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どうするマンションの避難対策

2012-03-27 12:00:30 | 報道/ニュース


  3月23日 おはよう日本


  もし大地震が起きたらマンションの住民はどうなるのか。
  東日本大震災のあと、大きな課題が浮かび上がっている。
  自治体の防災計画では災害が起きたとき
  どのくらいの住民が避難するのかを想定し避難所を準備している。
  その避難所に来るのは戸建ての住宅が多く、
  建物が比較的丈夫なマンションは
  倒壊などがなければ避難は少ないと考えられてきた。
  しかし今回の震災では
  マンションからも多くの住民が避難したことが明らかになった。  
  都市部で大地震が起きた場合、
  避難所で住民を受け入れきれないおそれが高まり対策が求められている。
 
  約1300棟のマンションが建つ仙台市。
  東日本大震災では多くの被害が出たものの倒壊したマンションは無かった。
  しかし避難を余儀なくされた人が多く出た。
  230世帯が暮らすマンションでは
  各世帯に水を供給している入水層が破損し
  飲み水や手入れの生活用水が確保できなくなった。
  エレベーターも動かなくなり
  給水や食料があってもそれを部屋まで運ぶのが困難だった。
  さらに部屋の中も倒れた家具や割れた食器、本などが散乱し
  部屋にとどまることが難しくなった。
  
  今回の震災でマンションからどのくらいの住民が避難したのか。
  筑波大学では仙台のマンション住民3,300人を対象に調査をした。
  その結果、家具の転倒、ライフラインの停止、情報の不足などを理由に
  避難した住民は31%。
  3人に1人が避難していた。

  筑波大学 糸井川栄一教授
  「電気、ガス、水道とか食料とか生理的な行為に対しての対応だとか
   トータルとしての生活が必要なわけだから
   そういうものが一つでもかけると
   建物の頑丈さだけでは足りない部分が多々ある。」

  マンション住民の多くが避難する状況にどう対応すればいいのか。
  東京中央区は住民の約9割の10万人以上がマンションで暮らしている。
  区ではこれまでの防災計画では避難所が足りないおそれがあるとして
  対策を迫られている。
  特に懸念しているのがマンション建設が進む月島地区。
  6年前(平成18年)に防災計画を作ったときの人口は約4万3、000人。
  大地震が起きたとき住民の約15%の役6,700人が避難生活をするとみて
  9ヵ所の避難所を整備した。
  もし大地震で仙台のように30%以上の住民が避難することがあれば
  避難所は全く足りない。
  さらに人口は当時より1万人以上増加し、
  今も増え続けている。
  「ここずべてマンションが建つと 
   とうてい避難所に受け入れきれるわけがない。」
  しかし。避難所を増やせる見通しはない。
  
  中央区防災課
  「ある一定規模以上の広さがどうしても避難所には必要になってくる。
   なかなか数を増やすのも難しい。
   想定していないマンション内で不安だからと非難する人が数多く発生すると
   避難所があふれてしまう可能性が充分にある。」

  区では今、マンションを回り建物の中で避難生活を送れるよう
  対策を採って欲しいと呼びかけている。

  住民が主体となり避難生活への対策をとる相模原市のマンション。
  生活に欠かせない飲み水の対策は住民の2ヶ月間ぶんの水の備蓄。
  生活用水がなくなっても暮らせるように
  各世帯に簡易トイレを配布した。
  さらにこのマンションで力を入れているのは
  各階で協力して生活できるようにすることである。
  それぞれの階ごとに物資を備蓄。
  「エレベーターが動かなくなった場合には運搬が困難ですから
   フロアーごとにおいてすぐ使える状態にしている。」
  防災訓練も各階ごとに行なっていざというときに助け合える下地づくりを進めている。

  筑波大学 糸井川栄一教授
  「東日本大震災の教訓をひとつのきっかけにして
   住民の側からも自分たちがアクションをするんだという意識を持つという  
   自分たちが変わらなければならないということが
   非常に重要なポイントだと思う。」

  中央区によると
  各階ごとに備蓄する対策を採っているマンションはまだごく一部で
  住民側も出来る限りの備えをする必要性が高まっている。
  一方で行政側の体制作りも必要だという声も上がっている。
  マンションでは生活に必要なさまざまな情報や食料などの支援が
  なかなか届きにくいケースもあるため
  避難の長期化を見据えた対応も求められている。
  
  
  
  
   
    


  
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