ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ユーハイム安藤マイスターのバウムバリエ

2009-02-13 09:30:31 | 甘いもん
2/9~11に開催された「世界グルメサミット」の展示ルームでは、
「ユーハイム」と「虎屋」を中心としたデモンストレーションがありました。

せっかくの機会なので、これはもうぜひ拝見せねば!と、いくつか見て(&食べて)きました。

まず第一弾は、ユーハイムの安藤 明マイスターによるステージで、

「ドイツの伝統菓子バウムクーヘン 日本の食材への挑戦」


安藤マイスターのステージのテーマを事前に知らなかったのですが、
私の愛する「バウムクーヘン」とはラッキー



安藤明氏は1978年にドイツに渡り、その年にドイツの製菓マイスターを取得。
以来、ユーハイムといえば安藤マイスターといわれるほど有名な存在で、特にバウムクーヘンにかける情熱は比類なく、「マイスターの手焼きバウム」というスペシャルなバウムを作っています。

*このバウムについては、以前に紹介しています(2009/1/31)



今回の安藤マイスターのお話は3本立てです。

1.マイスターの手焼きバウム

昔々の時代、ウサギなどの小動物を狩猟し、木の枝に刺して火であぶって食べていたのがバウムクーヘンの元の元です。
古代エジプトでは、水と粉で練った生地を棒に巻きつけて焼いていました。

その後、13世紀、14世紀と上がってくるにつれ、ハチミツ、卵、乳製品などが加わるようになり、だんだんお菓子らしくなってきます。

ドイツでは、ベルリンを中心に、コトブス(ポーランド国境近く)、ドレスデンなどの各地方でそれぞれの特徴(マジパンを多く使う等)を持ったオリジナルのバウムクーヘンがつくられてきました。

安藤マイスターの「マイスターの手焼きバウム」は、ドイツのそれぞれの地方のいいとこどりをして作ったバウムクーヘンで、2008年の姫路博において、内閣総理大臣賞を受賞したとか



バウムを作る際には、生地60、焼き60というくらい、どちらにも気を遣うとのこと。
バウムの材料は、卵、バター、砂糖、粉とシンプルなので、素材を厳選するのはもちろん、テクニックもかなり微妙な加減が必要なようです。

ユーハイムでは、バターはフレッシュバターのみ、粉は水分の吸収率が他より2%多いメーカーのものを使い、季節によっても生地の温度を変え(平均28℃)、窯も独自で開発したものを使っています。

ヨーロッパではグラム売りが基本ですが、日本ではギフト市場も大きいので、きれいに成形したものは必須で、その他にも薪型etc...と、ユーハイムでは色々なバリエーションのものを作っています(私は薪型のデアバウムが好き



ザックリと大胆にカットする安藤マイスター



バウムは、削ぎ切りした時にひとつひとつの層がバラバラ剥がれずに密着していなければならないとのこと。

また、今はやわらかいバウムが人気で、他社で色々出ていますが、安藤マイスターは生地がみっちりと詰まったバウムを基本にしているということで、ああ、やっぱり、ユーハイムのバウムは私好みだわ~と再確認しました。



バウムはどこを切っても「樹」の模様が出てくるということで、たしかに納得!



この形の端っこは初めて見ました!


2.バウムリンデ (=木の皮)

和の食材ということで、小麦粉の代わりに大豆粉(キナコになる前の状態)を使い、あんこ、マジパン、キンカンのコンフィチュールをサンドして重ねています。




バウムリンデの上は寒天に和三盆糖を入れ、豆を散らしています。




全体的にしっとりとした食感で、キンカンのコンフィチュールの甘酸っぱさがとても生かされていると思いました。


3.パステーテ (=詰め物)

小さいバウムに純米酒に和三盆糖を加えたシロップを塗り、中に2種類のあんクリームを詰めています。




底は小豆あん+生クリームのペーストを絞りいれ、その上に5種類の豆(煮豆)を散らし、上に白あん+生クリームのペーストを絞ります。



大豆粉をふりかけ、生クリームを載せ、豆とチョコのチュイールで飾ります。

これはけっこうボリュームがあります!
あんこと生クリームがとてもよく合い、あんこ好きには嬉しいマリアージュ

大きなバウムを自分でデコレーションしてオリジナルのパステーテを作り、デコレーションケーキとしてサーブしたら面白いし、喜ばれるかもしれません。





ゼイタクなバウム3種盛りが試食で配られ、たっぷり味わわせていただきました


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小泉元総理が飲んだワイン

2009-02-12 09:03:47 | ワイン&酒
2月9日~11日に、東京国際文化フォーラムで開催された
「世界料理サミット」 の取材に行ってきました。

ジョエル・ロブションをはじめとした世界8カ国の著名シェフを招き、最先端の料理および技術を紹介するというイベントでしたが、名誉総裁が小泉純一郎氏ということで、開会式に出席されていました。

その辺の件および報告レポートはソムリエ協会機関誌「sommelier」3月号に書きますので、機会がありましたら読んで下さいませ。



で、小泉さんですが、開会式が終わったらお帰りになるのかと思いきや、展示ブースの方にお見えになったのです

すごい人だかりが動いていると思ったら、小泉氏と取り巻き&追っかけの人&TVカメラ!



ちょうど私のいた「バリューボルドー100」の試飲コーナーに来られ、ワインを試飲していたので、その姿をカメラに収めようとしたのですが、肝心のお顔がキャッチできませんでした。残念!



とにかく人、人、人!


小泉氏が試飲したブースです


小泉氏が立ち去って静かになった後、このコーナーのワインサービスをしていたスタッフの方に小泉氏の飲んだワインはどれだったかを尋ねたところ、下記の白ワインでした。



Chateaux Maroutine 2007 (AOC Bordeaux)

ソーヴィニヨン・ブラン70%、セミヨン30%で、希望小売価格は1,575円。

「ここにいらっしゃる前に、オリーブオイルのブースでテイスティングをされたということでしたので、その味の流れからこちらの白ワインをオススメしました」とサービススタッフの方の談。

私も飲んでみましたが、果実味のフルーティーさとスッキリ爽やかな酸味のバランスが良く、グレープフルーツの皮のビターな感じもほのかにあり、なかなか飲みやすく心地良いワインだと思いました。

小泉氏は
「昼からワインなんて飲んでもいいのかなぁ?酔っ払っちゃいそうだよね?」

と言っていたそうですが、それにしても、あれだけの人だかりができるなんて、引退されても注目度の高さは相変わらずで驚きました


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フレンチビストロ「喜長」でトマト鍋♪

2009-02-11 14:49:33 | レストラン&店
以前にも何度か紹介している六本木の「ビストロ喜長」(きちょう)に
友人と トマト鍋 を食べに行ってきました。

なぜだか今シーズンはトマト鍋が人気で流行っているみたいですね 


まずは前菜


自家製田舎風パテ

パテ好きには欠かせない一皿



パルマ産プロシュート

野菜が食べたかったので、セロリのサラダをたっぷりと添えていただきました。





いよいよ、メインのトマト鍋
目の前にコンロが置かれ、トマトスープの入った白いホーロー鍋が載せられます。




具材は若鶏もも肉(総州古白鶏=筑波山麓地鶏)とサーモン



日本のお鍋同様、野菜やキノコも入ります




具材をお鍋に入れて火が通ったらいただきます。
トマトの味が濃厚で、また、トマトには酸味があるのでサッパリとしていて、ぺろりと平らげられます。

最後は、カッペリーニを入れてシメとしましたが、ここまで来るともうお腹がいっぱいで、大満足でした。

このトマト鍋は要予約なので(2人から)、食べたい方はぜひ予約してくださいね。





今回は一緒に行った友人の誕生日祝いということで、デザートのデコレーションをお願いしました。

すでにお腹いっぱいにもかかわらず、デザートは別腹とはよくいったもので(笑)、きっちりとお腹に収まりました

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ビストロ 喜長

http://www.kicho.info/

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3/22 山梨ワインのイベント

2009-02-10 09:14:40 | ワイン&酒


いつも色々な情報を送ってくれる山梨のワイナリーの方から、
3月に開催される「山梨ワインのイベント」の案内が届きました。

今回は、甲州種のワインを2カテゴリーに分け、
参加者全員が審査してチャンピオンを選ぶ
、という内容になっています。



軽食も赤ワインも出ますし、楽しく過ごせると思います

入場にはチケットが必要ですので、購入方法や詳細は下記のHPにアクセスして確認してくださいね。

場所は富士急ハイランドのお膝元ですので、前泊して遊園地や温泉も楽しむ
なんてこともできますよ

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第7回甲斐Vinセレクション

日時:2009年3月22日(日)
    14:30 (受付開始)、15:00 (開会) ~18:00

場所:ハイランドリゾートホテル&スパ・バンケットホール富士

参加費:お一人様4500円(ワイン、軽食付き)

主催:第7回甲斐Vinワインセレクション実行委員会

    http://www.kaivin.net/


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地元イタリアンでチリワイン

2009-02-09 09:00:11 | ワイン&酒
先日、小中学校からの友人の誕生日会ということで、地元のイタリアンに友人3人で食事に行ってきました。

イタリアンといっても、窯焼きピザを得意とするピッツェリア



ドクターストップのかかっている1人には申し訳ないけれど、誕生日の本人と私の2人でボトルワインを1本チョイス。

でも、ボトルワインは赤白それぞれ3本ずつほどしかなく、しかも、
イタリアンなのにイタリアワインがない? 


今回は料理が軽めだったのでを、それも、普段ならあまり選ばないシャルドネ(樽香が強くて甘ったるいのは苦手・・・)をチョイスしてみました。



Santa Helena Gran Vino Chardonnay 2008   Chile

というのも、メニュー上の ボトル価格が1,000円台の半ば だったからで、
この値段なら、軽めでクリーンでフルーティなシャルドネが期待できそうじゃありませんか?



その期待は裏切られず、まさに思った通りのシャルドネが出てきました。
チリのシャルドネは、低価格帯のものはスッキリ飲めるものが多いので、軽く飲みたい時にはお勧めです。



ピザにもよく合いました 



後で調べてみると、このワインの小売価格はおよそ1,000円ほど。

それを考えると、このお店の価格設定はまずまずですが、せっかくのイタリアンのお店なのだから、ここではやっぱりイタリアワインを飲みたかったですね・・・

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奥会津の天然炭酸ミネラルウォーター

2009-02-08 14:15:45 | おいしい飲みもん
以前紹介した「会津磐梯サイダー」が美味しかったので、
そのサイダーの発売元のHPを見に行ったところ、プレゼント企画があったので応募してみました。

そうしたら、なんと、見事 当選

ミネラルウォーター6本 が送られてきました



aWa 心水 (あわ しんすい) 250ml (会津心水株式会社)

国産天然炭酸100%のスパークリングミネラルウォーターです。

奥会津の金山町にはガス泉が湧いていて、明治の頃にはヨーロッパにも輸出していたようですが、輸送コストの関係から途絶えたとのこと。

その後、「aWa 心水」として復活したこの水は、温泉分析書を伴った天然の炭酸水として販売されています。



炭酸水とありますが、ラベルに「微炭酸」と書かれているように、ガスが本当に軽~いです。
私はもっと強めのガス入りの方が嬉しいですが、ガスが得意じゃない人は、これくらいがよいのでしょうか。

味わいには「温泉」を感じます。
常温でそのまま飲むと、まんま温泉 

キリリと冷やして飲むと、ガスは弱いながらも、軽めのミネラル感が味わえます。

ヨーロッパのガス入りウォーターが好きな人には物足りないかもしれませんが、
国産100%の天然炭酸水にこだわりたい人は、一度試してみてはいかがでしょう?

2008年 モンドセレクション 最高金賞受賞 だそうですよ


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「逆チョコ」を考える(笑)

2009-02-07 10:50:30 | 甘いもん
2年前に当ブログで、「バレンタイン逆告白のススメ」というのを書いたのですが(2007/2/3)、今年は 「逆告白をするためのチョコ」
つまり男性から女性に贈る 「逆チョコ」 がかなり話題になっていますね。



女友達にあげる 「友チョコ」

お父さんにあげる 「パパチョコ」

自分へのご褒美の 「Myチョコ」

と、さまざまな「○○チョコ」が定着してきましたが、

「逆チョコ」 だなんて、男性にもチョコを買ってもらって売上アップを図ろう!と考えて生み出されたとしか思えませんよねぇ?(笑)

なんたって、今年のバレンタインは土曜日ということもあり、
「義理チョコはなかったことにしよう!」 と考えている女性が多く、余計な出費を抑えようとする傾向にあるようですし



Origine Coffret  MEXICO (Corne Port Royal)

本来は、愛する女性のために男性がレストランを予約し、花束を用意し・・・というのが、欧米の恋人たちのバレンタインの過ごし方ですから、男性から女性にプレゼントを贈ることはごく自然なんですけれどもね・・・


ある製菓メーカーが行ったアンケートでは、逆チョコに肯定的な女性が多かったようで、プレゼントをくれた男性に好意を抱く可能性もあるかも?

なんていう結果が出ていますが・・・

全く思いもよらなかった男性からいかにも「本命」ぽく渡されると、
キモイ~!と嫌がられるケースもありそうな気がしますけど、

さて、どうなるんでしょ・・・・


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満月の夜はワインがお得☆

2009-02-06 11:17:32 | レストラン&店
先月紹介した(2009/1/17,18)「ルナティック神楽坂」 で、

満月の夜のお得な “ルナティックナイト” が今月も開催されます。

2月の満月は9日 ということで、

2月9日(月)と10日(火)の両日にお得なイベントが開催されます。



支配人のブログによると

自然派ワイングラスで¥500~
白5・赤5アイテム以上ご用意!上のクラスも色々ございます!




ボトルワインの10%OFF!
ワインリストからお選びいただけます!




グラスワインが500円からというのは本当に嬉しく、私の以前の紹介記事をみていただくとわかるように、非常に飲みごたえのあるワインもオンリストされています。

しかもボトルワイン10%オフ!?
先月行った時は、このサービスはなかったような・・・

お試しで行ってみるには絶好の機会だと思いますので、都合のつく方は覗きに出かけてみてはいかがでしょうか?



料理はコチラを参考にしてくださいね

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ルナティック神楽坂

http://r.gnavi.co.jp/a927702/

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2/25 ドイツワインの試飲イベント

2009-02-05 09:00:35 | ワイン&酒関係雑記


ドイツワインの輸入元であるヘレンベルガー・ホーフさんから
ドイツワインの試飲イベントの案内をいただきました。

同じ日の早い時間は業界関係者向けですが(13~16時)、
夕方からは一般の人も参加可能ですので、興味のある人は出かけてみてはいかがでしょうか?



試飲できるワインは約40種類で、今回は冬ということもあり、甘口のワインが多いようですが、もちろん辛口ワインもあり、さらに、新入荷のオーストリアワインも少量登場するようです。

気に入ったワインがあれば購入でき、後日配送してもらえます。



有料で「チーズプレート」も用意されるので、食事に行く前に、チーズをつまみながら軽くアペリティフを、という感じで参加してもいいですね。

このイベントに参加するには「申し込みが必要」ですので、下記をよく読んで参加してください。

飲みすぎで酔っ払わないようにご注意を~(笑)

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「ドイツワイン・ルネッサンス ~魅惑の甘口編~」

日時: 2009年2月25日(水)
     第1部:17;00~18:30 定員200名
     第2部:19:00~20:30 定員200名

参加費: お1人様 1,000 (一部有料試飲あり)
( 当日受付でお支払い下さい)

会 場: 「文祥堂イベントホール」
     東京都中央区銀座3丁目4-12 文祥堂銀座ビル2階
        
*お申込み締切:2月20日(金)  

*お申し込みは下記FAX番号、メール、お電話にてお願いいたします
 (確認の返信をさせていただきます)

主催:ヘレンベルガー・ホーフ(株) http://www.tia-net.com/h-hof/

〒567-0878 大阪府茨木市蔵垣内2-10-15
TEL.072-624-7540 FAX.072-623-8703
E-mail: h-hof@tia-net.com

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なお、業界関係者向けの案内は、
(社)日本ソムリエ協会関東支部の「イベント」ページにありますので、業界関係者はそちらをご覧下さい。

http://www.sommelier.jp/kanto/event.htm

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絶世の美女ワイン「アストール1979」

2009-02-04 10:29:50 | ワイン&酒
10年近く前、山形県上山温泉にある「タケダワイナリー」にお邪魔した際、ワイナリーで売られていたワインをいくつか買ってきました。
これは2本買い、1本は比較的すぐに飲んだのですが、これはずっとセラーに寝かせておいた1本です。



ASTRE 1979
アストール≪絶世の美女≫ワイン 赤・辛口  タケダワイナリー (山形県)


バックラベルの説明書きはコチラ。

「蔵王山麓に広がる風光明媚、気候良好な自家農園で完熟を待って収穫した、赤ワインの高級品種ブラック・クイン種をフランスから直輸入の樽で熟成させ、絶妙に仕上げました。芳醇な香りと繊細な味は、まさに大地の恵みを人間の技が生み出した赤ワインの逸品です」



山形県産のブラック・クイーン種を100%使ってつくった辛口の赤ワインです。

ブラック・クイーンは日本で交配されたブドウですが、同じ日本生まれのマスカット・ベリーAと比べると栽培面積も少なく、よって、ブラック・クイーン100%というワインもあまり見かけません(なお、どちらも川上善兵衛氏が手がけています)。
(ブラック・クイーンは山梨県の機山ワイン、ルミエール等でつくっています)

色濃く、野性味があり、私はそれが好きなのですが(特に上記で挙げた機山ワインがお気に入り)、人によっては好き嫌いがあるかもしれません。

このブラック・クイーンがどれだけ熟成するのか・・・・
このままセラーに置いといてもいいものかどうか不安だったので、昨年の年末、いつもの定例ブラインド会に持参して皆に飲んでもらいました。



30年近く経った、熟成したワインならではのいい香りが出ていました。

酸がけっこう強めに残り、出汁っぽい風味、野生っぽさ、塩っぽさ、鮎めしのようなイノシン酸、梅っぽい酸味などなどが感じられ、ブルゴーニュワインでいえば、モレ・サン・ドゥニを思わせる感じ?

辛うじてOKですが、ワインとしては下ってきているので、この時に出して、ギリギリで正解でした。




今でもタケダワイナリーではブラック・クイーン100%「アストール」の銘柄のワインをつくっていますが(赤・白)、なぜか甘口タイプに変わっています。

辛口だった赤がいつから極甘口に変わったのかわかりませんが、
「辛口の絶世の美女」 にはもうお目にかかれない・・・というのが残念です。

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芋焼酎「黒伊佐錦」@鹿児島

2009-02-03 10:49:36 | ワイン&酒
先日、打ち合わせで遅くなった時、手近な居酒屋に入ってボトルで頼んだのがコレでした。



芋焼酎 「黒伊佐錦 25度」  大口酒造株式会社(鹿児島県)

いも焼酎、久しぶりです。

アルコール類の中で私が最も多く飲むのは、もちろんワインですが、
ワイン以外では・・・?と考えると、「焼酎」な気がします。

今は居酒屋でも色々な焼酎を置くところが多くなってきているので、芋、米、麦・・・・と、種類も銘柄も豊富に揃うのが嬉しいところです。



焼酎を飲み始めた最初の頃は、パワフルでクセのある芋が好きでしたが、その後、マイルドな麦を好むようになり(といっても、そうしょっちゅう飲むわけではないですが)、そんな状態が数年続いていたのですが・・・


今回は、一緒に行ったメンバーの1人からこの「黒伊佐錦」(くろいさにしき)の指名があったので、久しぶりに芋焼酎を飲みました。

名前に「黒」と付いているのは、「黒麹」 を使っているからのようで、焼酎の麹については私は詳しくありませんが、よく使われる「白麹」よりも重厚な味わいが出るのだとか。



さて、肝心の味わいですが、お湯割りで飲んだところ、芋特有のむっとする香りが控えめでデリケートな感じがします。

芋!と主張するような押しの強いクセもなく、きれいな、でも、やっぱり芋らしい甘いふんわりとした香りと味わいが楽しめました。


小売価格を調べてみると、720mlサイズで1,000円ほど。
居酒屋ではボトルで・・・・、まあ、仕方がないところでしょうか。

3人でボトル1本軽く空きました(笑)


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第23回 La Soufrandiere/B.Brothers@「キャッチ The 生産者」

2009-02-02 11:15:53 | キャッチ The 生産者
「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。

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  (更新日:2006年6月11日)

第23回  Jean-Philippe & Jean-Guillaume BRET
       <Domaine La Soufrandiere / Bret Brothers>
   


今回のゲストは、フランスはマコネ南部のヴァンゼル村からやってきた、若きジャン・フィリップとジャン・ギョームのブレ兄弟。
彼らは、「ドメーヌ・ラ・スフランディエール」「ブレット・ブラザーズ」の経営者です。



<Jean-Philippe Bret>
ブレ3兄弟の長男。カンヌ生まれの31歳。
マコン・ダヴァイエ醸造学校でエノローグ、ディジョンの技術学校でディプロマを取得後、ボルドーのバロン・フィリップ・ロッチルド、ムルソーのコント・ラフォン、ヴェルジェ、カリフォルニアのソノマ、ナパのワイナリーなどで修行。



<Jean-Guillaume Bret>
ブレ3兄弟の次男。リヨン生まれの30歳。
マコン・ダヴァイエ、アヴィズの醸造学校でエノローグの資格を取得後、ローヌ、ブルゴーニュ、ヴェルジェ、カリフォルニアのソノマ、ナパなどのワイナリーなどで修行。

*彼らの苗字「Bret」は、フランス語では「ブレ」と発音しますが、「Bret Brothers」は「ブレット」と英語読みします。


マコネとプイイ・ヴァンゼル

マコネがブルゴーニュの南あたりということはなんとなくわかるけど、
ヴァンゼル村って…?と要領得ないのがこの付近の地理。

広く"ブルゴーニュ"と呼ばれている地域は、北は"シャブリ"地区から始まり、その南が最もよく知られた"コート・ドール"地区、その南に"コート・シャロネーズ"地区、"マコネ"地区があり、最南端に"ボージョレ"地区と、細長く帯状に広がっています。
マコネ地区だけでも南北が50kmあり、シャブリとボージョレでは300kmも離れています。これは日本でいえば東京から新潟までに相当するから、けっこうな遠さです(マコネから北のボーヌまで90km、南のリヨンまでは60km)。

マコネでは、18世紀後半には白ブドウと黒ブドウは半々につくられていましたが、19世紀後半のフィロキセラ禍で黒ブドウのガメイが衰退し、現在は白ブドウのシャルドネが85%を占めています。
マコネはブルゴーニュ地域の中では最も面積が広く、土壌も多種多様な地区です。
"Macon+コミューン名"ワインが多く存在することからもわかるように、バラエティ豊かなワインが生まれます。

マコネ地区で最も有名なアペラシオンは、"Macon Village"や"Macon+コミューン名"以外では "Pouilly-Fuisse"(プイイ・フュイッセ)と"Saint-Veran"(サン・ヴェラン)でしょう。
この2つは面積も広いので、当然生産量も多くなります。

ところが、ブレ兄弟が拠点を置き、畑を所有しているAOC Pouilly-Vinzelles(プイイ・ヴァンゼル)は、面積においてはプイイ・フュイッセの6.6%(51ha)、生産量は5.6%(2455hl)と、非常に小さなアペラシオンです。マコネの最南端に近く、プイイ・フュイッセの東側に位置しています。




Q.あなた方が携わる前のドメーヌ・ラ・スフランディエールの状態は?
A.スフランディエールは祖父(ジュール・ブレ)が1947年に取得しましたが、祖父はパリで開業医をしていたので、畑は小作人に任せ、収穫したブドウは小作人と折半して協同組合に売っていました。
その後、父(ジャン・ポール・ブレ)が引き継ぎましたが、父もワインとは関係ない仕事をしていたため、ブドウ畑は引き続き小作人に任せていました。

Q.祖父、父もワインづくりには携わっていなかったのに、なぜあなた方はワインづくりの道に進もうとしたのですか?
A.スフランディエールには小さい頃から夏のバカンスなどでよく訪れていて、ワインも5歳くらいから飲んでいました(笑)。
ここからアルプスまでは比較的近く、ヴァンゼル村を拠点に山歩きをしたり、キノコを探したりしていました。2人とも自然の中にいるのが大好きだったので、大きくなったら自然を相手にした仕事をしたいとは思っていました。ワインに興味を持ち始めたのは15歳頃で、2人とも16歳からマコンの醸造学校に進みました。

Q.ワインをつくりたいという気持ちは2人とも同じだったんですか?
A.ええ、我々は趣味も好みも似ていて、小さいときから何をするにも一緒でした。実は我々の下に末の弟がいるのですが、ジャン・ギョームとは4つ離れていることもあり、年の近い我々がいつも一緒にいたんです。ちなみに、末の弟はベルサイユの生まれなのですが、実は3人とも両親のバカンス先で生まれています(笑)。

Q.それで、醸造学校を卒業後、各地で修行をしてからスフランディエールを引き継ぐことになったわけですね?
A.我々がスフランディエールを引き継いだのは2000年で、この年の収穫からドメーヌワインとして醸造と瓶詰めを始めました。

Q.もうひとつ経営しているブレット・ブラザーズ(Bret Brothers)はどんな会社ですか?
A.2001年の8月に設立したネゴシアンです。現在は12の生産者と契約し、ネゴシアンワインとして流通させていますが、ドメーヌワインと全く同じ信念、情熱を持って生産しています。

Q.あなた方の信念とは?
A.長年の実績のある農家や従業員たちとの関係を大事にし、ひとつの区画はひとりの生産者に責任を持って手がけてもらい、ほかの区画とのブレンドはしません。樹齢は35年以上のもののみを選択し、畑での作業はすべて手で行います。
また、自然なものを尊重し、発酵は自然に任せ、すべて自分たちのコントロールの下、ワイン生産を行っています。。

Q.ビオディナミを実践しているということですが?
A.スフランディエールとしては、スタート時の2000年からビオディナミを始めました。2003年にフランス政府に申請し、ECOCERT(エコセール)の認可を受けています。しかし、実際にシールを貼って販売できるのは2006年ヴィンテージからになります。 スフランディエールではすべてビオディナミに切り替えが完了していますが、ブレット・ブラザーズの扱う生産農家においては、現段階では40%が公式に認証を受けています。残りの60%は転換中です。


<テイスティングしたワイン> (すべて白ワイン)


Bret Bothers

・Macon-Vinzells Clos de Grand Pere 2004

・Vire-Clesse limat a Verchere 2004

・Saint-Veran Climat Les Fournaises 2004

・Pouilly-Fuisse Climat En Carementrant 2004

・Pouilly-Fuisse Climat La Roche 2004

Macon-Vinzellsからすでに充分おいしいのですが、まろやかでふくよかな果実味の"Pouilly-Fuisse Climat En Carementrant 2004"、ミネラル感が際立ち、余韻も非常に長い"Pouilly-Fuisse Climat La Roche 2004"は秀逸。



Domaine La Soufrandiere

・Pouilly-Vinzells 2004

・Pouilly-Vinzelles Climat "Les Longeays" 2004

・Pouilly-Vinzelles Climat "Les Quarts" 2004

・Pouilly-Vinzelles Climat "Les Quarts" Cuvee Millerandee 2004

どれもワインに個性が感じられますが、滋味にあふれ、凝縮されたエキス分を感じる"Pouilly-Vinzelles Climat "Les Quarts" Cuvee Millerandee 2004"はさすがに素晴らしい!



<ふたつのテイスティングを終えて>

どちらもクオリティの高いワインが勢揃いで、地形や土壌による味わいの違いが見事に反映されています。
ドメーヌものの方がおいしくてネゴシアンものはイマイチと考える人が多いようですが、そんな考えはきっぱり捨てるべし! です。


<区画の違いによる味わいの違い>

ワインは区画ごとにそれぞれ異なった個性を持っています。
どれが優れているか云々よりも、まずはその個性を理解し、好みやそのときの気分でチョイスするといいでしょう。
なお、ドメーヌものとブレット・ブラザーズで同じ区画名がついているワインでも、全く同じ畑ではありません(隣り合うことはあります)

Pouilly-Fuisse

En Carementrant
ロッシュ・ド・ヴェルジソンの断崖の下にある真南の畑。石灰質に富み、ヴェルジソンで最も素晴らしいテロワールのひとつ。

La Roche
ロッシュ・ド・ヴェルジソンの東向きの麓で、ヴェルジソンで最も素晴らしいテロワールのひとつ。岩場のワインはミネラルに富み、キメの細かなものになる。


Pouilly-Vinzelles

Les Longeays
丘の中腹の東~南東向きの畑で、粘土質石灰質土壌。一番早くブドウが熟す区画。フルーツ主体のワインとなり、純粋でまっすぐな果実味が特徴。

Les Quarts
南東向きの丘の上にある石英質にバジョース階(中期ジュラ紀の一段階)石灰岩を含んだ粘土石灰質土壌で、VolnayやPommardのように赤い部分が見られる。ピュアで透明感があり、ミネラルに富み、複雑で長熟なワインになる。




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インタビューを終えて

最初に現れた2人がとてもよく似ているので、「あれ?双子?」と思ったほど。すぐにその誤解は解けましたが、彼らの話を聞いてみると、趣味も考えも本当によく似ています。



ドメーヌ・ラ・スフランディエールとブレット・ブラザーズは、そんな息の合った若い2人が二人三脚で始めたドメーヌとネゴシアンですが、今までのワイン本では素通りされていたプイイ・ヴァンゼルを背負っていくことは間違いないでしょう。それは彼らのワインを飲んだ時に確信しました。

2人の信念が生み出すワインはナチュラルな土壌の味わいがしっかりと出ていて、それがカラダの細胞のひとつひとつにジワジワと染み渡るのです。
素直においしく、カラダがスーッと受け入れる、そんなワインです。

日頃はコート・ドールのワインにばかり目が行きがちですが、マコネ、そしてプイイ・ヴァンゼルという小さくてマイナーなアペラシオンにも、このような素晴らしいワインが生まれつつあります。

総じて、マコネ地区の生産者は小さいところ(4~5ha)が多いものの、情熱を持ってワインづくりをしている生産者がたくさんいる、とブレ兄弟は言っていました。
となれば、マコネ地区、中でもプイイ・ヴァンゼルのワインは、今後、要チェックですよ!


取材協力:トーメンフーズ(株)ワイン本部 →(現在)豊通食料

 http://www.vin-de-t.com/district/bourgogne/bourgogne/bret.html

 http://www.bretbrothers.com/index.php

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第22回 Marcel Richaud@「キャッチ The 生産者」

2009-02-02 11:10:37 | キャッチ The 生産者
「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。

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  (更新日:2006年5月11日)

第22回  Marcel Richaud  <Domaine Marcel Richaud>



「私は職人です」と言う マルセル・リショーさんは、フランスの コート・デュ・ローヌ の Cairanne(ケランヌ)村 で 有機農業による自然なワインづくりをしています。

<Marcel Richaud>
52歳。妻のマリーさんとの間に4人の子供あり。
趣味はハングライダーとバイク。
血液型はA型。(マリーさんの血液型はO型)。


テクニックに頼らない自然なワインづくり

このところ、「自然派」を唱える生産者が増えてきました。
その名の通り、栽培過程でも醸造過程でも化学的な薬剤類は使わないつくり、ということですが、
リショーさんは敢えて「自然派」ということを声に出さないのだとか。
それは、彼が自然なワインづくりに行き着いた過程に理由があるようです。





Q.ケランヌ村とは?
A.AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュには、ワイン名に村名を付けることを許されている村があります。ケランヌ村もそのひとつで、18ある村の中ではトップクラスのワインを生み出すとされています。
(コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ・ケランヌの認定は1967年)

ケランヌは南ローヌのオランジュの街の北東にあり、典型的な地中海気候です。ワインのアルコール度数は、 赤は12.5%以上、ロゼと白は12%以上と規定されています。

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<参考>AOCコート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ(18)

Rochegude,Rousset les vignes,Saint Maurice,Saint Pantaleon les vignes,Chusclan, Cairanne,Rasteau,Roaix,Sablet,Seguret,Valreas,Visan,Laudun,Saint Gervais,Massif d'Uchaux,Plan de Dieu,Puymeras,Signargues
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Q.ケランヌ村の特徴について、もう少し詳しく教えてください。
A.ケランヌでは、荒れた台地にブドウ畑が散在しています。日照量が多く、夏は非常に暑くて風が強いのですが、風のおかげで湿気が飛び、病虫害の被害はなく、ブドウが健康に育ちます。

砂質、粘土石灰質、大きな石混じり、とさまざまな土壌から得られるブドウは、ワインに複雑味をもたらし、不作といわれる年にも柔軟に対応ができます。
また、ワインに石灰質土壌によるブドウのミネラル分を感じるのがケランヌの特徴です。

Q.32年前からワインづくりをしているということですが?
A.父の時代はブドウを栽培して協同組合に売っていましたが、私の代から瓶詰めを始めました。醸造学校などには行っていません。全くの独学です。醸造庫や熟成庫なども自分でつくったんですよ。

Q.あなたは現在「自然派」と言われていますが?
A.最初の10年くらいは技術を極めたワインづくりをしていました。ありとあらゆるテクニックを駆使したワインをつくっていましたが、なかなか売れず、非常に悩んでいました。

ところが、あるときパリのビストロで素晴らしいワインに出会ったんです。ソムリエに聞くと、それは土壌をよく表現しているワインだと言います。

そうか、私もケランヌのという土地の個性を生かしたワインをつくらねば!そのためにはどうしたらいいだろうか?行き過ぎたテクニックを捨ててみようか?と、テクニックをひとつひとつ捨てていった結果、おのずと自然なつくりになってきました

Q.テクニックは一切否定しますか?
A.土壌の味を表すワインをつくることが大事だと思いますので、ワインづくりにはできるだけ人間の手が介入しない方がいいと考えています。ブドウの持っているものを全部引き出してあげたいんです。

しかし、テクニックを全く使わないために土壌の味を殺してしまうことになるのなら(そうした生産者もいますが)、多少使っても、きちんと土壌を表すワインをつくる方がいいと思います。

Q.ワインづくりで大事なことは?
A.まずその土地の土壌を理解することです。土壌の味、ブドウ本来の味を出していくためには、生産量を落とし、よい品質のブドウをつくらねばなりません。
また、地元の古いブドウを守っていくことも大事ですので、クローンを使うのではなく、セレクション・マサル(ブドウの枝から挿し木で増やしていく方法)により自分で増やしています。

Q.あなたのワインの特徴は?
A.私のワインは、清潔でピュアな、きちんとしたワインです。たしかに、栽培から醸造まで化学薬剤を使わないことによるリスクはありますが、リスクのない状態で瓶詰めできるようにしています。
また、ヴィンテージの差よりも土壌の違いを表すワインです。ノンフィルターで、補酸なども一切行いません。なお、ワインを守るため、わざと全てのワインに少しガス(二酸化炭素)を残して瓶詰めしています

Q.現在所有している畑について教えてください。
A.50ha所有していますが、そのうち40haをドメーヌものとして瓶詰めし、10haは協同組合に貸すなどしています。これが手をかけられる限度で、ちょうどいい広さだと思っています。これ以上広げるつもりはありません。これでひとまず食べていけますしね(笑)。
従業員は10人います。化学的な技術(除草剤や殺虫剤など)を使えば人手は少なくてすみますが、手作業で行うには人が必要です。モラルに欠けたワインはつくりたくありません。私は職人ですから

Q.貸し出している10haの畑の手入れ方法は、貸出先に任せているのですか?
A.いいえ、どちらも同じように我々が手をかけてブドウを育てています。化学的なものは一切使いません。畑の雑草は残します。土には空気がたっぷり含まれ、ミミズもいます。

Q.輸出の割合、輸出先について教えて下さい。
A.90%がフランス国内で消費されています。国内400店ほどのワインショップ、レストランなどに入っています。輸出先は、アメリカ、イギリス、日本です。





<テイスティングしたワイン>

1)Cotes du Rhone Village Cairanne Rose 2004
セニエ方式でつくったロゼ。春から夏の季節にオススメ。ピクニック、食前酒、魚のグリルなどに、よく冷やして。

2)Cotes du Rhone Cuvee Printemps 2005
ボージョレ・ヌーヴォー的な位置づけとして、2005年のキャラクターを知ってもらうためにつくったというカジュアルでフルーティーな赤。ラベルのデザインは毎年変わるそうです。ラベルはアーティストに依頼して「春」のイメージで描いてもらっています。


2005年の「春」のイメージ

3)Cotes du Rhone Les Garrigues 2004
ガリーグ(潅木の生えている土地)のワイン。ボディがしっかりとし、タンニンが豊かでスパイシーで、ブドウの種を噛んだ感じがあるので、ハーブやトマトを使った料理や仔羊などがオススメだそう。

4)Cotes du Rhone Village Cairanne 2004
甘草、香草、ミネラルの香りがあり、全てのバランスを取ってつくられたワイン。

5)Estrambords 2003
リショーさんが「限界ギリギリの思いでつくった」というワイン。猛暑に見舞われた年だったけれど、ミネラルが残り、バランスが取れたとのこと。

6)L'Ebrescade 2001
ケランヌからラストー村にかけて広がる土地で、どうしても手に入れたかったため、2倍のお金を払ったとのこと。300mの高台にあり、南向きなので、北から吹くミストラルが当たりません。古い樹齢のムールヴェドル、グルナッシュ、シラーからつくられています。ミネラル、酸、ブドウが完熟した年でした。

7)L'Ebrescade 2003
リショーさん曰く「アクシデントのワイン」。糖度が非常に上がったため、発酵の際に残った糖のせいで甘く感じます。
「樹齢50年の完熟したグルナッシュ(100%)のポテンシャルを出し切りました」とリショーさん



 右から順に1~7



ワインはどれも「バランス良くエレガント」なスタイルです。
南ローヌというと、アルコールが高くて濃厚なイメージがありますが、リショーさんのワインには、穏やかなやさしさがあります。


1)のロゼ以外は全部赤ワインです。

白ワインはつくっていないんですか?白を飲みたくなったら、どうするんですか?」と尋ねたところ、

実はほんの少しだけ(5%)白ワインをつくっているとのこと。
魚料理やフロマージュ・ブラン(熟成させる前のフレッシュな白いチーズ)に合わせて楽しんでいるそうです。


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インタビューを終えて

リショーさんは「無口」だと聞いていたのに、次の質問になかなか入れないほど絶(舌?)好調。ワインづくりのこととなると、話が止まらないようです。

趣味はハングライダーとバイク。今回の来日では、ぜひホンダやトヨタの工場見学に行きたいと思っていたそうですが、時間が取れなかったので、次回はぜひ!と、少年のようでした。

そんなリショーさんを支えるのが、妻のマリーさん

「マリーが経理と営業、従業員管理など、全て取り仕切ってくれています。家族の力は大きいです」と言うリショーさん。

4人のお子さん(30~15歳)のうち、末っ子の女の子がワインに興味を持ってくれているようなので、彼女がワインづくりを引き継いでくれることを期待しているとか。

「世界各地のワインと競合することで、多くのワインはその土地のオリジナルから離れていきました。元のオリジナルの土壌をそのまま表した、誠実で素直なワインこそ消費者のためになるワインです。私は消費者が喜んでくれるワインをつくりたいと思っています」

テクニックを知り尽くしたリショーさんだからこそ出てくるこの言葉。
そして、いつのまにか辿り着いたという自然なワインづくり。

「自然派」という手法が目的になりがちな昨今ですが、彼が敢えてそれを語らないのには、そんな背景があるようです。 ワインを飲む側にとって、こうした生産者の気持ち&姿勢というのは、なんとも嬉しいことではありませんか。


取材協力:有限会社ベスト・マーケティング・オフィス
      クラブ・パッション・デュ・ヴァン

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第21回 Chateau Suau@「キャッチ The 生産者」

2009-02-02 11:06:42 | キャッチ The 生産者
「ワイン村.jp」 (社団法人日本ソムリエ協会 オープンサイト)(2004年5月~2008年12月終了)に連載していた「キャッチ The 生産者」(生産者インタビュー記事)を、こちらにアップし直しています。
よって、現在はインタビュー当時と異なる内容があることをご了承ください。

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  (更新日:2006年4月11日)

第21回  Monique Bonnet  <DUO@Chateau Suau>

今回のゲスト、モニク・ボネさんは、フランスのプルミエール・コート・ド・ボルドーにあるシャトー・スオウのオーナーです。
モニクさんは、新しいスクリューキャップワイン「DUO」(デュオ)の紹介のために来日しました。



<Monique Bonnet>モニクさんの父クロードさんが資金提供し、1986年にボネ家がシャトー・スオウを取得。
以降、それまでは栄養士やダイエット関係の仕事に従事していたモニクさんがシャトーのオーナーとして就任。現在に至る 。


ボルドーでスクリューキャップ?

シャトー・スオウはプルミエール・コート・ド・ボルドーに82haの土地を所有し、うちブドウ畑は59ha。小石と粘土がモザイク状に入り混ざった土壌です。
赤品種ではメルロ(50%)、カベルネ・ソーヴィニヨン(30%)、カベルネ・フラン(20%)を、白品種ではソーヴィニヨン・ブラン(40%)、セミヨン(40%)、ミュスカデル(20% )を栽培し、豊富な資金力のもと、最新の醸造設備を駆使したワインづくりを行っています。
特にオーク樽を使用した白ワインは、国際的にも非常に高い評価を得ています。

そうした高品質ワインを生産する一方で、モニクさんは新しいタイプのワイン「DUO」を誕生させました。しかも、スクリューキャップというから驚きです!

ボルドーでスクリューキャップ栓とは、一体どんなワインなのでしょうか?



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AOCプルミエール・コート・ド・ボルドー

ボルドーのワイン生産地域はかなり広範囲に広がっていますが、
ポイントは3つの川
フランスの南西部を東から西に流れるドルドーニュ川と南から北に流れるガロンヌ川が合流してジロンド川となり、大西洋に注いでいます。
これらの川の流域の地形や土壌はさまざまで、それらが各地域のワインに独特の個性をもたらしています。

プルミエール・コート・ド・ボルドーはガロンヌ河の右岸沿いに広がる地域です。赤ワインは早飲みでフルーティーなものが多いといわれてきました。しかし、しっかりした色とコクを持つワインもあり、繊細な味わいのワインもあり…と、ひとことでは言い表せません。 ここは、今後見守りたい生産地域のひとつでしょう。

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Q.DUO はいつから生産していますか?
A.2002年ヴィンテージからです。

Q.DUOと従来のシャトー・スオウのワインと違う点は?
A.私が今まで手がけてきたワインというのは、赤であればタンニンがしっかりとしたクラッシックなもので、つまりボルドーの基本ともいえるワインでした 。

しかしDUOは、赤も白も味わいはフレッシュでみずみずしく、ボトルに詰めたらすぐ飲めるワイン、というコンセプトでつくりました。ボルドーの伝統的な、長く寝かせておいて飲むタイプのワインではありません。

Q.なぜDUOにスクリューキャップを採用したのですか?
A.DUOは、買ってきたらすぐにでも楽しんでいただきたいワインですから、栓が簡単に開けられる方がいいでしょう?

開けて、注いで、キャップを閉めてと、とても簡単だし、ボトルに残ったワインをそのまま取っておけるのもスクリューキャップのメリット。きっちりキャップを閉めておけば、また別の日に楽しむことができますもの。

Qスクリューキャップを採用しているワイナリーは、ボルドーでは現在どのくらいありますか?
A.はっきりとした数はわからないけど、まだそんなに多くないと思うわ。たぶん15ほどじゃないかしら?

Q.DUOに合うオススメの料理は?
A.白はアロマが豊かだけれど口当たりが爽やかなので、さっぱりとした料理に。
赤は中華料理とかのスパイシーな味付けの料理に合うと思うわ。

Q.DUOはどんなふうに楽しんだらいいでしょう?
A.好きなときに好きなように楽しんでほしいと思っています。ちょっとした集まりやピクニック、クリスマスetc…。
どんなときにでも気軽に飲めるのがDUOの良いところよ。

Q.ラベルがとても親しみやすくてキュートですね。描かれているは?
A.これは"特別な鳥よ"(笑)。"ルルー"という名前で、いつも動き回っていて、立ち止まらないの。

Q.特別なギフトパッケージボックスがあるとか?
A.2本入りのかわいいギフトボックスがあるので、一番のお勧めはバレンタインのプレゼント用ね。1本は彼が、もう1本はあなたが飲む、というのはどうかしら?(笑) 母の日や父の日の贈り物にも最適よ。





<テイスティングしたワイン>

DUO@Chateau Suau Blanc 2004<AOCボルドー>
セミヨン(Se)45%、ソーヴィニヨン・ブラン(SB)40%、ムスカデル(Mu)15%のブレンド。ソーヴィニヨン・ブランのアロマがとても豊かに香り立ち、爽やかで、ほどよいコクもあり、みずみずしさにあふれたフレッシュなワイン。これからの季節なら、テラスでくつろぎながら飲みたくなること請け合い!

DUO@Chateau Suau Rouge 2002<AOCプルミエール・コート・ド・ボルドー>
なめらかでスルスルとしたノド越し。果実味がやわらかく、タンニンはまろやかで、バランスも良好。ハンバーグ、焼き鳥、肉ジャガといった、普段のご飯にも合わせられそうな、使い勝手のいい赤。気温が高いときは少し冷やしても。メルロ(Me)60%、カベルネ・ソーヴィニヨン(CS)40%のブレンド。

Chateau Suau Blanc Cuvee Tradition 2004
DUOのワンランク上の白ワイン。ステンレスタンクを使って発酵、熟成を行っているクリーンなスタイルのワインで、ボルドーの気品をしっかり備えながらもリーズナブルなプライスが魅力。SB50%、Se40%、Mu10%のブレンド。

Chateau Suau Rouge Cuvee Tradition 2001
DUOのワンランク上の赤ワイン。Me40%、CS40%、カベルネ・フラン(CF)20%。きれいにバランスが取れた、ふくよかな味わい。CFが入ることで、より複雑になり、エレガントさも感じます。

Chateau Suau Blanc Prestige 2004
オークの新樽を100%使って熟成(8ヶ月)させているため、ボディに厚みがあり、豊かなコクがあります。文句なしにウマイ!と思わせる、本格的なボルドーの白。クリームを使った料理などにピッタリ。SBとSe各50%。

Chateau Suau Rouge Prestige 1999
オークの新樽を使って熟成(12ヶ月)。典型的なボルドーのスタイルと品の良さを持った赤ワイン。タンニンにきっちりとした存在感があり、飲みごたえがあります。ようやく飲み頃を迎えつつあり、まろみも出てきました。CSとMe各50%。


※シャトー・スオウでは、甘口の貴腐ワイン"カディヤック"(Cadillac)も生産しています。
  生産本数が少ない希少なもので、15年以上の熟成が可能です。



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インタビューを終えて


モニクさんは本当に陽気な女性で、ついつい彼女の楽しげな話しぶりに引き込まれてしまいます。

今回モニクさんが紹介してくれた「DUO」は、楽しくおしゃべりをしながら、いつのまにかグラスを重ねてしまう、そんなワインです。

そのまま飲んでもいいし、軽くなにかをつまみながら、また、しっかり食事をしながらでも楽しめるという柔軟さも嬉しいポイント。
特にラベルに描かれている"ルルー"の存在が楽しく、このルルーは格好の肴になってくれそうですよ。



"ボルドーワイン"というと、ちょっと気取っていて、敷居が高くて、なんだか敬遠しちゃうのよねぇ…、それに、どうやって飲んだらいいの?と思う人もいるかもしれません。
でも、この「DUO」なら、思わず手に取って開けてみたくなりませんか?

普段の生活の中で気軽にボルドーワインを楽しめたら、なんだかとっても嬉しいかも。

寝かせて待たなくてもいいし、好きなときに好きなように飲んでいいのなら、ワインの楽しみ方は無限に広がりそうです。

型にはまらないワインの楽しみ方を、モニクさんはこの「DUO」で教えてくれたようです。


(取材協力:中部貿易株式会社)→ 現社名は(株)アグリ に変更

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「メルヘン」のバウムトロフィー♪

2009-02-01 10:07:03 | 甘いもん
バウム三連投になり、甘いものが苦手な方、すみません~
でも、このバウムだけは、ひとまず紹介させてください!

バウムのイベントの開幕を飾ったのは、石川県珠洲市にある

「メルヘン日進堂」 さんの バウムトロフィー




この店の壷型に焼いたバウムがとても有名なので、そういった創作バウム専門の店かと思っていたのですが、今回初めて食べてみて、メチャメチャ私好みの味わいのバウムをつくるお菓子屋さんということがわかりました。

このバウムの高さは、本当にどれくらいあったんでしょう?
測っていませんが、60cmは超えていたと思います。



みっちりと詰まったバウムの硬めの質感・・・、ホント、これは超好み



バウムトロフィーは10,500円で注文できるようですが(高さは27cmほど)、今回のこのスペシャルなトロフィーは、次に紹介する新バウムの名称募集で採用された方(今回のイベントの主催者)の勝利賞品でした
貴重なバウムをありがとうございました!



ということで、その新商品がこちらです。

 
「能登の里山 大地の虹」  メルヘン日進堂




野菜を練り込んだ5色5層のバウムで、
地元野菜の能登大納言小豆、大浜大豆、ほうれん草、えびす南瓜、紫いもを使用し、色素や膨張剤、保存料などの添加物は一切使っていません

ナチュラルでやさしい味わいのバウムでした。



同じメルヘンで、上の「大地の虹」とそっくりなのが、


「リーベンバウム」

ブルーベリー、リンゴ、マンゴー、パッションフルーツ、イチゴと、こちらはフルーツが使われています。
食紅などは使われていますが、膨張剤、保存料は不使用です。

メルヘンらしいみっちりした食感にフルーティさが加わり、これも実に美味しかった~





メルヘン日進堂では他にも、さまざまなフレーバーのバウムがあり、今回は以下の4つもたっぷりと堪能させていただきました。


チーズ                      (酒かすの風味)



黒ゴマ(見たまま、ゴマです)        キャラメル

どれも、ちゃんと、その素材の味がしっかりするのが嬉しいですね。

本当にごちそうさまでした


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