2月6日 サンデーモーニング
エジプトの反政府勢力と大統領支持派がタハリール広場で衝突。
大統領支持派の怒りの矛先は、偏った報道を行なったとしてメディアにも向けられた。
反ムバラク一色だった民衆のデモに突然現れた大統領支持派。
エジプト国内には1973年の第4次中東戦争でイスラエルを電撃攻撃した際、
国民的英雄となったムバラク大統領を今も支持する人がいる。
さらにムバラク政権は、金品などを使って大統領支持派の市民を大量動員したといわれる。
アメリカ クリントン国務長官
「私はエジプト政府(そして野党勢力など)に平和的で秩序ある政権移行に向け
真剣な交渉を直ちに行なうことを求めます。」
クリントン長官は政権移行へ向けた交渉を直ちに開始するよう求めた。
しかしムバラク大統領は強気の姿勢をくずしていない。
ムバラク大統領
「今の私の第一の責任は国の治安と安定を取り戻すことだ。」
9月の大統領選に出馬しない、と表明したものの、
アメリカABCのインタビューで、
「大統領を辞められるものならやめたいが、今私がやめたら国が混乱に陥る。」
と、反政府勢力が求める即時退陣を拒否したのである。
これに対し、反政府勢力は強く反発。
“追放の金曜日”と掲げられた4日のデモには数十万人が集結。
大統領支持派と衝突し、一向に収まる気配がない。
エジプトの混乱は経済にも影響を与え始めている。
日産自動車は現地工場の操業を停止、丸紅も駐在員の出国を検討。
中東情勢が緊迫するという懸念から原油価格も上昇している。
アメリカをはじめとする国際社会が今最も警戒するのが、
政情が不安定化することでイスラム原理主義が台頭することだ。
その鍵を握る穏健派イスラム組織のムスリム同胞団。
ムスリム同胞団 バイユーミ幹部
「組織の若者は死を覚悟している。
大統領退陣の達成まであきらめない。」
さらにムスリム同胞団は
1973年に平和条約を結んだイスラエルとの関係を見直すことに言及。
そのイスラエルとの関係に悪影響を及ぼしかねない事件が起こった。
エジプトからイスラエルやヨルダンに天然ガスを輸出するパイプラインで爆発があり
テロリストの関与が指摘されているのである。
周辺国では、国際テロ組織アルカイダの拠点があるイエメンでも
大規模な反政府デモが起きサレハ大統領が引退を表明した。
チュニジア 反政府デモを受け政権崩壊 ベンアリ前大統領は亡命
イスラエル 首相が軍事力増強を示唆
ヨルダン 高失業率などへの抗議や首相辞任を求めるデモ
国王は内閣を更迭 印首相を任命
イエメン 大統領の即時退陣を求める大規模デモ サレハ大統領は引退を表明
エジプト 大規模デモ(100万人規模) 反政府は戸大統領はが衝突
ムバラク大統領は引退を表明
アルジェリア 野党勢力などが民主化要求デモ 治安部隊と衝突し多数負傷