2月27日 おはよう日本
国内の新車の販売台数はピーク時の半分にまで減少しているが、
このなかで軽自動車の占める割合というのは年々増えている。
新年度を間近に控えたこの時期、
軽自動車の販売店では販売がピークを迎えている。
ホンダなど大手メーカー各社も軽の強化に乗り出している。
去年12月に始まった新しい軽自動車の生産は、
フル操業で月に1万5千台作られている。
軽自動車でダイハツ、スズキに水をあけられているホンダは、
来年度は販売台数を2倍に増やす目標を掲げ、
一気に追い上げようとしている。
ホンダがまず力を入れているのが車種の充実である。
軽自動車は車高によって大きく3つのサイズに分かれる。
ダイハツとスズキが全てのクラスに車種をそろえている一方、
ホンダは1つのクラスだけだった。
空白だったクラスに相次いで新型車を投入し、
今は上位2社に集中しているユーザーを取り込もうというのである。
販売戦略の転換も計っている。
ホンダの軽自動車のブランドイメージが弱かったからである。
そこで軽自動車の主な購入層である女性に気軽に立ち寄ってもらえる店作りで
イメージを変えようとしている。
女性が販売店店長の店。
女性向けに車の特徴をわかりやすくまとめた冊子を作った。
車の機能も女性スタッフが実演する。
新型車の投入と販売戦略の転換でホンダがシェア拡大を目指す軽自動車。
縮小が続く国内市場で勝ち残っていくには欠かせないという。
ホンダ 峯川尚常務
「軽自動車というのはまだまだ伸びる余地があると思う。
そこに確実に我々のマーケットを築いていく。」
一方、2強の一角を占めるスズキ。
原点回帰ともいえる戦略で攻勢をかけようとしている。
33年前、価格破壊といわれ大ヒットした初代アルト。
安くてよく走る車がスズキの原点である。
去年12月に販売した新型車は
燃費を向上させるため新型エンジンを開発し、
後部座席の内部のつくりをパネルからワイヤーに変えるなどして
車の重さを20キロ軽量化した。
材料費削減で価格を抑制し、
リッター30,2キロという低燃費を実現した。
ユーザーのニーズにこたえ追随を許さない構えである。
スズキの軽自動車戦略が見据えているのが
今後も高い成長が期待できる新興国市場である。
最も重要視するインドでは軽自動車サイズの車を売ってシェアを拡大し、
地元のタタ自動車としのぎを削りながら
トップメーカーの地位を堅持している。
いまやこうした新興国は世界の新車販売の半数を占めている。
スズキは軽自動車の技術を生かし、
新興国市場を開拓していこうとしている。
スズキ 鈴木修会長
「安いほうがいいんですよ。
軽いほうがいいんですよ。
タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピン。
アジアは日本の軽自動車国民車として通用する。」
円高や海外メーカーとの競争など逆風が続く自動車業界。
この厳しい局面を如何に打開していくのか、
市場で存在感を増す軽自動車はそのカギのひとつといえる。