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『アメイジング・グレイス』議場シーンの迫力

2011-02-13 22:44:37 | 編集手帳
  2月6日 読売新聞編集手帳


  映画『アメイジング・グレイス』(英・2006年)は、
  19世紀初頭、奴隷貿易の廃止に生涯を捧げた
  実在の政治家ウィリアム・ウィルバーフォースの物語。
  植民地競争時代、英国を出た帆船はアフリカ西海岸で大勢の奴隷を乗せ、
  カリブ海諸島などの植民地で農園主らに売却、
  代わりに砂糖、たばこ、コーヒーなどを持ち帰って莫大な利益を上げていた。
  「三角貿易」は、世界史の授業で習った記憶がある。

  非人道的行為だとして、
  議会でウィルバーフォースは奴隷貿易廃止を訴えるが、周りは全員反対。
  それでも、かつて奴隷船の船員だった牧師が
  悔恨と神への感謝を込めて作った「アメイジング・グレイス」の詞と、
  妻の愛情に支えられて闘い続け、
  1807年、ついに廃止法が成立する。

  見どころは議場のシーンだ。
  伝統の長方形、与野党が対峙(たいじ)する格好で階段状に据えられた長椅子。
  かつらを着けた議員が、その場で立って論敵とやりあう。
  議会政治の手本のような迫力。

  批判が怖くて「消費税上げ」を明言できない、
  国会も「熟議」とはほど遠い、
  などとお悩みの先生方にも、ご覧いただきたい。
  3月公開。   
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