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ファンラン 東京マラソン

2011-02-28 22:06:22 | 編集手帳
  2月27日付 読売新聞編集手帳


  東京マラソンを2時間半で走ったと自慢する人がいますけど、
  もったいないでしょ。
  沿道に用意された、あんパンやバナナもろくに食べられない。
  私の場合は5時間近くもかけて走りながら、
  飲み放題、食べ放題…。

  市民ランナーで「ゑりの未楽」の落語家名も持つ作家、
  衿野未矢さんのマラソンをネタにした新作落語は、
  そんなマクラで笑いをとる。
  著書「ファンランへの招待」(中公新書ラクレ)に誘われて走り始めた人もいるのでは。

  ファンラン、
  つまり楽しく走るのが市民マラソンの神髄だ。
  きょう27日、
  新宿から皇居、銀座、浅草を通ってお台場へ、
  首都の名所を3万人以上がマイペースで走る。

  もちろん「飲み放題、食べ放題」は落語のユーモア。
  沿道には大勢のボランティアが連なって、
  ランナーに甘いものなど差し出し、
  励ます光景が見られるだろう。
  走るも楽し、応援するもまた楽し。

  石原都政の評価は人によって分かれるものの、
  東京マラソンの実現は素直に「功績」とみなす人が大半ではないか。
  始めたご当人が今年もスタートの号砲を撃つ。
  さて、ところで都知事選の方はいつ鳴るのだろう。
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庶民と鳩山元首相の“格差”

2011-02-28 08:16:26 | 編集手帳



  2月20日 読売新聞編集手帳


  大学生の子どもがいる親であれば、
  30年前は自分も学生だったという人は少なくないだろう。
  下宿暮らしの何年か、
  親元からの仕送りとアルバイト収入でしのいだ経験を、
  記憶の棚から取り出して懐かしむこともある。

  デフレ不況の今、
  仕送り額がほぼ30年前の水準に逆戻りしたと聞いて驚いた。
  全国大学生協連の調査によると、
  昨年の平均月額は4年連続減少して7万1310円と、
  1980年代初頭並みだった。5万円未満も4人に1人いた。

  食費は1日当たり約783円に減った。
  逆に住居費は30年前の2・7倍に高騰している。
  「百均」やファストフード、
  価格破壊の店が増えたとは言っても、
  ぎりぎりのやり繰りであろう。

  仕送りと言えば、
  「抑止力は方便」発言で日米両国民の不信を買った鳩山前首相も
  米国留学の際に頼った経験がある。
  首相辞任表明直後の昨年6月、大学の講演で「迷言」をひとくさり。

  <年間1500億円か、
   1500万円だったか忘れました。
   150万円、そんな程度?>。
  落ちは<奨学金の充実に努力していく>だったそうである。
  聴衆の学生の唖然(あぜん)とした表情が目に浮かぶ。
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