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アジアに学べ 格安航空誕生の舞台裏

2012-03-21 13:11:44 | 報道/ニュース


  3月18日 おはよう日本


  今年は日本では“格安航空元年”といわれている。
  格安航空は、
  座席の幅を狭めたり、
  飲み物などを有料とにしたりと
  これまでよりもより安い運賃を実現している。
  今年だけでも日本で3社が本格的に営業を始める。
  全日空がアジア最大の格安航空と組んで新たに設立したエアアジアジャパン。
  8月から成田空港を拠点に
  国内で3路線の営業を始めるための準備が急ピッチで進められている。

  3月10日はエアアジアジャパンの入社式。
  アジア式の挨拶を教えるのはマレーシア人幹部。
  大手の半額から3分の1の運賃を実現するため
  エアーアジア本社から派遣された。
  その指導を受けながらコストカットを担うのは
  エアアジアの小田切義憲さんで全日空出身である。

  マレーシア人幹部
  「これまで4人のところが2人になれば
   コストが50%も削減できるじゃないか。」

  エアアジアは10年前、マレーシアを拠点に設立。
  徹底したコストカットで安い運賃を実現し、
  アジア最大の格安航空に急成長した。
  小田切さんは空港などに支払う料金をもっと切り下げるよう
  日々迫られている。
  成田空港に新たに設置する搭乗カウンターの料金交渉に臨んだ。
  小田切さんは使われなくなった古い施設を利用する代わりに
  大幅に料金を引き下げるよう求めている。
  「我々もその分賃料は安くなると期待しております。」
  しかしかつて経験したことのないような値下げ交渉に苦戦を強いられている。
  
  エアアジア・ジャパン 小田切さん
  「われわれは20年の経験あるけれど
   その経験が良くも悪くも染みついているので
   自分たちでは当たり前と思うことを
   一回否定したり見直したりしなければと感じる。」

  さらにマレーシア本社の経営陣からも
  なかなかコストが削減できない日本の現状に不満の声が上がっている。
  マレーシア本社を訪ねた小田切さんは
  エアアジア最高経営責任者に
  これまでのやり方だと成功しないと指摘された。

  エアアジア トニー・フェルナンデス最高経営責任者
  「全日空はわれわれと違うので
   正直、一緒に組むのはリスクもある。
   とにかく最安値を実現してもらわなければならない。」

  小田切さんが今、最も強く求められているのが
  “航空機の折り返しを25分以内”におさえること。
  短い時間で折り返えすことでなるべく多くの便を飛ばすねらいである。
  たとえば、1日に成田と福岡を2往復した後も
  さらに沖縄と1往復する計画の場合、
  大手のように空港で40分ほどとどまると
  成田空港の営業時間内に沖縄から返ってくることが出来ない。
  すると沖縄での業務員の宿泊や機体の整備費などが必要になる。
  25分で折り返えすことが出来ればこうした費用は必要ない。
  さらに片道分の収入が増え、
  年関数億円の売り上げにつながる。
  エアアジアではスタッフの効率化を進め 
  25分での折り返しを行なっている。
  日本でも独自の工夫をして実現するように求めている。

  エアアジア幹部
  「これまでの航空会社のやり方は
   運行頻度の高い格安航空では通用しません。」

  就航まで半年をきるなか、
  格安航空のビジネスモデルをどのように日本に持ち帰るのか
  小田切さんは大きな課題を突きつけられた。 

  エアアジアは客室乗務員にも利益をあげることを求める。
  機内販売で収益を上げることで
  さらなる運賃の引き下げを行なっているからである。
  研修ではものおじせず着ないで販売が出来るよう
  ダンスで積極性を育成しようとしている。
  さらにメークでも客をひきつけるテクニックを指導している。
  かつて全日空で働いていた女性は清楚で控えめなイメージが
  目元に力のある情熱的なイメージに変わった。
  
  客室乗務員候補生 西野未紗さん
  「仕上がった後みんなきれいで驚いた。
   日本でも受け入れられるのではないか。」

  25分での折り返し運航の実現に悩む小田切さん
  帰国前日、日本と似た条件で運航しているインドネシアを訪れた。
  そこで手の空いているスタッフが専門外の仕事を行ない
  スピードアップを実現していた。
  機体を整備していた整備士が手の空いたときに航空機への給油を手伝っていた。
  小田切さんは
  日本でも安全を確保しつつ業務での垣根を越えれば
  25分での折り返しに近づけるのではないかと感じた。

  エアアジア・ジャパン 小田切さん
  「彼らのほうがより深く取り組んでいる。
   航空業界が生き残るには貪欲さが必要。」

  生き残りをかけアジアの格安航空から学び始めた日本の航空会社。
  日本にあった格安航空モデルを作ることが出来るのか
  模索が続いている。

  
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