3月17日 NHK海外ネットワーク
タブレット端末iPadの新製品が世界の主要国でいっせいに発売された。
ところがそのiPadは中国で一部の都市で販売することが出来ない。
理由は商標権の侵害。
iPadの偽者も出回っている。
模倣品や商標権の侵害が横行する中国。
枝野経済産業相
「こんなもの(商標権侵害)がまかり通っているとしたら
国家としてのプライドの問題ではないか。
プライドがないのかと言いたい。」
iPadをめぐる論争は中国広東省深川にあるIT機器メーカーが
商標権は自社にあると訴えを起こし
一審でその訴えが認められたものである。
アップル社も裁判で対抗したが敗訴した。
iPadの商標は、
アップル社が売りだす10年も前に中国の企業が登録していた。
このためアップル社は3年前に
この企業のグループ会社から商標権を買い取った。
ところが
“アップルしゃが買い取ったのは海外の商標権で
中国本土での権利は含まれていない”、
というのが訴えを起こした企業の言い分である。
広東省の裁判所はこの主張を支持したというわけである。
iPadの商標権をめぐるアップル社と中国企業の一連の動きは
上海でも市民の大きな関心を呼んでいる。
「中国企業が咲きに商標を登録したのだから彼らにも道理はある。」
「中国企業はやりすぎ。
中国の消費者が買いたいものを買えるように早く解決して欲しい。」
商標権を含む知的財産権を軽視していると国際社会から指摘されてきた中国だが、
この問題を放置しては開発力をつけてきた中国企業の利益が損なわれる、
という考えが広がり始めている。
政府も取り締まりの強化や法整備に乗り出しているが
対策は追いついていないのが現状である。
知的財産権(商標権、特許権、実用新案権、意匠権)などそれぞれで
問題が起きている。
日本の商標
“四国タオル工業組合”“松阪牛”は中国でそっくりなものが出ている。
JETROの調査で
全国の24の道府県と3政令指定都市の名前も商標として出願されている。
その一部は登録されていたことがわかった。
南部鉄器、米沢牛、九谷焼、美濃焼まで被害にあっている。
久谷焼については登録されてしまっている。
日本側は中国側に改善を求め、
中国側も数年前からこうした問題の摘発に力を入れ始めているが
知的財産権の被害は後を絶たない。
中国では外国の企業が逆に中国から訴えられるというケースも相次いでいる。
中国の企業が独自の技術開発や資本増強によって体力をつけ
海外に打って出るようになったことや、
権利意識が高まったことが背景にあるのではないかと見られている。
日本の企業はこれまで以上に入念な調査が必要になってくる。
消費者も事前にインターネットなどで買い物するときも
充分慎重になってほしい。