ジャック」でこのおいしさ&完成度の高さ!
なのに、輸入元希望小売価格は3,800円(税抜き)って、満足度半端ない!
改めて、ラウル・ぺレスってスゴイ!って思いました。
1972年生まれのラウル・ペレスは、1752年にはすでにこの地でブドウ栽培をしていたという一族の出身で、実家ワイナリーはCastro Ventosa(カストロ・ヴェントーサ)。
2000年すぎてから自分の名のドメーヌを立ち上げ、自然をリスペクトし、ブドウに与える影響を最小限にというコンセプトでワインづくりを行なっています。
2008年に世界的に著名なワイン誌で絶賛され、以来、ずっと注目され続けています。
私が初めてラウル・ペレスを飲んだのは「Ultreia Saint Jacques 2006」で、2009年のこと。
果実味がきれいで、タンニンも非常になめらか。コクもボリュームもあり、全体的なバランスが良い、という印象を持ちました。
今のその印象は変わりませんが、よりフォーカスされ、洗練されてきたと感じます。
まだ51歳。
これからますますの活躍が期待できる生産者です。
※輸入元:フィラディス(正規輸入代理店)
[参考]
要チェック!スペインワインの「メンシア種」
https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/3b8ac5d610b7256e81e439b35e1fab48
スペインのメンシアとゴデーリョ@ギア・ペニン・セレクション東京
https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/510a883ca171d0690265991eb0f9d0c6
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