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脱官僚のむなしさ

2011-02-24 21:38:43 | 編集手帳
  2月12日 読売新聞編集手帳


   
  菅首相に官僚が政策や情報を説明するのは一苦労のようだ。
  「俺は聞いてない」「新聞は違うことを書いているぞ」。
  話し始めて15秒で、叱責されることもあると聞く。

  「当然です。今、初めて報告するのだから」と、
  突っ込み返したくなるのを、ぐっと堪(こら)える宮仕えに少し同情もする。
  攻撃的な性格のうえ、ミニ政党出身のためか、菅首相は人使いが得意とは言えない。

  野党党首の時代も、
  公式の場で党幹部をコテンパンにやり込め、恥をかかせることが多く、
  「まるでワンマン社長だ」と陰口をたたかれた。
  その首相が、省庁間の政策調整を閣僚・副大臣ら政務三役だけでなく、
  次官・局長らにも認めると言い始めた。

  民主党政権の金看板の「政治主導」がうまく機能しないため、
  「脱・脱官僚」に宗旨変えしたものだ。
  様々な政策課題にきちんと取り組むには、
  遅きに失したとはいえ、官僚を使いこなし、
  その能力を最大限引き出すことが欠かせない。

  官僚のやる気を失わせ、面従腹背の「指示待ち」モードに陥らせることこそ、
  税金の無駄遣いだ。
  事業仕分けで捻出する歳出削減程度では、到底追いつかない。
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