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母校・盛岡一高や岩手のスポーツ情報、読書感想、盛岡風景などをお伝えします。

火のみち(下)-乃南アサ

2020年05月16日 | 読書

評価4

偶然、デパートの展覧会で中国北宋時代(11世紀前後)の青磁・汝窯(じょよう)を見た南部次郎は、その魔力に憑かれ、備前焼を捨て汝窯の研究と再現に全身全霊を注ぐ。そんな兄を経済的に支えるのは女優として生きる妹・君子の財力だった。汝窯にのめり込んだ次郎の元から、二人の女性、唯一の子供さえも離れて行く様があまりにも悲しい。

うぅ~ん、、、、芸術家の宿命かもしれないが、次郎、汝窯しか頭になく、周囲が見えなくなりすぎ。金のことは全部、妹任せ、これでは家族が離れるのも致し方なし・・・もう少し、離れ離れだったきょうだいで明日へ向かって突き進む物語になるのかな?と思っていたので期待外れだった。君子が可哀そう。

【追伸】陶磁器についての勉強にはなったが、全く興味は湧かなかった。

火のみち(上)-乃南アサ

2020年05月14日 | 読書

評価5

終戦時、満州から引き揚げて貧しい暮らしを強いられていた南部家長男の次郎は昭和28年、妹をかばって男を撲殺して10年の懲役刑を受ける。刑務所で得た陶芸への情熱を抱く兄と女優として成長した妹・君子はついに再会を果たす。行方不明になっていた次男・満男も兄の陶芸工房にやって来て、新たな展開へ。次郎、君子、満男の行く末は?、昭和40年以降の世相も懐かしい!後半に期待!

次郎の熱い情熱は殺人に至るほどの血気と表裏一体。そんな男が静かに備前焼の窯に向かう姿がとてもいい味を出している。生き馬の目を抜く芸能界でしたたかに生きる妹・君子だが、兄弟と触れ合って素に戻った時の姿が清々しい。

悪い人が出て来ない珍しい乃南さんの作品は、相変わらず途中で頁をめくる手を止められないノンストップノベル!実に楽しい!

勝者の混迷(下)-塩野七生

2020年05月11日 | 読書

評価5

マリウスとスッラの時代からポンペイウスの時代まで(紀元前120年~前63年)。

紀元前1世紀初頭、同盟者戦役に続き、小アジアでのミトリダテス戦役の勃発や度重なる内乱でローマは混迷の度合いを深めていた。そんな中、戦役に勝利した名将スッラは反対派を一掃、前81年に、任期無期限の独裁官に就任し、ローマの秩序再建のため、国政改革を断行。しかし、このスッラ体制も彼の死後まもなく崩壊。この後登場するポンペイウスがオリエントへとローマの覇権拡大を果たす。

スッラのライバルだったキンナの娘と結婚した男の名が「ユリウス・カエサル」。そうだ、あのカエサル!この時は、反スッラとして小アジアに逃げ延びていてほとんど顔を出す場面はないが、いよいよ次からの4巻はユリウス・カエサルが登場!

さて、この時代、アルメニア、マケドニア、シリア、パルティア(ペルシャ)などの国名が何度も登場して、なかなかの歴史を持った国なのだな~と、思いを新たにしたところです。

◆カバーの銀貨について
ここに紹介したのは、第一次三頭政治の一人だったポンペイウスの、業績を記念して鋳造されたデナリウス銀貨。表面は、地中海に横行していた海賊をわずか3ヵ月で一掃し、地中海に平和を確立した当時のポンペイウス。

実録・連合赤軍 あさま山荘への道程ー映画

2020年05月10日 | 文化・芸術

2008年、若松孝二監督。

1960年代後半の学生運動から1971年、1972年の連合赤軍が引き起こした事件(山岳ベース事件、あさま山荘事件)までを学生サイドの視点から克明に追った映画。上映時間190分。

私が何も知らずのほほんと中学~高校生活を送っていた頃の出来事。当時の若者たちのほとばしるエネルギーが怖い。

勝者の混迷(上)-塩野七生

2020年05月10日 | 読書

評価5

紀元前2世紀半ば、強大国カルタゴを滅ぼし地中海世界の覇者となったローマだが、貧富の差が増大し内部から病み始める。護民官として改革に乗り出したグラックス兄弟の時代を経てマリウスとスッラの時代まで(紀元前133年~前78年)。

ティベリウス・グラックスの後を受けた弟のガイウスは、兄が確立しえなかった農地法の再承認に取り組み、失業者・貧困対策として軍隊法、公共事業法、植民都市法、市民権改革法などを矢継ぎ早に提案するも、兄同様、反対派に殺害されてしまう。そんな中、マリウスが推し進めた軍政改革にかねてから不満を持っていた同盟諸都市が蜂起(同盟者戦役)するも、ユリウス市民権法の成立により共和制ローマは都市国家を脱却し世界国家としての歩みを始める。

日本の同年代は弥生時代ではないかと思われるが、そんな頃に、租税やら退職金やら失業対策やら相続に悩むローマ人。いやはや恐れ入るしかありません。

◆カバーの銀貨について
ローマ共和制時代は長く、通貨に彫るのは人間の顔よりも、神話の神々である方が断じて多かった。元老院体制としてよい少数指導型の政体では、個人の突出は喜ばれる現象ではなかったという事情もある。ここで取り上げたデナリウス銀貨もその一例で、表面は勝者を示す月桂冠を頭上にした男神アポロ。

【追伸】
イタリアものを読む時のBGMはメンデルスゾーンの「イタリア」


5月の憂国。

2020年05月09日 | 家族・自分
責任感の欠片もない首相、大臣、国会議員。
デモのやりようもわからないほどスポイルされた国民。
どうしようもない国に成り下がりました。
こんなに自分の国に誇りを持てない時が来るとは思ってもいませんでした。普段、誇りを持てないから、「五輪!五輪!」と騒ぐのでしょうね。

エイリアン-映画

2020年05月08日 | 文化・芸術

1979年、リドリー・スコット監督。
あのエイリアンの画像を貼り付けようかと思いましたが、そごはそれ、お友達の皆々様に不快感を抱かせるわげにもいかずと、この若かりし頃のリプリー(シガニー・ウィーバー)の画像となりました。

躍動感あふれる「エイリアン2」に心底痺れているので、パート1はほぼ忘れておりましたが、全編、粛々と進行する雰囲気にゾワゾワ感を拭い切れず、2のための素晴らしい助走作だと思います。

いや~ シガニー・ウィーバーのお尻と薄めのTシャツがグーっです!

マジですかっ!?

2020年05月08日 | ノンジャンル

今日の岩手日報さんの記事です。
私が生まれる22日前の記事にビックリ!

①弁護士が②酒に酔って③募金中の④女子中学生を⑤殴って⑥現行犯で⓻逮捕された

信じられない事件に昼飯を食うのも忘れておりました。
これごそ、最低最悪地獄に落ちろ、死んでしまえです!!!